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iPod photo

待望のカラー液晶を搭載し音楽といっしょに写真も楽しめる

2005年02月18日 19時25分更新

文● 文/柴田文彦、林 信行、編集部

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チップレベルで動画再生能力を備えるPP5020

 iPod photoは従来モデルにはない特徴を数多く備えているが、ハードウェアのアーキテクチャーはiPod miniや現行の第4世代iPodとほとんど変わらない。実際にロジックボードを観察してみると、従来機種と異なるのはテレビ出力のためのビデオエンコーダーなどの部品が追加されている程度だ。
 心臓部と言えるCPUには、米ポータルプレーヤー社製の「PP5020」が採用されている。第4世代/miniの両iPodにも使われているチップ。このため、iTunesからの転送速度やiPod photoをハードディスクとして使った場合の性能は、同じ1.8インチハードディスクを内蔵する第4世代iPodとほぼ同じだ。

【ベンチマーク】

iPod photoのハードディスクとバッテリーの性能をチェックするため、3つのテストを実行した。バッテリー性能は、容量が増えていることもあり第4世代iPodに比べて優秀だ。ハードディスクに関しては、iTunesからの曲の転送、ファイルのシーケンシャルアクセスとも、第4世代iPodとほぼ同じだが、第3世代iPodに比べると若干劣る。これは構成するチップの性能差と考えられる

バッテリー持続時間。合計180メガバイトのAACファイルをシャッフル状態で連続再生し、電源が切れるまでの時間を計測。初期状態の持続時間が長いと評判の第4世代 iPodを超える性能だiTunesで曲を転送。iTunes 4.7を使い、合計380メガバイトのAACファイルを転送する際に要した時間を計測。マシンは、iBook G4 1.2ギガバイトモデル。第3世代 iPodがずば抜けているXbench。iBook G4 1.2ギガバイトに接続して、ベンチマークソフト「Xbench 1.1.3」の「Disk Test」でハードディスク性能を計測。第3世代 iPodのシーケンシャルアクセス性能が高い

iPodで重宝するバッテリー新製品

 各社からiPodのバッテリーに関する新製品が相次いで発表されている。フォーカルポイントコンピュータ(株)が販売する「Solio」は、太陽電池を使ってiPodを充電できる(写真1)。また、エナックス(株)の外付けバッテリー「myPower」を使えば、第4世代iPodで32時間、第3世代で20時間、miniで28時間の連続使用が可能になる(写真2)。

写真1 「Solio」とiPodを専用ケーブルで接続すれば、太陽光で充電可能  実売価格:1万3000円前後。http://www.focal.co.jp/
写真2 iPodを内側にはめ込むようにして使う「myPower」。本体底面にUSB/ファイアーワイヤーポート、オーディオ出力端子を備える。価格:未定 http://www.enax.jp/

カラーモニター搭載はiPodとして必然の進化

iPod photoは、その製品名に「写真」という文字を含んでいることから、単にiPodの表示をカラー化しただけでなく、あくまで写真の表示にこだわった製品と考えられる。
しかし、カラー液晶モニターの装備によって、ほとんどすべての表示の視認性が飛躍的に向上したことこそ、大きな進化だと評価できる。それは、メニューの選択画面、バッテリーの残量表示、カレンダーでの強調表示やフラグといった、あらゆる場面で実感できる。もちろん、内蔵する各種ゲームでのターゲットや図柄の視認性も格段に高まり、より親しみやすく感じられる。写真を表示できかどうかにかかわらず、iPodの全モデルでカラー画面が標準になる日もそう遠くないのではないかと思わずにいられない。
 表示機能は、いまのところ静止画のみの対応、あらかじめiTunesでサムネール化した画像のみが表示可能など、中途半端な面がある。用途によってはデジカメで撮影した画像のストレージとして、フルサイズ画像をその場で縮小して表示する機能が欲しいと感じるユーザーも少なくないだろう。内部の処理能力としては動画の再生も十分可能だと思わせるものを持っていることを考えると、よくも悪くも発展途上にある製品だ。
 iPod photo60ギガモデルの7万140円という価格設定は手を出しにくい。しかし、iPodの20/40ギガモデルの価格差は1万1550円、photoの40/60ギガモデルの差は1万2600円で割高感はない。60ギガモデルを買う余裕がない場合でも、変換された画像データは容量もさほどとらない。40ギガモデルを選んでも、写真が音楽ライブラリーを圧迫する心配はないだろう。

Conclusion

●iPodとして最大容量の60ギガバイトモデルを用意
●バッテリー寿命は歴代のiPodモデル中最も長い15時間前後を実現
●ビデオ出力を加えながら、ヘッドホン端子やドックコネクターなどの形状、大きさは変わらず、使い勝手のよさも堅持している
●画像処理も含めた液晶モニターの表示レスポンスが極めて速い
●内蔵ゲームをはじめ、写真以外の表示の視認性も飛躍的に向上した


×

●本体がやや厚く、重くなった
●スキッププロテクションの時間が従来の25分から15分に減少
●バッテリー容量増加にともない、フル充電に要する時間が5時間に増加
●ハードディスク性能が第3世代のiPodに比べてやや低い
●iTunes経由で取り込み、サムネール化処理した画像しか表示できない
●カラー液晶モニターの表示品質は、専用ビューアーなどに比べると見劣りする

M9585J/A
記憶容量 40GB
価格(アップルストア価格) 5万7540円
スキッププロテクション 最長15分間
連続再生時間 最長15時間(音楽再生時)、最長5時間(BGM付きフォトスライドショー再生時)
液晶モニター 対角2インチ6万5000色カラーLCD(解像度220×176ドット)、白色LEDバックライト付き
インターフェース Dockコネクター、リモコンコネクター、ステレオミニジャック/オーディオおよびコンポジットビデオ出力
接続方法 FireWire 400およびUSB 2.0、コンポジットビデオ(Dockコネクター経由ではS-Video)
充電方法 最長5時間(3時間でバッテリー容量80パーセントまで高速充電)
オーディオフォーマット(Mac用) AAC(16~320kbps)、MP3(32~320kbps)、MP3 VBR、Audible、WAV、AIFF
オーディオフォーマット(Windows用) AAC(16~320kbps)、MP3(32~320kbps)、MP3 VBR、Audible、WAV
画像フォーマット JPEG、BMP、GIF、TIFF、PNG
本体サイズ 幅61×高さ104×厚さ19ミリ
重量 181グラム
付属アクセサリー iPod photo Dock、インナーイヤー型ヘッドホン、キャリングケース、ACアダプター、FireWireケーブル、USB 2.0ケーブル、iPod photo AVケーブル

M9586J/A
記憶容量 60GB
価格(アップルストア価格) 7万140円
スキッププロテクション 最長15分間
連続再生時間 最長15時間(音楽再生時)、最長5時間(BGM付きフォトスライドショー再生時)
液晶モニター 対角2インチ6万5000色カラーLCD(解像度220×176ドット)、白色LEDバックライト付き
インターフェース Dockコネクター、リモコンコネクター、ステレオミニジャック/オーディオおよびコンポジットビデオ出力
接続方法 FireWire 400およびUSB 2.0、コンポジットビデオ(Dockコネクター経由ではS-Video)
充電方法 最長5時間(3時間でバッテリー容量80パーセントまで高速充電)
オーディオフォーマット(Mac用) AAC(16~320kbps)、MP3(32~320kbps)、MP3 VBR、Audible、WAV、AIFF
オーディオフォーマット(Windows用) AAC(16~320kbps)、MP3(32~320kbps)、MP3 VBR、Audible、WAV
画像フォーマット JPEG、BMP、GIF、TIFF、PNG
本体サイズ 幅61×高さ104×厚さ19ミリ
重量 181グラム
付属アクセサリー iPod photo Dock、インナーイヤー型ヘッドホン、キャリングケース、ACアダプター、FireWireケーブル、USB 2.0ケーブル、iPod photo AVケーブル

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