セイコーエプソン(株)とエプソン販売(株)は9日、同社のホームプロジェクター“dreamio(ドリーミオ)”シリーズの新製品として、2003年8月発表の『EMP-TW10』の上位機種となる『EMP-TW20』を今月下旬に発売開始すると発表した。価格はオープンプライスで、編集部による予想実売価格は13万円台後半。
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dreamio『EMP-TW20』 |
EMP-TW20は、480p(プログレッシブ信号)対応の家庭向けプロジェクターの新製品。発表に先駆けてプレス向けに行なわれた戦略説明会で、販売推進部の高田絢子氏は、
- エントリー層のシェア拡大
- エントリー価格帯ながら画質を向上させることで、買い替え需要を狙う
- “顕在層”の取り込み
- 低価格なプロジェクターに対して、暗い/画質が悪い/広い部屋でなければ置けない、などのネガティブな印象を持つユーザーにメリットをアピールして、新規購入を喚起する
- “潜在層”の取り込み
- プロジェクターには関心がなかった潜在的なユーザーに、体験会などを通じて大画面の魅力・メリットをアピールする
という3つにターゲットを絞った製品だと説明した。こうしたターゲット層にアピールするため、EMP-TW20では
- 輝度を1200ルーメン、コントラスト比を1000:1に向上
- 距離2mで80インチ相当、距離3.1mで120インチ相当と、大画面を“短焦点で実現”
- 上下2画面、左右1.5画面分の位置調整が行なえる“レンズシフト機構”を搭載
- 映像の種別に合わせて選択できるカラーモードに“ナチュラル”“シアターブラック2”を追加し、合計6種類に増加
などの機能強化を図っている。
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前方にはみ出る光も集光して活用するべく小型リフレクターで挟み込むように再設計した“E-TORLランプ” |
輝度の向上によって、プロジェクターの投影を楽しむために“完全な暗室”(入射光の遮断だけでなく、壁紙を黒にするなど反射の影響も抑える)が作りにくい日本の家庭環境を配慮して、多少カーテンやドアの隙間から光が漏れ入っても高い視認性が得られるという。これは、従来後方半分のみに設置していた反射板(リフレクター)を、前方にはみ出る光も集光して活用するべく小型リフレクターで挟み込むように再設計した“E-TORLランプ”の採用で実現したもの。ランプの出力も、EMP-TW10の130Wから135Wに高出力化している。なお、ランプ交換用カバーも従来の底面から天面に変更し、天井から釣り下げて設置した状態でも、本体を下ろさずにそのままカバーを明けて交換が可能になったという(ユーザーからのリクエストに応えた)。ランプ寿命は約3000時間。
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6種類のカラーモード |
レンズシフト機構は、本体を動かさずに投影する映像の位置を上下左右にずらすもの。本体を傾けると投影画像にゆがみが生じるため、再調整に手間がかかる。レンズシフト機構では、中心から上または下に投影サイズの半分、左または右に1/4サイズの移動が可能。
新たに追加されたカラーモードは、入力信号を忠実に表現することで映像の調整などに向いた“ナチュラル”モードと、暗いシーンをより漆黒に表現するため色温度を5800Kに低下させた“シアターブラック2”モードの2つ。
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日本の典型的な家屋を想定して、短焦点&高輝度などの設計を行なったという |
そのほか、電源投入直後の画面をユーザーが好みの映像に指定できる“スタートアップスクリーン”、投影終了後のランプの冷却完了を音声で知らせるビープ音機能と1Wのモノラルスピーカーを内蔵するなど、使い勝手の向上を図ったという。
上記以外の主なスペックは以下のとおり。
- 表示方式
- 三原色液晶シャッター
- 液晶パネル
- 0.55インチワイドポリシリコンTFT(16:9)×3
- 解像度(液晶パネル)
- 854×480ドット
- 透写レンズ
- 1.5倍マニュアルズームフォーカス、F1.7~2.1、f=13.7~20.5mm
- 縦型台形ゆがみ補正
- ±30度
- 投影サイズ(対角)
- 30~300インチ相当
- 映像入力インターフェース
- S-Video×1/コンポジット×1/コンポーネント×1/アナログRGB(ミニD-Sub15ピン)×1
- 対応映像信号
- 525i(480i)/525p(480p)/1125i(1080i)/750p(720p)
- XGA/SVGA/VGA
- 騒音レベル
- 28dB
- 消費電力
- 200W(最大)/4W(スタンバイ時)
- 本体サイズ
- 幅373×奥行き295×高さ111mm
- 重量
- 約3.5kg
