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この日発表された全製品のパッケージ一覧 |
(株)ジャストシステムは7日、東京・北青山の青山ダイヤモンドホールで記者説明会を開催し、Windows用のワープロソフト“一太郎”、日本語かな漢字変換ソフト“ATOK(エイトック)”、ドローグラフィックソフト“花子”をそれぞれバージョンアップし、『一太郎2005』『ATOK2005』『花子2005』として2005年2月10日に発売すると発表した。同時に、これら製品を使った文書作成を支援するツール群(単体でも利用可能)として、2年ぶりのバージョンアップとなる表計算ソフト『三四郎2005』、データスクラップソフト『ネタの種』、花子にレイヤー構造付きで読み込める地図ソフト『速攻!全国ゼンリン地図帳』などを発売する。各製品の価格は以下のとおり。
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『一太郎2005&花子2005スペシャルパック[三四郎2005 特別搭載版]』のパッケージ | 『一太郎2005』のパッケージ | 『花子2005』のパッケージ |
- 一太郎2005
- 製品版 2万円
- キャンペーン版 9800円
- バージョンアップ版/キャンパスキット 8000円
- ATOK2005
- 製品版 8000円
- AAA優待版(登録ユーザー向け) 5000円
- ATOK2005 [電子辞書セット]
- 製品版 1万1000円
- AAA優待版 8000円
- 花子2005
- 製品版 9800円
- バージョンアップ版/キャンパスキット 8000円
- 書籍付き版 1万800円
- 一太郎2005&花子2005スペシャルパック[三四郎2005 特別搭載版]
- 製品版 2万5000円
- バージョンアップ版/キャンパスキット 1万5000円
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『三四郎2005』のパッケージ | 『ネタの種』のパッケージ | 『速攻!全国ゼンリン地図帳』のパッケージ |
- 三四郎2005
- 製品版 4500円
- バージョンアップ版 2500円
- スクラップソフト『ネタの種』
- 製品版 5800円
- ダウンロード版 3675円
- 電子地図活用ソフト『速攻!全国ゼンリン地図帳』
- 製品版 8400円
- 日英・英日翻訳ソフト『速攻!翻訳マスター3』
- 製品版 1万1000円
- バージョンアップ版 7140円
- 日本語OCRソフト『一発!OCR Pro3 for 一太郎』
- 製品版 1万290円
- 一太郎2005限定版 7140円
- ATOK連携電子辞典(※1)『明鏡国語辞典・ジーニアス英和/和英辞典 /R.2』
- 製品版 5800円
- バージョンアップ版 3150円
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挨拶する代表取締役社長の浮川和宣氏 | 一太郎2005・花子2005ビジネスオーナーの成家 勉氏 |
発表会には、代表取締役社長の浮川和宣氏、一太郎2005・花子2005ビジネスオーナーの成家 勉(なるけつとむ)氏、ATOKビジネスオーナーの稲野豊隆(いなのとよたか)氏、花子プロダクトオーナーの仁科伸一氏らが出席し、新製品における機能強化点や開発コンセプトなどを、開発途上版のデモンストレーションを交えて説明した。
最初に挨拶した浮川氏は、「一太郎にバージョンではなく年号をつけたのは、“2004”(2003年12月発表の前バージョン)から。年号を製品名につけるということは、毎年バージョンアップすることを意味しており、実際やるべき研究はまだまだある。“考えるための道具”を中心テーマに置いて、基礎的な研究・開発を進め、世に出していきたい、製品化したいものはいくつもある。今回が一太郎としては20作目、20周年を迎えるが、自分たちの研究だけでなく、ほかの方々の価値観や素晴らしい技術をつなぎ合わせて、新しいアプリケーションとして提供していきたい。そのために、一太郎と関連付けることで機能が生かせる製品やアイデアがあれば、積極的に提携などにも取り組んでいきたい。これからも大きな理想を描いて製品作りを行なっていく」と話し、同社の一太郎シリーズにかける意気込みをアピールした。
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アウトラインモードの画面 | 左下に小さく表示されていたプレビュー画面を大きくして、レイアウトの調整も行なえる |
続いて、成家氏が一太郎2005の開発コンセプトについて、「今ビジネスシーンでは“思考”が求められている。論理的な思考がビジネスの成功を左右するといわれている。一太郎2005は、“考えるための道具”を基本コンセプトに、“伝えるチカラ、人を動かすチカラ”を発揮するための、“考えるプロセス”を支援する。言い換えると“ひろげる/まとめる/カタチにする”、そしてその根底にある日本語の入力/文書作成を支援するツールである」とまとめた。
具体的な一太郎2005の機能強化点としては、
- アウトライン機能を強化
- 関連文書の読み込み/管理機能を強化
- 辞書と連携してあいまいな言葉の意味検索や類語検索を実現
- 文書の雛形となる“シンキングテンプレート”を21種類に拡充し、ユーザーによるカスタマイズをサポート
- テンプレート図形、画像枠やレイアウト枠、スタイルセットなどを強化し、表現力を向上
- Microsoft Word文書の互換精度を向上
- Unicodeの符号化処理規格“UTF-16(サルゲートペア)”に対応し、表現可能な文字数を6万5536文字から約111万文字に拡張。JIS X0213:2004対応フォント(平成明朝/平成ゴシック)を無償ダウンロードで提供予定
などが紹介された。
アウトライン機能の強化では、見出しなど、文書の論理構造を自動解析して編集・レイアウトする“アウトラインモード”にプレビュー画面を追加し、最終的な印刷イメージを確認しながら文書作成が可能になった。プレビュー画面で図版の配置変更なども行なえる。
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関連文書の読み込みを指定する画面 |
関連文書の管理機能では、編集元として読み込んだ文書、同時に開いたことがある文書、似た内容を含む文書を自動的に抽出・管理して、必要に応じて簡単な操作で読み込めるほか、元になった文書からの変更個所を自動検索して、改定部分を色付き表示・印刷したり、改定結果を反映することが可能。
Word文書の互換精度向上については、企業や官公庁から約4000のWordファイルをランダムに集めて、読み込みテストを繰り返し、ヘッダー/フッターやトリミング指定した画像の反映など、読めないファイルが0になるまで、品質向上を繰り返したという。
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辞書強化の例。韓流(はんりゅう)や明洞(みょんどん)など、話題の韓国ドラマに関する言葉も変換候補に登場する | 文脈処理の例。包丁の後に出てくる“切る”と、着物の後に出てくる“着る”が、正しく使い分けられている | 訂正学習の例。“尾根ギアします。”と入力して確定してしまい、後から“お願いします。”に直した場合、次に“おねぎあします。”を入力しても“お願いします。”が変換候補に登場する |
ATOK2005の機能強化点は、
- 変換辞書の強化
- 文脈処理の追加
- “訂正学習”機能の搭載
- 敬語の誤用を訂正する機能を搭載
- 電子辞書との連携機能を強化
などが説明された。
新たに追加された辞書として、韓流(はんりゅう)やデコ電、ハバネロなど流行語・現代語を収録した“トレンド辞書”、介助浴/嚥下障害(えんかしょうがい)などの“介護年金用語”などを紹介。また、使用頻度の高い同音異義語について前後の単語から意味を判断して正しい変換候補を表示する“共起用例”を拡充したという。
文脈処理機能は、直前の文章の内容を把握して変換候補を最適化するもの。従来は“その”といった指示語に続く場合にのみ機能していたが、ATOK2005では指示語がなくても動詞に対して文脈処理機能が働くようになった。
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敬語の誤用の指摘。Homeキーで誤用の内容を説明するウィンドウが表示される | 類語分類データの一覧表示。単語をクリックすると意味も合わせて表示される | ジーニアス英和辞典で、Goodから始まる単語および慣用句を一覧表示する。意味も合わせて表示される |
新たに搭載された訂正学習は、例えば“一タオル”(“一太郎”と入力しようとして、入力が前後した結果)を入力直後に削除、訂正した場合に、一連の操作を学習して次回に一タオルの変換候補に一太郎を追加するもの。
電子辞書との連携強化では、明鏡国語辞典の紙製版には含まれなかった類語分類データを参照して、類語の候補を一覧表示し、単語を選択すると意味が表示されるほか、ジーニアス和英/英和辞典と組み合わせた場合は、英単語の最初の数文字から始まる単語をリストアップし、意味を検索できる。また、単語だけでなく慣用句の掲出も行なう。
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花子のオートチャート機能 | オートチャートでスタイル&カラーセットを選択すると、加工が簡単に行なえる | グラフ作成機能も強化され、見栄えのするグラフが簡単に作成・編集できるようになった |
花子では、箇条書きの言葉を関連性や流れを示す図に描き起こす場合に利用する“オートチャート”機能のパターンを拡充し(4種類から8種類に)、形状や配色のプリセットも新たに搭載した。表現力が向上したほか、後から言葉を追加/削除した場合も、自動的に形状や配色が調整される。また、帯/棒/円柱/円の各グラフを手軽に作成するブロック図形が追加され、サイズの変更時には境界線をドラッグすると割合(%)が表示されるようになった。そのほか、PowerPoint形式での保存が可能になり、イメージデータを滑らかに表現する“アンチエイリアス表示”機能が追加されるなど、表示・表現能力を強化したという。
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表計算ソフト『三四郎2005』も2005年2月10日、一太郎や花子と同時に発売される |
2年ぶりのバージョンアップとなる三四郎2005は、ユーザーインターフェースを一太郎2005などに合わせて変更したほか、印刷時に1ページ内に収まるように自動縮小する機能を搭載(最小設定は50%)、Excel 2003とのファイル互換性を向上させるなど、機能強化を図ったもの。
なお、同社では来週14日から2月9日までに『一太郎2004』『花子2004』『一太郎2004&花子2004スペシャルパック』を購入したユーザーには、一太郎2005/花子2005へのアップアップグレードが3000円、一太郎2005&花子2005 スペシャルパックが5000円で行なえる“特別アップグレード版”を販売するキャンペーンを実施する。
