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ザウルス SL-C3000

ザウルス SL-C3000

2005年03月24日 00時00分更新

文● 月刊アスキー編集部・吉川

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ザウルス SL-C3000

シャープ

オープンプライス(予想実売価格:8万円前後)

ザウルス SL-C3000
写真1 HDDとメインメモリを搭載し、さながらPCのようなハードウェア構成になった「SL-C3000」。従来機よりもサイズは増しているものの、数mmのレベルだから気にならない。

 Linuxを搭載したザウルスが登場してから6代目(米国市場向けと法人向け除く)にあたる本機「SL-C3000」(以下C3000)は、PDAとしては初のHDD搭載型となった。それに伴い、型番も従来の3桁(SL-C8xx)から、4桁に変更されている。この、“3000”の由来は、初期型のザウルス「PI-3000」の名からとったもので、SLザウルス(Linux搭載ザウルス)が新時代に入ったことを意味する。Linuxザウルスシリーズの特徴は、

  1. PCのデスクトップのキャプチャ(画面/テキスト)を、そのままファイルとして取り込める“ザウルスショット
  2. ザウルス内のストレージを、PCのストレージとして扱える“ザウルスドライブ
  3. Microsoft Officeとファイル互換性を持つ“HancomMobileWord”“HancomMobileExcel”の搭載
  4. 640×480ドットの高精細液晶
  5. QWERTY配列キーボード(手書き入力も可)
  6. 液晶画面を回転させることにより、横画面でノートPCタイプの“インプットスタイル

と、縦画面でPDAタイプの「ビュースタイル」での使用が可能、といったところだが、これらの特徴はC3000でも継承されている。

ザウルス SL-C3000写真2 縦型の“ビュースタイル”への変形も継承。

 今回は試作機によるレビューなので、パフォーマンスなどを計測することはできなかったが、使い勝手を中心にC3000を見ていくことにしよう。

USBストレージとして見える本体
容量700MBのマルチメディア辞書

 ユーザーとして一番気になるのが、4GB HDD搭載によるパフォーマンスだ。上記のとおり試作機なので数値計測はできず、体感的な紹介になってしまうが、PIM関連基本アプリケーションの起動に関しては、SL-C7xxと同等のパフォーマンスだ。これは、システム起動時にアプリケーションも裏で起動しておく「クイック起動」の設定がオンになっているためであろうと思われる。クイック起動は、アプリケーションアイコンを長時間タップすることで設定可能なので、クイック起動がオフになっているアプリケーションでも、よく使うものであればオンにしておけばいいだろう(非対応アプリもある)。

前面 背面
本体前面。左から、電源スイッチ/SDメモリーカードスロット/スタイラスペン。背面。左から、OK/キャンセルボタン(上部)/カーソルボタン(下部)/USB 2.0/開発者向けシリアルコネクタ/ACアダプタ。
天面 底面
天面。底面。
写真3~6 SL-C3000の前面背面および天面底面。

 HDD搭載により、スイッチやコネクタ部のレイアウト変更も行われた。これらで大きな変更点といえば、本体背面に開発者向けのシリアルコネクタが増設された点と、USB接続端子が汎用のミニBになった点だ。特にUSBが汎用になったことで、外出時などに他人のPCに接続することが容易になり、HDD搭載とあいまって大容量データの受け渡しが簡単になったのはうれしい。キーボード(写真4)に関しては、ユーザーからの要望が強かったCtrlキーの追加が大きな変更点だが、そのほかではカーソルキーが円形になったのもポイント。従来はPCのキーボードのように凸型配置だったが、携帯電話と似た形状に変更され、カーソルキーをより直感的に扱うことが可能だ。

左側面 右側面
左側面。IrDA端子が見える。右側面。左から、CFカードスロット/イヤホンマイク。
写真7、8 左右側面。

 HDD搭載によってプリインストールされることになった“マルチメディア辞書”についてだが、容量700MBと、CD-ROM1枚分以上のデータが詰まっている。このデータ量は、音声や写真などのビジュアルがふんだんに盛り込まれている証であり、“ギガザウルス”ならではのコンテンツと言える。ただ、700MBもHDDを占有することについては異論もあるだろう。だから、辞書はもちろんアンインストール可能。その場合、出荷時空き容量2.9GBに700MBをプラスした、約3.6GBのストレージを使えるようになる。辞書の追加は今のところ未定とのことで、オプション辞書はラインナップされていない。なお、液晶面脇(ビュースタイルの場合は下部)に配置されたハードウェアアイコンも、マルチメディア辞書呼び出し用アイコンが追加されている。

キーボード
写真9 SL-C3000のキーボード面。カーソルキーが円の形になった点と、キーボード面全体をおおうラバーが廃止され、各ボタンが独立になった点が目立つが、一部のコアユーザーにとって最も重要なのは、Ctrlキーの追加である。
インジケータ
写真10 従来機ではメール受信と電源のインジケータが位置していた箇所には、電源は残したまま、HDD搭載の証であるHDDインジケータが配置されている。

 “マルチメディア”というキーワードでは、HDD搭載ということで動画再生も注目したいところだが、ザウルスに標準搭載されたムービープレーヤ“Movie Player”は秒間15フレームまでの再生しかサポートしていないので、ポータブル動画プレーヤの代替とまではいかない。ただ、逆にフレームレートさえ納得すれば、640×480ドットの高精細液晶で動画を楽しめるわけで、このあたりはユーザーの割り切り方次第だ。

 HDD搭載ということで、質量の増加が気になる向きがあるだろうが、前機種「SL-C860」と比べると、幅で約4mm、奥行き4mm、厚さ約1.8mm、重さは約48gの増加となっている。この数値をどう取るかは個々人の判断になるが、文庫本1冊を持ち歩く感覚に近い(もっとも、文庫本の場合は400ページ程度のものでも重さ200g、厚さ1.6cm程度であるが)。



Microsoft Office Word 2003 HancomMobileWord
Microsoft Office Word 2003で作成したデータ。HancomMobileWordで表示した画面。
画面1、2 Microsoft Office Word 2003(左)と、HancomMobileWord(右)で、同じファイルを開く。罫線も反映されているのが分かる。
Microsoft Office Excel 2003 HancomMobileSheet
Microsoft Office Excel 2003で作成したデータ。HancomMobileSheetで表示した画面。
画面3、4 Microsoft Office Excel 2003(左)と、HancomMobileWord(右)の比較。右のザウルスは、さらに細かく表示させることも可能だ。
マルチメディア辞書1 マルチメディア辞書2 マルチメディア辞書3
画面5~7 SL-C3000の、ソフトウェア面での目玉“マルチメディア辞書”。広辞苑、ジーニアス和英・英和の3辞書より、複合検索が可能。なお、広辞苑で“夏目漱石”を検索すれば、“芥川龍之介”などの関連項目が同時に表示される。
ACアダプタ
画面8 ファイル名による検索しかサポートしないシンプルなものだが、本体にファイル検索機能が加わった。HDD搭載を感じさせる機能追加だ。

 オプション類としては、WindowsCEマシンや携帯電話に搭載されて話題を呼んだPicsle Browserも、「Picsel Browser for Zaurus SDカード」(現時点で価格未定)として発売される点が見逃せない。ただ、このソフトウェアはSD込みで購入し、同SDを差した状態でしか使用しかできない点には注意が必要だ。


 C-3000を試用した印象としては、従来製品の使い勝手を損なわずにHDDを搭載したモデルというところ。PDAを使いこなしたい向きには、お勧めの製品である。


ザウルス SL-C3000の主なスペック
製品名 ザウルス SL-C3000
OS Lineo uLinux
CPU Intel XScale PXA270-416MHz
本体メモリ SDRAM 64MB(ワークエリア)
HDD 4GB(出荷時空き容量 約2.9GB)
モニタ 3.7型 バックライト付き透過型システム液晶(感圧式タッチパネル)
解像度 640×480ドット/6万5536色(30万7200画素)
接続端子 ステレオヘッドホン端子(3.5mm径)、IrDA(115kbps)
カードスロット SDカードスロット×1、CFカードスロット(TypeII)×1
I/O USB 2.0×1、ステレオヘッドホン×1
電源 DC3.7V、リチウムイオン充電地(EA-BL11、取り外し/交換可能)
消費電力 3.2W
サイズ(W×D×H) 124×87×25mm
重量 約298g(タッチペン、保護カード、I/Oポートカバー、充電地含む)
Office Microsoft Officeとファイル互換のあるHancom製品搭載

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