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【特別企画】夢を応援するドリームゲートのシステムを探る~ドリームゲートを支えるIBMのブランド力とは~

2003年12月19日 16時50分更新

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経産省が推進する起業支援プロジェクト、ドリームゲートのシステムがLinuxを使って構築されているという。そこで、同プロジェクトのシステムディレクターで、株式会社アナザーブレイン取締役社長でもある久田智之氏にお話を伺った。

久田智之氏
久田智之氏/株式会社アナザーブレイン取締役社長。ドリームゲートプロジェクトにシステムプロデューサーとして参画。ORACLE MASTER Platinum、ITコーディネータなどを保有

 長い不況が続き、廃業率が創業率を上回って推移するという状況が続いている。そうした中、最低資本金特例制度(中小企業挑戦支援法)が2003年2月1日に施行された。この法律の最大の特徴は、新規事業の創業者に限って、会社設立に必要だった株式会社で1000万円、有限会社で300万円という最低資本金を5年間免除する点にある。実質的に資本金がなくても起業できることを目的とした法律だ。
 この法律を機に、独立・起業を目指す人を支援すべく設立されたのが、「起ち上がれニッポン DREAM GATE(以下、ドリームゲート)」プロジェクトだ。
 ドリームゲートは経済産業省の外郭団体である財団法人ベンチャーエンタープライズセンター(VEC)と経済産業省が推進するプロジェクトで、今年5月1日からサービスが提供された(本格稼働は7月1日)。プロジェクトの概要は大きく分けて3つあり、新しい技術やサービス、ビジネスモデルを持つ有望な企業に、助成金や評価書の交付を行い、企業活動の成長をサポートする「ベンチャー・サポートウェア」事業(すでに公募は締め切り)と、メールマガジンやメーリングリストで独立・創業の支援を行う「DREAM GATEメールマガジン」事業、掲示板、Webサイトなどで弁護士や会計士、司法書士などによるオンライン相談サービスを展開する「DREAM GATEサポート」事業となっている。
 産業経済省の外郭団体によるプロジェクトではあるが、格闘家のボブ・サップをイメージリーダーに起用するなど、斬新なプロジェクトとなっている。これはプロジェクトの目的が「起業家育成」ではなく「起業家予備軍育成」にあり、より多くの人に起業について知ってもらいたいという意図からだという。もちろん、背景には起業を促進することで、景気を良くするというねらいがある。
 現在、ドリームゲートのユーザーは12万人。今年度中に30万人を目指す。



OSにはRed Hat Linuxを採用

DREAM GATEプロジェクト
DREAM GATEプロジェクト。独立・起業を多角的にサポートするプロジェクト。メールマガジンのほか、さまざまな形でサービスを行っている。 200401エンプラDG画面.jpg

 ドリームゲートは現在11台のサーバで運営されており、すべてIAサーバ+Linuxという組み合わせだという。ハードウェアはIBMのxSeriesで、OSにはRed Hat Linux 8.0を採用。
 メインとなるWebサーバは、IBM xSeries 335(Xeon 2.8GHz)の2台で、ロードバランサにより負荷分散されている。このほか、サブのWebサーバが1台あり、こちらでは負荷のかからないWebページコンテンツの公開やCGIなどを動かしている。
 メールサーバは3台あり(xSeries 335×3)、それぞれ用途ごとに通常メールの送受信、メールマガジンとメーリングリスト配信、エラーメールの受信を担当する。これに加え、ウィルスを防ぐためのウィルスゲートが1台用意されている。
 ドリームゲートでは現在、6万~9万件のメールを月水金の週3回送信している。現在は回線が潤沢でないため、送信には2時間ほどかかるという。
 会員情報や動的コンテンツを生成するデータベースサーバはxSeries 345(Xeon 2.8GHz×2)のSMP構成で、データベースソフトウェアにIBM DB2を採用した。
 これらのサーバに加え、データベースとWebサーバのバックアップ用サーバがそれぞれ1台ずつ、テスト用サーバが1台という構成となっている。システム障害時は、こうしたバックアップサーバへ手動で切り替えるとのことだ。このような構成にしている理由は、コスト面との兼ね合いで、ハイアベイラビリティソフトウェア(HA)などは導入していないという。



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