P&A、画像作成&加工ソフト『Paint Shop Pro 9』と入門者向け画像編集&管理ソフト『Paint Shop Pro Studio』を発売
2004年09月15日 20時24分更新
総合画像処理ソフト『Paint Shop Pro 9』と入門者向け画像管理・加工ソフト『Paint Shop Pro Studio』の発表会 |
(株)ピーアンドエー(P&A)は15日、東京・日比谷の帝国ホテルで記者説明会を開催し、画像作成&フォトレタッチに対応する総合画像処理ソフトの最新版『Paint Shop Pro 9(ペイントショッププロ ナイン)』(以下PSP9)と、PSP9をベースにデジタルカメラで撮影した画像の編集/加工と管理/印刷などに特化した入門者向けソフト『Paint Shop Pro Studio(ペイントショッププロ スタジオ)』(PSP Studio)を、10月15日に発売すると発表した。PSP9は、通常版ダウンロード版のほか優待版(他社のフォトレタッチソフトなどからの乗り換え)/アカデミック版/アップグレード版が用意される。それぞれの価格は以下のとおり。
Paint Shop Pro 9のパッケージ種別と価格
- 通常版
- 1万5540円
- ダウンロード版
- 1万290円
- 優待版
- 1万290円
- アカデミック版
- 9240円
- アップグレード版
- 7770円(店頭販売は2万本限定)
Paint Shop Pro Studioのパッケージ種別と価格
- 通常版
- 1万290円
- ダウンロード版
- 7140円
発表会には、開発元の米Jasc Software社からインターナショナルセールス&マーケティングディレクターのJohn-Erich G.Mantius(ジョンエリック・マンティウス)氏、プロダクトマーケティングディレクターのMichael Greenhalgh(マイケル・グリーンハール)氏、ピーアンドエーのCEO(最高経営責任者)のPartik Hochner(パトリック・オシュネー)氏、製品部制作課の山本 亮氏、製品部部長の山田知宏氏らが出席。新製品の概要や、“Paint Shop Pro(PSP)シリーズ”が2系統に分かれた背景などを説明した。
米Jasc Software社のインターナショナルセールス&マーケティングディレクターのJohn-Erich G.Mantius氏 | プロダクトマーケティングディレクターのMichael Greenhalgh氏 | ピーアンドエーのCEOのPartik Hochner氏(左)、製品部制作課の山本 亮氏(中央)、製品部部長の山田知宏氏(右) |
ユーザーの声を反映して製品ラインを2分化
PSP9とPSP Studioの開発コンセプトの違い |
最初に挨拶に立ったJasc Softwareのエリック氏とグリーンハール氏は、「PSPにはユーザーグループがあり、その声を聞きながら機能の追加や製品開発を行なってきた。ユーザーが何をやりたいかを汲み取り、それを実現することでユーザーが満足することが、我々の喜びでもある。今回の新製品では、デジタルカメラで撮影した画像をパソコンに取り込んで加工・管理するユーザーが増えたので、その意見を反映した」とPSP9とPSP Studioの開発コンセプトを説明した。
続いてピーアンドエーの高田氏が、「今回PSPシリーズを2系統に分化したのは、ユーザーのトレンドが大きく2つに分かれたため。パワフルなペイント/ドローやレタッチ機能が欲しい方にはPSP9を、もっと気軽に楽しく簡単に写真編集を行ないたい方にはPSP Studioをお勧めしたい」と、2製品のターゲットユーザーの違いを説明した。
PSP9では、デジタルカメラで撮影した画像向けのフォトレタッチ機能、ペイント機能、ドロー機能、画像作成の効率化という4点で特に新機能の追加や機能強化を図ったという。主な新機能/強化された機能は以下のとおり。
●デジタルカメラ向け
ノイズ除去フィルターの実行例。白い“浮き”や波紋にのった赤/緑/青などのノイズ(偽色)が自動的に除去されている | 色収差の除去フィルターの実行例。逆行になった灯台の左側に赤く、右側に青く、色収差によるノイズが発生しているが、これを範囲指定すると自動的に除去される |
- ノイズ除去フィルターを搭載
- 撮影感度をあげた場合や暗部に発生する偽色ノイズを消去
- 色収差の除去フィルターを搭載
- コントラストの高い領域に現れやすい赤や青の色ずれを低減
- 露出不足/露出過多を部分的に修正するフィルターを搭載
- 一眼レフデジタルカメラのRAWファイルの読み込みに対応
- 対応するカメラは7メーカー29機種で、順次追加予定
●ペイント機能
“イメージトレースオプション”の利用例。ハスの花の写真を取り込んで、マウスでドラッグすると絵画風の画像が簡単に作成できる |
- “アートメディア・ツール”を搭載
- 油絵、クレヨン画など質感や描き味の異なる筆先を9種類用意(消しゴムツールを含む)
- “ミキサーパレット”を搭載
- 複数の色を選択し、絵の具のように混ぜ合わせて色を作成・表現可能
- “アートメディア・レイヤー”機能を搭載
- キャンバス地での色の混合/にじみ具合をウェットとドライの2パターンで指定可能
- “イメージトレースオプション”を搭載
- 写真などを下絵として読み込み、色情報を抽出しながら指定した筆先のタッチでトレースして油絵や水彩風の画像を制作可能
●ドロー機能
“対称図形描画ツール”で星型の多角形を作成し、頂点と辺をマウスで変形させた図形 |
- 矩形・楕円形描画ツール、対称図形描画ツールの追加
- 多角形や星型をマウスで描画する機能。後から頂点の数を変更したり、辺の一部に頂点を指定して凹凸を指定したり、頂点を回転させた図形の作成が可能
- テキストツールの機能強化
- 縦書き横書きをボタンで切り替え可能。辺縁部を滑らかに見せる“アンチエイリアス”オプションを追加
- “放射状ぼかし・フィルター”の搭載
- 回転やズームアップするようなぼかしを加えるフィルター、スピード感のある表現が可能になった
- “置き換えマップ・フィルター”の搭載
- 座標データベースに別の画像をテクスチャーとして読み込み、立体的な表面効果、ゆがみなどをかける表現が可能
●画像作成の効率化
“履歴パレット”から一連の操作を選択して、クイックスクリプトに保存し、ほかの画像を読み込んで同じ操作を実行することが可能 |
- “履歴パレット”の搭載
- 従来は履歴を順番に取り消すのみだったが、新たに操作の途中だけを取り消したり、特定部分をスクリプトとして保存してほかの画像に対して同じ操作を行なうことが可能
- “参照ブラウザー”の搭載
- フォルダー内の画像をサムネール一覧で表示するほか、デジタルカメラの撮影情報(Exifデータ)の参照が可能
対応OSはWindows 98 SE/Me/2000(SP4以上)/XP。動作環境は、CPUがPentium-300MHz以上または互換CPU、メモリー256MB以上、HDD 500MB以上など。読み込み/書き出し可能なファイル形式などは、現在開発中のため後日発表予定。
PSP Studioは、PSP9をベースに、トーンカーブやガンマ補正、ヒストグラム表示など操作に予備知識が必要とされる高度な画像加工機能、“アートメディアツール”“ミキサーパレット”“ドローツール”などのペイント/ドロー系の画像作成機能、“履歴パレット”および一部の画像フィルターを省略したもの。初心者でも迷わずにデジタルカメラから画像の取り込み、編集・加工、印刷、およびCD/DVDメディアへの書き出しなどが行なえるという。印刷やCD/DVDへの書き出し、画像管理機能はPSP Studioに同梱された画像管理ソフト『Paint Shop Photo Album 5』で行なう。対応OSや動作環境はPSP9と同等。
PSP Studioの主な機能と特徴 | PSP Studioに同梱されている『Paint Shop Photo Album 5』で行なう主な機能 |
本日公開開始という、Paint Shop Proシリーズの製品情報を配信サイト“PaintShopPro.jp” |
なお、本日よりPaint Shop Proシリーズの製品情報を配信する専用ウェブサイト“PaintShopPro.jp”が公開された。同サイトでは、PSP9とPSP Studioの違い、各製品の最新情報/更新情報などが掲載される。