メニューや各種機能のカラー化によって操作性が向上
iPod photoのカラー液晶モニターは、対角2インチサイズの縦176×横220ドット(3万8720画素)という仕様だ。ドットピッチは0.18ミリのため、計算すると解像度は約141dpiとなる。デジカメなどの液晶よりは、PDAの仕様に近く、スペック的には高画質とは言い難い。しかし、元画像ではなく解像度の小さいサムネールを表示する方式のため、2インチという画面サイズでも十分な画質を得られる。
メニュー表示関連では、選択個所が青く反転する、OS Xのアクアインターフェースを意識したものになっている。バッテリーの残量表示もカラー化され、残り少なくなると赤色に変化して知らせてくれる。そのほか、接続時などのアナウンス関係の画面も、単にカラー化されるだけでなく、アップルマークでは立体感を出すなど芸が細かい。「アドレス帳」や「カレンダー」が見やすくなり、ゲームなどの従来見分けにくかった画面も、間違えることなく操作できるだろう。
カラー液晶は画像を閲覧するために搭載したと考えられるが、モノクロにはない表現力を得たことによる視認性の向上のほうが、日常的に利用している中では恩恵が大きいのだ。
【アドレス帳】
アドレス帳は、OS Xの「アドレスブック」のデータを「iSync」で同期すれば利用できる。詳細表示では、名前や電話番号といったカテゴリーごとに交互に色分けされたことで、確認しやすくなった |
【カレンダー】
カレンダーは、マック側の「iCal」で設定してあるカレンダーごとに「iSync」で転送する。イベントが設定されている日には赤いフラグが立つが、1日に複数のイベントがあってもフラグはひとつだけだ。iCal上でのカレンダーごとの色分けは反映されず、別のカレンダーとして追加したものをメニューから参照することになる。To DoにはiCal内のすべての項目が並ぶ |
【ゲーム】
ブリック | ミュージック クイズ | |
パラシュート | ソリティア | |
写真の閲覧を除くと最も色数が多く、操作性が改善されたのがゲーム画面だろう。中でも「ソリティア」は、マークや絵札の視認性が格段に向上。トランプの裏面にはアップルマークが描かれている |
プレビュー用途に絞ることで実現した快適フォトブラウズ
iPod photoでは、閲覧用の画像に独自のフォーマットを利用している。そのため、画像を転送する際には、必ずiTunesを使って変換/転送しなければならない。その際には、iPhotoのライブラリか任意のフォルダーにある写真を指定できる。iPhotoのライブラリ全体を取り込むだけでなく、設定済みのアルバムやスライドショーで指定したBGMも反映される。ただし、いったん転送が済んだあとは、iPod photoを使ってスライドショーの内容を変更することはできない。
クリックホイールを使うと、画像をブラウズ可能で、動作は非常に高速だ。これは解像度の低いサムネールを使っているためで、細部の再現性は多少劣化する。テレビ出力時は粗さが目立ったが、画質は通常のテレビ放送とそれほど変わらなかった。
なお、米ベルキン社の「Media Reader」などの製品を併用すれば、デジカメやメモリーカードなどから直接写真を取り込める。しかし、取り込んだ画像はiPod photoではそのまま表示できず、一度マックに取り込んでiTunes経由でサムネールを生成しなければならない。
【画像の転送】
画像データも音楽データと同様に、接続時に自動アップデートが可能。手動の場合は、「環境設定」の「iPod」にある「写真」タブで設定すればいい。転送済みの画像は、チェックを外すと消去されてしまうので注意 |
【転送】チェックを入れて「OK」を押す |
【削除】チェックを外す |
【画像の閲覧】
【スライドショーの設定】
スライドショーにも音楽と同様にリピートやシャッフルを用意。トランジションは画面をふき取るように切り替わる「ワイプ」のみを備える。iPod photo側ではスライドショーの内容は編集できないので、iPhotoでアルバムと曲を指定しておくといい |
【テレビ出力】
テレビで再生するには、付属の「iPod photo AVケーブル」をヘッドホン端子に接続して、スライドショーモードにセットすればいい。iPod photo上で左右ボタンを押せば、画像を切り替えられる |