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NVIDIA、“GeForce FX”の最上位モデルを発表――新たに“UltraShadowテクノロジー”を採用

2003年05月13日 22時49分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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米エヌビディア(NVIDIA)社は13日、都内で記者説明会を開催し、グラフィックスアクセラレーターチップ“GeForce FXシリーズ”の最上位モデル『GeForce FX 5900』『同 5900 Ultra』を発表した。なお、この説明会には米ロサンゼルスで13日(現地時間)から開催されているエンタテインメント関連製品の総合展示会“Electronic Entertainment Expo 2003(E3 2003)”に先駆けて行なわれたもの。PCセールス部門シニアマネージャの東 正次氏は出席したものの、米国での発表を控えているため、デスクトップ向けGPU担当シニアプロダクトマネージャのスティーブン・シムズ(Steven Sims)氏はウェブチャットによる音声のみの参加となった。

東 正次氏 『GeForce FX 5900 Ultra』
PCセールス部門シニアマネージャの東 正次氏『GeForce FX 5900 Ultra』のサンプルカード

GeForce FX 5900/5900 Ultraは、GeForce FX 5800の上位機種にあたり、GeForce FXシリーズの最上位モデルとなる。浮動小数点演算ユニットを従来の2倍に増やし、3DCGアニメーションをよりリアルに表現できるようになったという。特に、3DCGを構成する最小単位(ポリゴン)の奥行きを示すZバッファーと、光源や影、反射光が影響する位置関係を計算して、一定の奥行きの範囲内のみを従来より高精度に計算して影を表現する“UltraShadow テクノロジー”は、現在同社が特許出願中の技術で、サンプル画面においては天井から垂れ下がるケーブルのたわみが、凹凸のある人間の表面にリアルに再現されていた。

UltraShadow テクノロジー1 UltraShadow テクノロジー2 UltraShadow テクノロジー3
“UltraShadow テクノロジー”のデモ。なおこの画面はレンダリング済みの静止画を用いた説明中央の大きな電球と、天井や床面の反射光UltraShadow テクノロジーの概念図。影響する奥行きの範囲を最初に求めておき、その中で精度の高い影を描画するというもの

そのほか、会場での発表をまとめると次のとおり。

  • 製造プロセスは0.13μm、5900 Ultraの動作クロックはコア450MHz/メモリー425MHz(850MHz相当)、ただしこのスペックは暫定版で、製品出荷時には異なる場合がある
  • 第2世代のテクスチャー圧縮&キャッシュシステムを搭載
  • ビデオメモリーはDDR/DDR IIに対応。ただし、6月登場予定の最初の製品はDDRメモリーが搭載される(DDR II搭載ビデオカードの登場時期は未定)。予想店頭価格はGeForce FX 5900 Ultra(ビデオメモリー256MB)搭載カードが499ドル(約6万2000円)程度
  • DirectX 9.0/OpenGLに対応し、ピクセル(画像表示を行なう最小単位)ごとに印影を調整できる“Programable Pixel Shader”を制御するプログラム言語として、CgとHLSL(High-Level Shader Language)をサポート
  • 5800と同様、2スロット(AGPと隣接する1スロット)分の空間が必要な大型空冷ファンを搭載するが、排熱効率の向上により外部からの吸気スロットが省略され、パソコン内部の空気の循環で冷却可能になった
  • 5800と同様、2スロット(AGPと隣接する1スロット)分の空間が必要な大型空冷ファンを搭載するが、排熱効率の向上により外部からの吸気スロットが省略され、パソコン内部の空気の循環で冷却可能になった

RADEON 9800 PROとの比較
RADEON 9800 PROとの比較(GeForce FX 5900 Ultraのスペックは暫定版)

なお、製品説明の後に行なわれたQ&Aセッションで、製品ラインナップについて質問されると、「5900/5900 Ultraのほか、もう1つ動作クロックの異なる(言い回しから低クロック版と予想される)製品が予定されている。現在最上位の5800シリーズは、5900シリーズ登場後に徐々に置き換わっていくだろう」(シムズ氏)と答えた。

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