写真1 17型液晶モニタ「FlexScan M170」。いまハヤリの薄型ベゼルではなく、ステレオスピーカを左右に内蔵した筐体だ。 |
ナナオの「FlexScan M170」は、応答速度が16ミリ秒、輝度は250cd/m2、そして解像度は1280×1024ドットの17型液晶モニタだ。スペックだけを見ると、それなりのモニタだけれど……と思うかもしれない。
写真2 筐体両側面にまるで耳のように、すこし盛り上がるかたちで、出力2Wのスピーカを2基内蔵する。付属するユーティリティソフト“ScreenManager Pro for LCD”は、Windows Media Playerでも採用されている音質補正技術“SRS WOW”も搭載。モニタ内蔵スピーカとしては、かなり広がりのある印象の音を聴かせてくれる。 |
“ScreenManager Pro for LCD” | 音質補正技術“SRS WOW” |
だが、あなどるなかれ。ぜひ現物を見ていただきたいのだが、このM170の鮮やかさと動画のシャープさは、他製品とはちょっと違う。まず、16ミリ秒という応答速度は黒→白→黒と変化させた場合の数値だ。映像再生時に重要なのは中間階調の応答速度なのだが、液晶は一般的にこの中間階調の応答速度が、黒→白→黒の応答速度より遅くなる。だがM170では、液晶を駆動する際に一時的に電圧を高くする“オーバードライブ回路”という液晶TVに用いられる手法によって、中間階調では応答速度が12ミリ秒と、逆に高速になっている。また、画面で最もよく使われる階調の特性を最適化する“C-Booster”機能など、ナナオ独自の技術も盛り込んでおり、コントラスト比1000:1の液晶パネルと相まって、暗い部分の微妙な階調がかなり良好に視認できる。
写真3 “ArcSwing 2”スタンドによって、円を描くようにモニタの位置を動かせる。前後方向のチルトと合わせて、設置の自由度はかなり高い。左右のスイーベルも可能。 |
またM170は、最近主流のいわゆる“表面ツヤツヤ液晶”ではない。鮮やかさを向上させるために、表面に光沢処理をした液晶モニタは多い。ツヤツヤ液晶でも低反射処理で映り込みをある程度防げるが、光沢処理とノングレアのような映り込み防止処理の両立は難しい。鮮やかさを多少犠牲にしても、画面への映り込みを極力排する方向を目指したM170の姿勢には、好感が持てる。
写真4 モニタの上縁中央に内蔵したセンサで周囲の明るさを判別し、自動的に画面の明るさを調節する。強制的に明るくしたい場合は、ボタン1つでこの機能をOFFにできる。 | 写真5 背面には、DVIとアナログRGB、音声入力が2系統、PC接続用のUSB(B)1ポートと、周辺機器接続用のUSB(A)2ポートが並ぶ。 |
FlexScan M170の主なスペック | |
製品名 | FlexScan M170 |
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液晶パネル | 17型1280×1024ドット、1677万色 |
コントラスト比 | 1000:1 |
視野角 | 水平178度、垂直178度 |
応答速度 | 16ms(黒→白→黒)、12ms(中間階調) |
インターフェイス | DVI-D、アナログRGB、音声入力×2、音声出力×1、USBアップストリーム×1、USBダウンストリーム×2 |
サイズ(W×D×H) | 441×200×423.5mm |
重量 | 約5.6kg |