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「メモリーカードスロットはコミュニケーションツールとして不要!」――『チェキ』用フィルム活用の携帯電話用デジタルプリンター開発者を直撃!

2003年09月20日 17時51分更新

文● 編集部 小板謙次

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[編集部] こうやって筐体を見てますと、普通はカードスロットを付けたくなっちゃいますよね。そこを思い切って排除したというのもポイントですか?
「今、風呂に入る時以外はほとんど『NP-1』を身につけてますよ(笑)
[中台] 動作確認用の機種でカードスロット搭載のものを作ったことがあるんですよ。結論からいうと、よかれと思ってやったことが非常に面倒くさくなります。結局、このプリンターの良さというのは気軽に携帯電話で撮って、気軽にプリントアウトできるという簡単さ。カードスロットをつけたとしても、具体的な動作を考えますと、カードを抜く、アダプターを装着する、差し込む、画像を選択するといった作業が生まれます。そのためプリンターに液晶を付けると大きくなって値段も上がってきますよね。で、めでたく画像をプリンターでプリントアウトしたとしても、「もう1枚やってよ」って言われた瞬間に「ガクっ」てくるわけですよ。またメディアぬいてアダプタをやってと…。こういうことをやってるうちに盛り上がってた場の空気がしらけてくる。もちろんメディアの良さはありますよ。キオスク端末とかデータ量の多いものなんかは今の赤外線にはちょっと厳しい。結局良さの中身が違うんです
[編集部] 筐体は結構軽いですよね
[中台] 250gです
[編集部] どれくらもつんでしょうか?
[中台] 電池で100枚プリント可能です。CR2という電池を使ってます
[編集部] 本来、インスタント写真部と電子映像事業部は接点はないんですか?
[羽田] ないです。まったくないです(笑)
[編集部] 場所は同じですよね


「電子映像事業部とはこの製品開発ではじめて接点ができたんですよね」
[青崎] 同じといえば同じなんですけど、ほとんど会わない。食堂を中心にして、崖の下にあるビルと山の上にあるビルですから。でも本当にないもんなんですよ。どちらかというと電子映像事業部は入力機器なもんですから、デジカメとか非常にハイテクなものが多いんですね。インスタントっていうのは名前の通り、脈々とした銀塩の歴史のなかで作っているって仕事だった。それが急に今回デジタルになったんで接点がでてきたんです。
[編集部] 羽田さんは『NP-1』に関わる前は何を担当されてたんですか?
[羽田] 本業があるんですよ。僕は新ビジネスって名刺に書いてありますけど、ソフトウェアをベースとした新規ビジネスの立ち上げを4~5年前からやってまして…、ひとつはネットワーク関連の大型パッケージソフトだとか、またライセンス売り、無線LANとか…なんだろうな…モバイルだワイヤレスだということを全部やってます。商品開発から営業まで
[編集部] 今回の話はインスタント写真部からでてきたんですか?


「社内にはもともと草の根組織みたいなニュービジネス研究会というのがあって、そのなかから製品の企画が生まれてきたんです」
[羽田] 実はインスタント写真部のアイデアだけではないんですよ。違うんですよ。草の根組織みたいのが社内にありましてね。それはニュービジネス研究会っていうものなんですが、公式の組織ではなくて僕と同じくらいの年の人が5人くらい集まってやってるもので…。社内は結局縦割になっていて横断的な情報が伝わりにくい。ケミカルやナノテクやってる人もワイヤレスで何が起きているか分からない。「それだと色んなことができないよね」ということで、足柄研究所にいた人でインスタントのフィルム関係の技術の方、感材部の人、営業の最前線である東京販売部の人が集まって常に話し合ってたんです。その時足柄の人がですね、僕がワイヤレス関連の仕事をずっとやってたのを知ってて、「こういうのがあるんだけど、どうしたらいい」と相談があったんですよ。その時はメディアを差し込みむタイプだったんですけど、それは売れるだろうと思って、自主的に協力させていただく形になりましたね
[編集部] 赤外線ってわりと使われてないですよね
[羽田] そうなんですよ。技術としては枯れた技術ですから。安定しているし、スピードが爆発的に速いわけではないんですけど安定してて、ある決められた製品には必ずついているということを考えるとベストソリューションなんですよね
[編集部] 赤外線搭載の携帯電話はすべて使えるんでしょうか?
[青崎] “WIRELESS JAPAN 2003”では、NTTドコモの『ムーバD505i』でデモを行ないました。現在対応機種については検討を行なっているところです。赤外線通信機能がたくさんの端末に搭載されることを願っています
[編集部] ターゲットとしては


コンビニなどユーザーが最寄の場所で入手できる『チェキ』のフィルムを使うというのは大きな強み
[中台] どこか特定のところに絞り込んでというのは考えてないんですよ。ただチェキのフィルムを使ってますんで最初に伝わるのはチェキのユーザー層かなと。そのへんの方は写真を撮ったらすぐプリントアウトして楽しむことをよくご存知だと思いますので。ただ、メカが好きな人でも、この簡単さを見るといいと感じると思いますよ。
[羽田] これはね、例えば家にインクジェットプリンターがあっても欲しくなりますよ。
[中台] 逆にパソコン用のプリンターを持っている人があの設定の面倒くささを知ってて、これはいいと。PCユーザーのセカンドプリンターとして購入したり…
[羽田] 正直のところ分かんないですね(笑)


[編集部] チェキの場合は名前の響きというか語感がいい。『NP-1』というのは仮のモデル名ですが、別の名前がつくんですよね
[中台] 検討中です。分かりやすい、いい名前にしたいと思ってます。

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