Led Zeppelinの名曲“Moby Dick”とともに開幕した“mobidec 2004”。今年で4回目の開催となる |
MCF事務局長、岸原孝昌氏 |
開幕の挨拶を行なったMCF事務局長の岸原孝昌氏は、4回目の開催となる今回のカンファレンスについて「モバイルビジネスの幅が広がったこともあり、プログラムの作成が大変になった」と、モバイルビジネス市場の成長と同カンファレンスの発展を紹介。一般的にはモバイルビジネスの急成長は沈静化・鈍化してきていと見られているというが、「異業種との(ビジネスの)関係は以前よりも多くなっている」として、「(同カンファレンスを通じて)モバイルビジネス業界の横の連携を強化していきたい」と述べた。
NTTドコモ・プロダクト&サービス本部コンテンツ&カスタマ部コンテンツ担当部長、山口善輝氏 |
続いて行なわれた同カンファレンス最初のセミナーでは、NTTドコモのプロダクト&サービス本部コンテンツ&カスタマ部コンテンツ担当部長の山口善輝氏が、7月10日にサービスを開始した“iモード FeliCa”について、サービス開始の背景や技術要素、今後の展開などについて説明した。
同氏によると、1994年の携帯電話の“買い上げ制度”がスタートしてから1998年までを携帯電話普及の第1期とし、この間は音声通話需要の爆発が急速な普及を支え、通信インフラとしての携帯電話が成長を遂げたという。また、1998年のiモードサービス開始と携帯電話のマルチメディア化により、以降2003年までの期間を普及の第2期とし、ITインフラとしての携帯電話が確立した時期だとしている。
NTTドコモは携帯電話の成長は今後、“生活インフラ”に向かっていくとしている | iモードサービスの今後の方向性 |
これら2回の成長期を経て、NTTドコモグループの携帯電話契約数は約4500万に達し、そのうち約4200万契約がiモードサービスを利用しているという。しかし、今後は契約数の伸びやiモードサービス利用者の増加は鈍化する傾向にあるとしているが、山口氏は、第3の成長期として携帯電話を生活インフラの一部の“生活ツール化”していくことで、携帯電話を頻繁に利用している既存ユーザーを中心に、より高いサービスの価値を提供していくとしている。
生活ツールとして携帯電話を発展していくための重要要素として山口氏は“外部との連携”を強調している。携帯電話に生活に欠かせないもしくは便利な機能を集約し、携帯電話の持つ機能/インターフェースを通じて情報のやり取りやサービスの提供などといった外部との連動を図り、「“ドコモの携帯が(便利だから)手放せない”というようにユーザーを囲い込んでいく」戦略を展開していくとした。そして、この外部との連携を図るための機能/インターフェースが、赤外線通信やQRコード、そして新サービスのiモード FeliCaだという。
iモード FeliCaのベースとなる“FeliCa”技術の特徴 | FeliCaの基本的な仕組み | iモード FeliCaのメリット |
FeliCa技術の国内普及状況。FeliCa対応ICカードは日本国内累計で2600万枚発行されており、中でもJR東日本の“Suica”は現在450万枚(スライド中の数字は2月のデータ)を超える広がりを見せているという |
また、今後登場予定の注目のサービスのひとつとして、iモード FeliCaと同規格の非接触型ICカード“Suica”を展開する東日本旅客鉄道(株)(JR東日本)のケースが紹介された。これによると、JR東日本のiモード FeliCa対応サービスは、“モバイルSuica”という名称で2005年秋をめどに基本機能をスタートする予定で、将来的には新幹線の乗車や座席予約などにも対応していくという。
iモード FeliCa対応端末の最新機種『F900iC』の紹介スライド。同社では今後、F900iCに搭載されているiモード FeliCa関連のセキュリティー機能を他機種にも展開し、セキュリティー面の強化を進めるという |