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日立製作所など4社、家電AV機器向けのリムーバルHDD“iVDR”に対応した著作権保護技術を開発

2005年04月26日 20時32分更新

文● 編集部 小林久

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三洋電機(株)、シャープ(株)、パイオニア(株)、(株)日立製作所の4社は26日、家電AV機器向けのリムーバブルハードディスク“iVDR”(information Versatile Disk for Removable usage)に対応したコンテンツ保護技術“SAFIA”(サファイア)を開発し、そのライセンス供与を目的としたライセンスグループを設立したと発表した。

iVDRコンソーシアムの代表を務める日置 敏明(ひおき としあき)氏、「HDDにはCPUやメモリーが搭載されており、その機能を利用することでより高度なセキュリティーを実現することが可能」と述べ、光メディアとiVDRは異なる用途で共存可能とした

SAFIAは“Security Architecture For Intelligent Attachment Device”の意味で、鍵長128bitのAES(Advanced Encryption Standard)方式による暗号化とPKI(Public Key Infrastracture)ベースの双方向認証方式を採用している。鍵とコンテンツの利用条件をセットで取り扱うことで、コンテンツの視聴条件やコピー回数の制限などを機器やアプリケーションごとに柔軟に設定できるのが特徴。鍵と利用条件をセットにした情報は“ユーセッジルール”と呼ばれ、iVDR内の“セキュア領域”(TRM)に保存される。コンテンツのデータとは別個に扱われるため、「暗号化したパッケージだけを配って、あとで鍵を買うといった使い方も可能である」(iVDRコンソーシアム代表の日置 敏明氏)という。



日立製作所新技術企画センタ担当部長の助田 裕史(すけだ ひろふみ)氏。「セキュリティー機能に関して“テレビの録画ができるような仕様なのか”ということを多く投げかけられるため、まずはそれが可能であることを示したい」と述べた

SAFIAに対応した最初の製品はデジタルテレビ放送の録画機となる見込みで、対象製品や料金といったライセンスの詳細は7月までに決定される予定。デジタル録画機用の仕様が確定したあとには、オーディオ機器や配信サーバーなどにも順次対象を広げていく。利用条件の詳細は、録画機器や音楽再生機器など、アプリケーションごとに詰めていく予定だが、現時点ではその詳細は発表されなかった。「ユーザーの利益とコンテンツの権利者の意志がうまくマッチするところで考えていく」(日立製作所新技術企画センタ担当部長の助田 裕史氏)という。

iVDRは現在2.5インチのハードディスクを搭載したタイプと1.8インチのハードディスクを搭載したタイプの2種類が市販されているが、1インチサイズ、3.5インチサイズの製品も将来的に投入される予定。SAFIAに対応したiVDRはiVDRの下に“Secure”の文字をあしらったロゴが付く予定。「当面は従来型のiVDRと著作権保護対応のiVDRが市場に混在する状況になる」(日置氏)という。

iVDRコンソーシアムのメンバーは2002年の設立時には10社だったが、現在は62社に増えている。



日立製作所が展示していた、iVDRドライブ搭載の携帯動画ビューアーおなじく、携帯音楽プレーヤー
シャープが展示していた“iVDRドライブ搭載のハイビジョン動画レコーダー”アイ・オー・データ機器のデジタルメディアサーバー
三洋電機が展示していた1インチHDD内蔵のiVDRメディア”同じく、iVDR対応のカーナビ

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