このページの本文へ

生まれ変わった画像編集ソフトの雄『Adobe Photoshop CS2』の裏側を直撃!!

2005年06月14日 23時40分更新

文● 千葉英寿

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
[――] 今回も数多くの機能強化が加えられていますが、これほどの数の機能を使いこなすユーザーはいるのでしょうか? 場合によっては、カテゴリーやユーザーの要求に合わせて機能をモジュール化するといった仕様は考えられないでしょうか?
[中川] モジュール化はアイディアとしてはあると思いますが、実際に(社内で)検討されているかということで言えば、それはありません。将来においてもまったく検討の余地がないということではありませんが、モジュール化といってもいろいろなやり方があると思いますので、あらかじめ十分な検討が必要になると思います。
[――] モジュール化ではありませんが、機能の切り分けという点ではAdobe Bridgeがそれにあてはまると思います。Photoshop CSの一機能だった“ファイルブラウザ”を単独のアプリケーションとしたのはどういう理由からですか? Photoshop単体のユーザーにとっては、(内部機能である)ファイルブラウザのままの方がよかったのでは?
東京・大崎のアドビ システムズの本社にて
[中川] Adobe Bridgeは、ACSの“司令塔”として位置づけています。ACSのハブ(中継基地)とするには、独立したものにする必要がありました。
[栃谷] Adobe Bridgeにできて、ファイルブラウザにはできない機能があります。例えば、Camera Rawファイルのオープンや複数処理。さらにそれを実行しながらほかの作業が行なうマルチタスク機能などです。そういう役割分担をして効率化を図ることができるのは、Adobe Bridgeが単独のアプリケーションだからと言えます。
[――] Adobe Bridgeが“司令塔”であるなら、アドビ システムズにおけるスタンダードなファイル形式だけではなく、Microsoft WordやQurakXPressといった他社製の書類など、あらゆるファイルを読み込める方がいいと思いますが。
[中川] 現在はそれらすべての書類を表示することはできませんが、方向性としてはそうあるべきだと思います。
[――] Adobe Bridgeが単体製品としてスピンアウトする(単独販売される)可能性は?
[中川] Adobe BridgeはあくまでACSの付加価値であり、ACSの“ウリ”の部分でもありますので、単独で製品化ということにはならないと思います。
[――] Adobe Bridgeは起動が遅いと感じますがいかがでしょう?
[中川] 起動が遅いということについては、私たちも認識しており、その点はまったくアグリー(同意)です。社内でもなんとかして欲しいと提案しています。これはお客様の大きな不満につながる可能性がありますので、必ずインプルーブ(改良)していきたいと思います。次のバージョンにご期待ください。
[――] Photoshop CS2自体もPhotoshop CSに比べて起動時間をはじめ、アプリケーションが重いと感じることがありますがいかがでしょう?
[中川] ベストなクオリティーで制作するためにベストな環境で制作活動を行なうユーザーの作業には、かなりの演算処理が必要になります。そのため、それだけのパワーを持っているマシンを使っていただくのが前提で作られているフィーチャー(特別な機能)もあります。ベストなクオリティーを引き出すにはそのぐらいのマシンが必要だと言うことです。

しかし、そうではないユーザーもいる(必ずしもハイパワーなマシンのユーザーばかりではない)ことは認識しています。例えば、“スマートシャープ”(ブレ写真を補正する機能)のように内部的に大量の演算をしなければならない時には、32bitシングルチャネル環境での処理では遅いと感じることもあるかもしれません。パフォーマンスをあげることについては、常に心を砕いてはいるのですが、フォトグラファーがより美しく、より繊細な写真を作り上げるには、それなりのパワーが必要だということだと思います。
[――] それはやはり“32bitの限界”なのではないでしょうか?
[中川] そのとおりですね。64bitへの対応については長期にわたって取り組んできました。今回、Mac OS Xに続き、Windows XPにも64bit対応のWindows XP 64bit Editionが出たことで、Photoshop CS2では一部の機能が64bit対応になりました。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン