このページの本文へ

NEC、現行DVDとの互換性を持つ次世代DVDドライブを開発――1つのヘッドに赤色/青色レーザーピックアップを実装

2003年12月18日 21時03分更新

文● 編集部 佐久間康仁

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
“HD DVDドライブ(仮称)”の試作機
AOD規格の“HD DVDドライブ(仮称)”の試作機

日本電気(株)は18日、都内で記者会見を開催し、(株)東芝と共同開発している次世代DVD規格“AOD(Advanced Optical Disc)”に準拠し、既存のDVD-ROM、DVD-Videoの読み出しにも対応する次世代DVDドライブ“HD DVDドライブ(仮称)”の試作機を開発したと発表した。量産化、事業化の時期は未定としながら、「2005年ごろをイメージしている」(第一ストレージ事業部統括マネージャー 早津亮一氏)とのこと。



渡辺久恒氏と稲田博司氏
執行役員の渡辺久恒氏(右)とマルチメディア研究所 研究部長の稲田博司氏(左)

会見場には、執行役員の渡辺久恒氏、マルチメディア研究所 研究部長の稲田博司氏らが出席し、開発に当たっての新技術や背景、同社の狙いについて説明した。

パソコン内蔵用ドライブ(モックアップ) AODの読み出し用メディア
パソコン内蔵用ドライブ(モックアップ)AODの読み出し用メディア。メモリーテック(株)が製造

AODは、従来のDVDを読み出す赤色レーザーより波長の短い青色レーザー(400nm)を採用し、片面1層15GB/片面2層30GB(再生型メディア)および片面1層20GB(記録型メディア)の容量を持つHD映像管理向けメディア。再生型メディア(Ver.0.9)については11月中旬にDVDフォーラムで承認を受けており、記録型メディアはフォーラムで規格化の調整検討中。

外付けドライブの背面 内蔵用ドライブのトレイとピックアップ部
今回デモに使われた外付けドライブの背面。試作機のため、電源やインターフェースボードなどがかなり大きいようで、数年前の多連装CD-ROMドライブのような厚みがある内蔵用ドライブ(モックアップ)のトレイとピックアップ部

AOD方式の特徴は、

  • 既存のDVDと同じ0.6mmディスク(ディスク表面から記録面までの厚み)の貼り合わせ構造を採用
  • 対物レンズNA(開口数)が現行のDVDと同等の0.65で、レンズとディスク面の間隔(作動距離)が1.0mmと開いているため、ゴミや傷の影響を受けにくく、ディスクをカートリッジなしで運用が可能
  • 書き込みメディアについて、映像記録向けのシーケンシャルアクセスと、パソコンのデータ記録向けのランダムアクセスの双方に対応するフォーマットを採用

など、既存DVDとの高い互換性を維持することにより、生産コストの低下やユーザー/採用メーカーのスムーズな移行を目指している。また、「カートリッジを使わないため、メディアが薄くなり、ドライブ自身の薄型化も可能。ノートパソコンにも無理なく搭載できるだろう」(稲田博司氏)と、将来の展開の一端を明かした。

互換ヘッド技術 記録再生技術
AODと既存DVDとの互換性を確保したヘッド技術。2つの光源をプリズムで屈曲して開口部とレンズに透過させている記録再生には、新開発の適応型PRML、ETM方式の変復調方式などを採用する

これらを実現するための技術として、

  • 赤色/青色レーザーという波長の異なる2つのビームを1つのレンズで集光可能にするため、“波長選択性開口”と“回折格子付き非球面レンズ”を開発
  • 記録再生で発生する波形のゆがみを修正して目的の波形に変形する“波形等化技術”により、ディスクのメーカーごとに差異のある反射/透過特性の違いや光ヘッドの経年劣化があっても安定した読み込みを行なえる“適応型PRML(Partial Response Maximum Likelihood)方式”、および適応型PRMLに適した新たな変復調方式“ETM(Eight to Twelve Modulation)”を開発
  • これらのハードウェア処理を実現する専用LSIとファームウェアの開発

などを実現し、今回の試作機発表に至ったという。なお、現在の試作機はDVDの再生互換のみだが、商品化に向けてCDの読み出しや記録型DVDメディアの読み出し/書き込みにも対応するべく、必要な技術の開発を進めているという。

AODの青いレーベルのメディア 従来のDVDは赤いレーベルのメディア
AOD方式のHD DVDメディアは、青色レーザーによる読み出しをイメージした青いレーベルを採用。再生した映像データは750Pで19MbpsのHD映像DVD-Video方式の従来DVDメディアは、赤色レーザーで読み出すため赤いレーベルになっている

会場では、1280×720ドット(750P)でビットレートが19MbpsのHD映像(映像圧縮方式はMPEG-2)を記録したAODメディアと、従来のDVD規格のメディアを同じAODドライブで再生し、画質の違いをアピールした。なお、音声フォーマットについては仕様が確定していないため、現状はAAC/MPEG Audio Layer-2(MP2)/リニアPCMなどの方式で記録再生が可能なファンクションを備えているとのこと。

AODのHD DVDメディアを再生
AODのHD DVDメディアを再生しているとこと。Windows XPで動作する専用プレーヤーソフトを開発し、パソコン上で再生やチャプター切り替えを行なっていた

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

最新記事

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン