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インテル、CMOS無線技術などの研究を紹介!

2003年06月10日 22時23分更新

文● 編集部 小板謙次

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インテル(株)は9日、都内で“インテルにおける無線技術の研究”と題した記者説明会を開催し、インテルフェロー兼コーポレート技術本部コミュニケーション&インターコネクト・ラボ ディレクタのケビン・C・カーン(Kevin C. Kahn)氏が説明にあたった。同社では無線技術に関する研究としてCMOS技術、パッケージ技術、アンテナ設計など実装関連、変調技術の改良、スマートアンテナ、UWB(Ultra Wide Band)など技術関連、インフラ展開、ローミング、メッシュ・アーキテクチャーなどシステム関連、そして規制と標準化といったさまざまな研究を行なっている。カーン氏は「インテルが無線技術の研究を行っていることはあまり知られていないかも知れないが、この研究は我々の重要なプログラムである」と話し、今回はCMOS技術、再構築可能なベースバンド技術、スマートアンテナの3点について解説した。

まず、モバイルライフが一般的になってきたことで無線技術はもっと安価にならなければいけないと話し、そのキーとなるのが同社のCMOS技術だと言及。「無線技術を我々のCMOS上に展開していくことで生産コストを低減できる。一般的にはガリウム砒素などが使われているが、CMOS技術を使えば何千万単位で生産が可能となる」と話した。ただし、この技術を実現するには(1)CMOSの電圧が低くパワーアンプの効率が低下する、(2)インダクターの性能が低い、(3)プロセッサー周波数とのノイズの切り分けなどの問題を抱えているとした。「チップセットやプロセッサーでは信号が0か1かということを考えているわけですが、0から1までの道のりがどうだったかはあまり問題にされていません。無線技術においては、まさにその道筋、波形が大切になってきます。今までのデジタルCMOSはできていなかったわけですが、回路コンセプトとしての問題を解決していくために、それを補っていくようなインダクターやインダクターとしてパッケージに組み合わされていたものをどう使っていくかが重要になってきます」と話した。



試作品のシンセサイザー
試作品のシンセサイザー(10GHz対応)

さらに、重要な要素として再構築可能なベースバンド技術を挙げた。「多くのスタンダードプロトコルに対応可能で、異なる周波数帯域で活用できるものを作りたい」とし、それを解決するものとして“RCA(Reconfigurable Communication Architecture)”を紹介。今後集積化されるという試作機も紹介された。RCAは回路に柔軟性があり、ファームウェアを追加することによってさまざまな規格に対応でき、瞬時に周波数などを変更可能であるという。氏は「この技術をUWBでも展開していきたい。この技術に関しては、一部のメーカーが2~3年内に導入していくだろう」と話した。しかし、規制が問題であるとも指摘した。「例えばひとつの機能を正しく実行することが可能であれば規制当局は販売の承認を下すわけです。しかしRCAのようにファームウェアが新たに加えられ、さまざまなタスクに対応した場合にはどうテストするか、どう準拠していくかという問題がでてくるわけで、規制当局はこの点に非常に不安を感じているのです。我々はFCC(米連邦通信委員会)に対して対話をはじめたところです」

セクタアンテナの例。ノートパソコンに4本のアンテナを搭載しているのが分かる

最後に紹介されたのがスマートアンテナだ。ここでは、通信距離を増やす短期的なアーキテクチャー“セクタアンテナ”とスループットを改善する長期的なアキテクチャー“MIMO(Multiple Input Multiple Output)”が紹介された。“セクタアンテナ”はすでに携帯電話の基地局などにおいて展開されているものをラップトップで展開していこうという考え方だ。同社ではあるメーカーのラップトップに指向性アンテナを4本搭載して信号の受信実験を行なった結果、シミュレーション値ではあるが方向や位置による感度の変動が低下し、利用可能レンジをほぼ2倍にすることができたとしている。「これは非常に単純で距離の改善が可能な方法です。プロダクトグループも早急に導入したいと話していますし、メーカーもこのテクノロジーをラップトップで展開したいと考えています。即、メリットを生み出すことのできる技術です」と話した。MIMOは、アクセスポイントとラップトップの間に複数のチャンネルを設けることでスループットをリニアに向上させる技術だ。

なお、カーン氏が度々取り上げるUWBに関して記者から「実用化はいつになるのか? どのような市場で展開されるのか?」などの質問がとんだが、現在IEEE802.15の段階で標準化が進められているとした上で、実用化は2006年以降になると思うと回答。ただし、この1年でスタンダード前のプロダクトが何社から出てくるだろうと話した。UWBは短距離でデータレートが高いということ、非常に精度の高い位置情報を低いデータ速度で遠距離でだせるということなど興味深い特性があると指摘。特にレーダーとして使え、倒壊した瓦礫のなかを調べる救済活動、大型の倉庫の位置情報などに有効な例を挙げた。また日本ではコンシューマーエレクトロニクス企業からの関心が高くなるだろうと話した。IEEE802.15では、もともと29の提案が提出され、そのなかから規格が選定しようというプロセスがはじまった。インテルではいくつかの企業と協力をし、さらにどういった融合を行なうかを話し合い、数をへらすという努力しているところ。ラボでも相互運用性についても話を進めているという。

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