カノープス(株)は9日、用途を限定することで高機能を低価格に販売するという同社の新ブランド“QUOSYS(クオシス)シリーズ”の第2、第3弾製品として、ソフトウェアMPEGエンコードのTVチューナー&キャプチャーカード『QSTV10』と、アナログ/DV入力端子とTVチューナーを内蔵してパソコンにIEEE1394端子で接続する外付けTVチューナー&DVエンコーダーボックス『@MasterDTV』を7月下旬に出荷開始すると発表した。価格はいずれもオープンプライス。編集部による予想実売価格は、QSTV10が1万円台前半、@MasterDTVは3万円弱。
第一開発部部長の中田 潤氏 |
QSTV10は、同社が「MTVシリーズのQUOSYS」(第一開発部部長の中田 潤氏)と位置づけるPCIスロット用のTVチューナー&キャプチャーカードで、オプションでもハードウェアMPEG-2エンコード機能を追加できない(同じくソフトウェアMPEGエンコーダーカードの『MTV800HX』はオプションで追加可能)、画質向上を図る3DY/C分離機能を持たない、などの制限はあるものの、画質劣化を低減するゴーストリダクション機能を内蔵し、6月に発表した“MTV FXシリーズ”と同様、米DivXNetworks社のMPEG-4 CODEC“DivX Pro”によるソフトウェアMPEG-4エンコード機能も搭載する。ただし、ソフトウェアMPEGエンコードでの録画中にCPUパワーの大半を使うため、MTV FXシリーズの“追いかけ変換”(MPEG-2ファイルで録画しながら、MPEG-4形式に同時変換していく)は利用できない。
ソフトウェアMPEGエンコーダー&TVチューナーカード『QSTV10』 | QSTV10の端子部分 |
キャプチャーチップにはオランダのロイヤルフィリップスエレクトロニクス社のSAA7130を採用し、別途ステレオ対応のオーディオコーデックチップをカード上に搭載している。これについて、中田氏は「オーディオコーデック内蔵のSAA7133を採用することも考えたが、さらなる高音質を追求するために外付けに決めた。開発チームには音に対するこだわりの強い者が多いから」と説明した。
入出力端子は、映像がS-VIDEO入力×1、コンポジット入力×1、音声はステレオライン入力×1、ステレオライン出力×1。カードサイズは幅107×奥行き120mm。動作環境は、CPUがPentium II/Celeron以上、Athlon以上(Pentium III-600MHz相当以上のCPU性能)、メモリーは128MB以上、対応OSはWindows 2000/XP(DirectX 8.1以降が必要)。
@MasterDTVは、TV視聴&録画、DV/MPEGキャプチャー、DV編集などを実現する外付けTVチューナー&アナログ/DVキャプチャーユニットとTV視聴/録画、ビデオ編集、DVDオーサリングの各ソフトウェアをまとめたオールインワンパッケージ。パソコンとの接続はIEEE 1394で行ない、ユニットにはDV入出力端子、アナログ入出力端子(S-VIDEO/コンポジット)、TVチューナーなどを内蔵する。パソコンにはTV番組やアナログ/DV端子から入力した映像をDVエンコードした映像で記録できるほか、ソフトウェアMPEGエンコードによりMPEG-2またはMPEG-1形式の変換も可能。
同梱のソフトウェアは、TV視聴/録画/再生やフレーム単位でのカット編集を行なう『JetVision2』、ビデオフォーマットの変換を行なう『ProCoder LE』、MPEG-1/MPEG-2ファイルのカット編集を行なう『MPEGファイルユーティリティ』、ビデオ編集ソフト『Ulead Video Studio 7 SE』、DVDオーサリングソフト『Ulead DVD Movie Writer 2 SE』、など。
動作環境は、CPUがPentium III-800MHz以上(Pentium 4を推奨)、メモリーは256MB以上、HDDは空き容量100MB以上、対応OSはWindows 2000(SP3以降)/XP SP1。