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“CAエグゼクティブ・カンファレンス・ジャパン2003”開催――オンデマンド・コンピューティング戦略の重要性を強調!

2003年09月04日 03時14分更新

文● 編集部 小板謙次

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コンピュータ・アソシエイツ(株)(以下、CA)は3日、都内で“CAエグゼクティブ・カンファレンス・ジャパン2003”を開催、約500人が来場した。午前中の基調講演には代表取締役社長の三ッ森隆司氏や米コンピュータ・アソシエイツ社の会長兼CEOのサンジェイ・クマー(Sanjay Kumar)氏、上級副社長 セールス・フィールド・オペレーション担当のスティーブン・リチャーズ(Stephen Richards )氏、そして特別講演としてガートナー ジャパン(株)の村田正憲氏が登場し講演を行なった。

米コンピュータ・アソシエイツ社の会長兼CEOのサンジェイ・クマー氏
米コンピュータ・アソシエイツ社の会長兼CEOのサンジェイ・クマー氏
クマー氏が講演のなかで挙げたポイントのひとつは資産をあらいだしてそのなかかからインフラのベースラインを見定めること
クマー氏が講演のなかで挙げたポイントのひとつは資産をあらいだしてそのなかかからインフラのベースラインを見定めること。その上で管理監督していくことが大切。それができたら2つの重要な作業が待っている。ひとつは不備を検知すること、もうひとつは必要なリソースを検出して割り当てていくことだと説明
記のプロセスモデルを実現するためにはData Transparancy ServiceとWeb Service Interfaceといった2つのレイヤーが構築されていかなければならない
上記のプロセスモデルを実現するためにはData Transparancy ServiceとWeb Service Interfaceといった2つのレイヤーが構築されていかなければならない

すでに8月に米ラスベガスでパートナーや顧客などを対象にしたカンファレンスを開催している同社だが、今回も企業内のテクノロジーとインフラストラクチャの管理の手法としてオンデマンド・コンピューティング戦略を強調した。クマー氏は電力の供給を例に挙げながら次のように説明した。「電力の供給元としては火力、水力、太陽熱などの発電装置が働いているが、自宅に帰って電気をつける際には、どのような発電装置が働いているかなんてことは、人々は感知しない。当然のものとして受け入れているし、支払いも消費した分だけ支払っている。コンピューティングの世界でも同じことが起こるだろう。それはLinuxであるかUNIXであるか、あるいは演算処理能力がどうとかいうことではなく、予測も含めてサービスレベルで処理能力が入手できる、正確な答えがでてくる。そして必要な場所で必要なときに必要な期間だけ、必要な処理能力、キャパの提供を受け、消費した分だけ支払うという形だ。大きなキャパシティーで支払う現在の方法は長続きしないだろう」と話した。そして、オンデマンド環境を管理するためのツール開発においては個々の顧客の資産に合わせ柔軟性を持ったサービルレベルを向上さていくこと、究極的には「仕事のやり方やIT環境を管理する」という“サービスレベルコンピューティング”を重視し、それに見合うインフラ構築に注視しているとした。「オンデマンドコンピューティングにはトランザクション、インフォメーション、スタラテジーという3つの重要なポイントがある。つまり顧客の取引を管理し、情報を管理り、ひいては持ってるテクノロジーを管理する。この方向性でシフトは起こってくるし、業界の製品も同じ方向に変わってくるだろう」との予測を示した。

また、氏はITインフラの改善の80%はITリソースのより良い管理から実現しているというガートナーグループの調査結果について触れ、「過去数年間の効率改善はテクノロジーがもたらしたものだったが、今後はマネジメントに切り替っていくだろう」と強調した。

オンデマンドコンピューテングにおけるパラダイムがどのように進んでいくかについては、フェーズ1として顧客が企業内でリソースを共有できるようになりること、フェーズ2として企業という枠を外れてリソースを仕入れたり、購入したりできるようになること、を挙げた。特にフェーズ2に関しては約5年後には実現するだろうと話した。



ガートナージャパンの村田正憲氏
ガートナージャパン(株)の村田正憲氏
10年以上前まえからの課題
ガートナー ジャパン(株)の村田正憲氏は国内メーカーのIT事情についてデータを示し、評価・管理の部分が足りず、業務プロセスの改善が進んでいない。10年以上前からの課題であると話した
ハードとソフトのコストの比率が欧米に比べて高いが内訳が把握できていない
ハードとソフトのコストの比率が欧米に比べて高いが内訳が把握できていない。資産の棚卸しができていないと指摘。「IT顧問は先を見越してコストダウンをしながら投資案件を無難にこなしていく微妙なマネジメントが強いられている。そのなかで、たとえばソフトウェアで実現できるマネジメントはどのようなものがあるかがポイントである」と話した

会場には、サービスマネジメントソフト『iCan Provider Suite 日本語版』やセキュリティー・マネジネジメントソフト『eTrust』、ストレージメネジメントソフト『BrightStor』などの製品デモが行なわれていた。

会場では同社の製品がズラリ
会場では同社の製品がズラリと並び、デモが行なわれていた。この日の来場者は約500人

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