このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

Adobe Photoshop Elements 3.0

(前編)インターフェースの変更とデジカメに特化した新補正機能をチェック

2004年12月16日 20時02分更新

文● 諌山研一

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

■簡単に画像を調整できるクイック/スマート補正

一度の操作で必要な補正をまとめて施せる「クイック補正」は前バージョンも備えていたが、エレメンツ3ではインターフェースが改良されている。従来の小さなサムネールベースの作業ではなく、画面いっぱいに画像を表示させながら、各種調整ツールを使って補正できる(図5)。これにより、シャープネスの補正状態や、修整による画質の変化などを視覚的に確認することが容易になった。また、従来はひとつの画面内でラジオボタンを使って補正項目を切り替えていたが、3.0ではそれぞれの機能が独立したパレットになり、操作性が向上している。

図5図5 「クイック補正」では画面全体を使って補正できる。拡大/縮小表示、トリミングも可能

図5
図6 「スマート補正を調整」機能では補正割合を調節できる。20~30パーセント程度に設定して、少しずつ調整しよう
画像を独自のアルゴリズムで解析し、ボタンひとつで最適な補正を行ってくれる「スマート補正」機能も加わった。複数の補正を組み合わせたものだが、効果のかかり具合を微調整することもできる(図6)。一般的なデジカメ画像なら、ここでの調整だけでも十分に補正できるはずだ。





■iPhotoとの連携で画像管理も簡単

取り込んだ画像をiPhotoで管理しているユーザーは多いだろう。iPhoto自体にもレタッチ機能があり、画像をダブルクリックすることで編集モードに切り替わる。ただし、レタッチ機能は自動補正と明度/コントラストの調整、赤目補正といったごく簡単なものしか用意されていない。

そこで、ダブルクリックでエレメンツ3を利用できるように指定しておこう(図7)。iPhotoでは取り込んだ画像を日付ごとのフォルダーに管理しているため、エレメンツ3で直接画像を参照するより、このほうが格段に便利にブラウズできる。

図7図7 「環境設定」の「一般」タブで、「その他で写真を開く」を選び、エレメンツ3を指定する

しかもiPhotoはファイルの変更を即座にライブラリに反映するようになっており、エレメンツ3で編集して保存すると、iPhoto上の画像も切り替わる。iPhotoユーザーは、画像管理とフォトレタッチ作業をシームレスに連携させられるわけだ。

■ノイズ低減機能や修復ブラシ機能も装備

周囲が暗い環境では、デジカメのISO感度を上げて撮影することが多いが、あまり上げすぎると画像にノイズが出てしまう。最近ではノイズリダクション機能を搭載し、ノイズを低減できる製品もあるものの、どうしてもデジカメ特有の粒状感が残る。そんな画像の補正に便利なのが、新搭載の「ノイズ低減」機能(図8)。あまり効かせすぎるとシャープネスが甘くなるが、印刷で使用するぶんには影響は少ない。画面を見ながらいろいろ試して、好みの画質になるよう調整してみよう。

補正前 補正後
補正前補正後
図8 画質を極力損なうことなくデジカメ特有のノイズを低減できる。「詳細を保持」を大きくして元画像をできるだけ維持しながら、「強さ」を上げていこう

また、補正ツールとして「修復ブラシ」機能を搭載した点も大きい(図9)。基本的にはスタンプツールに似た機能だが、スタンプツールが元の色を単純にコピーするのに対して、修復ブラシは修整部分の周囲の色などを判断して質感までを移植できる。デジカメの受光素子面のゴミやシミ、スキャナーでの読み取り時に入ったホコリやキズなど、細かな修整の効率が一段とアップする。

補正前 補正後
補正前補正後
図9 左の画像のように破れてしまった写真なども、修復ブラシがあれば簡単に修整可能だ。周辺部分を繰り返しクリックするだけで、自然な印象になる

全体的に見ると、16ビットモードやRAW対応など、上級者向けの機能を備えつつも、1万円台前半という価格設定は驚きだ。ノイズ低減のようなCSにもない便利な機能も備わっており、デジカメ/スキャン画像に特化した作りになっているのがわかる。デジカメ写真を補正する程度で、iPhotoの補正機能に不満を感じているユーザーのステップアップとしては、これ1本あれば不自由することはないだろう。

ワンポイントチェック

エレメンツ3のタイトルバーの「+」ボタンは、編集画面がひとつならウィンドウを拡大する。しかし複数の画像を編集しているときは、ドックにしまった画像も含めて、拡大表示したウィンドウを重ねるか、タイル状に並べる仕様になっているので注意。

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

ASCII.jp RSS2.0 配信中