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日立、2007年夏にiVDR対応テレビを発売──HDDとiVDRの間で“相互に”ムーブできる

2006年12月20日 01時51分更新

文● 編集部 広田稔

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リムーバブルHDD規格“iVDR”を推進する業界団体、iVDRハードディスクドライブ・コンソーシアムは19日、iVDRの最新動向を報告するセミナーを開催した。会場では2007年夏に、(株)日立製作所がiVDR内蔵テレビを、日立マクセル(株)がiVDRメディアをそれぞれ発売することが明らかにされた。

会場に参考展示されていた、iVDRスロットを備えたプラズマテレビの試作機。iVDRとは別にHDDも内蔵している。この試作機はCESにも展示するという

“コピワン”番組をiVDRから内蔵HDDにムーブできる

iVDRは、独自のコンテンツ保護技術“SAFIA(サファイア)”を盛り込んだ“iVDR Secure”というメディア規格を用意している(参考記事)。

SAFIAは2005年4月に開発が発表されており、iVDR Secureは今年3月にARIB(アライブ、社団法人 電波産業会)からデジタル放送を記録するメディアとして承認を受けている。

iVDR Secureの大きな特徴としては、コピーワンスコンテンツの“書き戻し”を実現できるということ。

現状、ハイビジョン放送の番組をレコーダーなどのHDDに録画し、DVDやBlu-rayディスクにムーブ(移動)すると、HDDに戻すことはできない。一方、iVDRでは、内蔵HDDからiVDR Secureメディアにムーブし、再び内蔵HDDにムーブし直せる。

日立の説明員によれば、試作機でムーブにかかる時間は「2時間番組で30分くらい」だが、今後改良していくとのこと。また、機器の動作を安定させるため、ムーブ時は内蔵HDDへの録画や、録画したコンテンツの再生が行なえないという仕様を予定している。

日立製作所 ユビキタスプラットフォームグループ マーケティング事業部 マーケティング本部 担当本部長の吉野正則氏は、iVDRの特徴について、「容量を増設できる」「ディスクメディアに比べて高速なムーブが可能」「“パパ用”“ママ用”といった感じで個人のライブラリーを管理できる」といったメリットを挙げた。

また、吉野氏によれば、現状ではiVDR上でチャプターやプレイリストの編集も可能とのこと。価格については「現状の機種より若干高くなる」と語った。

メディアが差さっている ライブラリ管理
正面から見て右側にiVDRスロットを搭載。2.5インチHDDを内蔵した日立マクセル製のiVDR Secureメディアが差さっているメディアごとにラベルをつけて、ライブラリを管理することが可能だ
収録コンテンツを表示 ムーブ
iVDR上のコンテンツを表示したところダビングを指示することで、内蔵HDDにあるデジタル放送コンテンツをiVDRメディアにムーブできる

「iVDRメディアの対衝撃性をより高める」

日立マクセルのiVDRメディアは、iVDR Secureに対応したもので、80GBと160GBの2種類のディスク容量が用意される。ディスク回転数は5400回転/分、コネクタ抜き差し回数は1万回。本体サイズは幅80×高さ12.7×奥行き100mmで、重量は145g。

日立マクセルのグローバル営業統轄本部 マーケティング部長の松岡建志氏は、「日立マクセルは個人の記録を大切に保管するという使命を担ってきた。iVDRが信頼性の高いメディアであるという確信を持ったため、今回iVDRを扱うに至った」と参入の理由を説明している。

また、松岡氏はメディア耐衝撃性について、「製品化に向かって改良を進めている最中で、現在は75cmのところからラワン材に落としても大丈夫。1500~2000Gに耐えうる」とコメント。将来については、「リビングの床に落とすシチュエーションを想定して、1mのところからの落下耐性を持たせたい」と発言していた。価格については明言を避けている。

メディア
日立マクセルが参考展示していたiVDR Secureメディア。80GBと160GBの2種類の容量が用意される
iVDR Secureディスクの仕様日立マクセルの記録メディアの歩み。2007年にはiVDR発売を予定している

登壇者
今回のイベントの登壇者。左より、iVDRコンソーシアム代表で三洋電機(株)研究開発本部の日置敏昭氏、SAFIAライセンスグループ所属でシャープ(株)AVシステム事業本部の菱川薫氏、日立製作所の吉野氏、日立マクセルの松岡氏、(株)アイ・オー・データ機器 代表取締役の細野昭雄氏、トヨタ自動車(株)e-TOYOTA部 情報システム室長の藤原靖久氏、日本シーゲイト(株)戦略マーケティング部ディレクターの渡辺亮氏──となっている


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