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右が新たに完成した“ノースタワー”、左は2000年に完成し、すでに運用中の“サウスタワー” |
日本電気(株)(NEC)は11日、神奈川・川崎の玉川事業所内に建設中の高層ビル群“NEC玉川ルネッサンスシティ”の“ノースタワー”“ホール”の完成を記念して、プレス向け披露会を開催した。今回の第II期棟の落成によって、2000年4月に完成・稼働開始している第I期棟“サウスタワー”と合わせてNEC玉川ルネッサンスシティが完成。これにより同所はNECの本社(東京・三田)/横浜事業所/我孫子事業所に展開していた携帯電話事業の開発拠点として活動を開始するほか、半導体ソリューション事業を担当するNECエレクトロニクス(株)、ソフトウェア事業を担当するエヌイーシーシステムテクノロジー(株)(NECシステムテクノロジー)、ディスプレーソリューション事業を担当するNEC液晶テクノロジー(株)などが入居し、約1万人が就業するとしている。
![]() | ノースタワーと同時に完成した“ホール”。明日から開催されるプライベートカンファレンスイベント“e-Trend Conference”の会場でもある |
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披露会にはNECから代表取締役 執行役員社長の金杉明信氏、支配人の岡田裕行氏らが出席したほか、川崎市長の阿部孝夫氏が参列して挨拶した。阿部氏は「玉川事業所は昭和11年(1936年)の操業開始で、日本電気の第二の故郷であると聞いており、戦後の発展下で新しい時代を築いた基盤でもある。川崎市の小杉地区は大規模なプロジェクトや企業の進出が聞こえ、明るい話題が続いている。NECルネッサンスは遠くからも見える小杉地区のシンボル的な建築物で、環境にも配慮された施設。川崎の誇りになる。就業人口の増加で周囲も活性化すると期待している」と述べ、施設の完成を祝した。
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披露会に出席した代表取締役 執行役員社長の金杉明信氏(右)と、川崎市長の阿部孝夫氏 | 同じく支配人の岡田裕行氏(左)と主席主幹の小長井教雄氏 |
今回完成したノースタワーは地上37階(高さ156m)/地下1階建てで、延べ床面積は約10万m2、ホールは地上2階建て、延べ床面積は約2000m2の多目的ホール。設計当初からエコロジー(環境配慮)思想を盛り込み、省資源/省エネルギー化をはじめ、周辺環境との調和や建造物としての寿命を全うした後の建築資材の再利用を視野に入れて設計・建築・運用を行なっているという。
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FOMA&無線LANデュアル対応端末を使って、1つの内線番号で社内外のどこにいても呼び出せるという“電話モビリティ” | パソコンだけでなく、携帯電話経由でも社内の情報にアクセスできる“オフィスワークモビリティ” | 現在の状態を管理・把握できる“プレゼンス機能” |
具体的には、太陽の位置を検知して自動的に角度を変える(直射光を入れずに、反射光で室内を明るく照らすという)ブラインドを設置する“昼光活用自動調光システム”、自家発電機構(コジェネレーションシステム)などを導入し、ビル運用にかかるエネルギーを41%削減(同規模のビルと比較した同社算出値)。また、建設資材のユニット化によって建設時の廃材を約50%削減し、エコマテリアル(地球環境に優しい材料)の積極利用によって将来のビル解体時のリサイクル可能率は約97%を実現した。これらを総合的に換算した“ライフサイクルCO2”で38%の削減を達成したという。
このほか、入退館にはNEC本社/各事業所と同様に非接触ICカードを用いたフラッパーゲートを設置し、会議室を含む全館に無線LAN環境を配備。従業員には無線LAN(IP電話)とFOMA(一般回線)に両対応の携帯電話端末『N900iL』『N900iG』(合計1500台)を配布して、社内外のどこにいても内線で連絡できる(発信元が社内の場合)ほか、無線LAN接続のアクセスポイントから現在地を判別して相手の状態を発信者に知らせる“プレゼンス機能”を実現。これらのバックボーン(基幹LANシステム)として10Gbpsの高速ネットワークを敷設したという。
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入退出の各所に駅の自動改札のような“フラッパーゲート”があり、IDカードもしくはゲスト入館カードを持たないと入れない仕組みになっている。ただし、役員/取締役向けには(対面確認で入退出できると思われる)別のゲートが用意されていた | 入退館ゲートの監視(モニタリング)を行なう部署 |
同社では、こうしたインフラ/サービス/ソリューションなどを社内で積極的に利用することで、ワークシェアリングや業務の効率化、トータルプロセス改革を実践し、顧客への活用事例提案につなげていきたい、としている。
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玉川ルネッサンスの東側(JR南武線の向河原駅方面)のエントランスには、かつて大きな池があったことを偲んで(現在は埋め立てられて広い通路になっている)、噴水だけが残されている |
