[編集部]
もうちょっとこみいった内部構造になっていると思ったんですが
[青崎]
いや、原理としては非常にシンプルです
[編集部]
この構造にするのに苦労された点というのは?
[青崎]
動かすときにワウフラ(Wow-Flatter)があると画像が乱れますよね。それを均一にするメカニズムを作るという点が難しかったです。しかも小さく作らなければいけない。送りのメカニズムはリードスクリューがあって、ステッピングモーターでスクリューをまわすことによって動くという具合になってます。ガイドシャフトにワウフラ防止の細かい工夫がされてます
内部構造はシンプルだが、ガイドシャフトにワウフラ防止のための工夫なされている |
フィルムのセッティングはきわめて簡単。チェキのカセットを落とし込むだけだ |
[編集部]
こういうしくみは他の製品では採用されているものですか?
[青崎]
密着イメージセンサーも同じ原理ですね。LCDシャッターのかわりに受光素子がある
[羽田]
いわゆるスキャナーですよね。あれはCCDが縦型になっててラインセンサーって呼ばれてて、それでだーっと読み込みますけど、これは逆に発光させることによって焼き付けている。
[青崎]
光学系の部分は非常に密着のスキャナに近いんですけど、それを露光に使うというところが新しいアイデアであると言えます
[編集部]
『チェキ』のフィルムがそのまま使えるというのはポイントとして外せない部分だったんですか?
[中台]
『チェキ』のフィルムはISO感度800という高感度であるという点もあるんですが、お客さんのほうから見ますと一番のメリットは買い求めやすさ。コンビニとかカメラ店はもちろん電気店とかユーザーの最寄のことろで購入できるメリットがある。プリンターの場合、機種ごとに専用の消耗品が必要ですよね。消耗品としてはインクや専用の用紙が必要。メンテナンスも面倒。『チェキ』の場合は消耗品であるフィルムの交換もカートリッジを落とし込むだけです。携帯の世界にフィットさせようと思ったらシステムとしてのシンプルさといったものが非常に大切なのではないかと思います
[編集部]
ちなみに『チェキ』はどれくらい普及してるんですか?
[中台]
6月までの実績で350万台の国内出荷を記録してます
[編集部]
主なユーザー層というのは?
[中台]
ユーザーの7割が女性。そして全体の37%が20代の女性で、そのあたりがコアユーザーになってます。人によっては『チェキ』って女子高生に人気というイメージがあるとおっしゃる方がいるんですが、20代の女性が多いんですよ。男性も逆に3割いる。被写体としては結婚式なんかですと3人~5人で撮影することが多い。撮ったその場で写真がでてきてそれ以上何もいらないというストレートな面白さが人気となってますね。『NP-1』ですと、ボタンを押すと何枚でもプリントができるといった『チェキ』とは違った楽しみかたが現われてきます
[編集部]
気になるのがお値段ですね。チェキにくらべて2倍くらいの価格になるのでしょうか?
[中台]
価格は未定ですが、撮ったその場でプリントできるという意味では『チェキ』と同じ楽しみ方なんですが、焼き増しができたり、携帯で撮影しておいて持ち帰ってプリントしたり…といった具合に全然楽しみ方の幅が違う。なので、価格はそれほど問題にはならないと考えてます
[青崎]
基本的にはシャッターチャンスが違うんですよ。これの場合は携帯だけもってればいい。チェキの代替品ではなくチェキを包括する新しいプリントのシチュエーションができあがるということです
[羽田]
ユビキタスプリンティング(笑)ですね。その場プラスアルファ、時間差攻撃と
[青崎]
自分のお宝画像はコレだというのがあれば、『NP-1』に皆で携帯を向けて遊ぶなんてシーンも考えられる