写真1 「FinePix E510」。しっかりとしたホールド性の高いグリップを持つ。ボディの剛性感も高くしっかりとした印象だ。 |
ASCII24「富士写真フイルム、進化した“スーパーCCDハニカムIV HR”を搭載するコンパクトデジタルカメラ『FinePix F810』などを発表」ニュース。画像をクリックすると当該ニュース記事に移動します。 |
FinePixシリーズのコンパクト機といえばフラットなフロントフェイスを持つスリムな機種が多いが、新シリーズとなる「FinePix E」は角張ったボディに大きめのグリップを備えた、やや無骨なデザインとなっている。Eシリーズには有効630万画素のハニカムCCDを採用した「FinePix E550」と、有効520万正方画素の「FinePix E510」の2製品があるが、今回は下位モデルのE510を評価機とした。
E550の32.5mmからの光学4倍に対して、E510は28mmからの光学3.2倍ズームを装備しており、広角に強いのが特徴。アダプタを介してテレ/ワイドコンバージョンレンズ、フィルタ類を装着することも可能だ。28mmという広角レンズの搭載は風景や集合写真といったシーンで重宝するだろう。コンパクト機ながら、絞り優先/シャッター速度優先/フルマニュアルの露出モードを備えるのも大きな特徴で、絞りは9段階、シャッター速度は2~1/2000秒が選べる。
写真2 モードダイヤル、ズームレバーなどの操作系は親指部分にうまくまとめられており、違和感なく操作できる。 |
ボディは持ちやすい。右手の親指を掛けやすく、カーソルやズームレバーに簡単にアクセスできる点など、操作性にはかなり気を遣ったデザインとなっている。スイッチ類は少ないもののインターフェイスが良くできており、マニュアル撮影などで不便を被ることは少ない。FinePix F810などで装備されている電子ダイヤルこそ持たないものの、液晶左側にある露出補正ボタンとカーソルキーの併用によって露出補正やマニュアル露出撮影は容易に行える。
写真3 撮影/再生モードは背面のスイッチで切り替えるスタイル。マクロ/ストロボ/露出補正などがダイレクトに呼び出せるなど、シンプルながらよくまとまった構成。青いFの字が書かれたボタンを押すことで、解像度や色調などを変えることができる。 |
拡張性やマニュアル撮影機能を重視している点など、キヤノンの「PowerShot A95/A85」と共通する要素が多いが、使い勝手を優先してやや大柄のボディを採用するPowerShot Aシリーズに比べるとE510はふたまわりほど小さく、実際に手に取ってみるとそのコンパクトさに驚かされる。本機はマニュアル露出も持つため、普段から持ち歩き、なおかつ凝った作品撮りも楽しみたいという人にはちょうどよいサイズと機能と言える。
広角側が28mmでワイドコンバージョンレンズ(約0.76倍)を使えば21.3mm相当となる画角を持つ機種はこのクラスでは少ない。“ポケットに入るほどコンパクトで、マニュアル露出も使えて拡張性も欲しい”それでいてお手頃価格という、ちょっと贅沢な要求も十分満たしてくれる製品だ。
FinePix E510の主なスペック | |
製品名 | FinePix E510 |
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撮像素子 | 1/2.5型原色CCD |
画素数 | 有効520万画素 |
焦点距離 | 28~91mm相当(35mmフィルム換算) |
開放F値 | F2.8~5.5 |
出力サイズ | 最大2592×1944ドット |
記録メディア | xD Picture Card |
記録形式 | JPEG |
液晶モニタ | 2.0型低温ポリシリコンTFT(約15.4万画素) |
電源 | 単3電池×2本 |
バッテリ寿命 | 約100枚(アルカリ乾電池、液晶ON、CIPA準拠) 約290枚(ニッケル水素充電池、液晶ON) |
サイズ(W×D×H) | 101×32.6×60.5mm |
重量 | 約176g(本体のみ) |