アットネットホーム(株)は8日、報道関係者向けに同社のネットワーク検証施設“テストセンター”を公開した。
同社は全国各地にあるCATV局のインフラを利用し、インターネットへの接続サービスやコンテンツ配信サービスなどを提供しており、CATVインターネットサービス市場では最大手の企業。2003年3月の時点で、提携している全国のCATV局は110局。また、4月からはIP電話サービスの接続実験を開始するなど、新しいサービスへの取り組みも行なっている。
テストセンターは、コンテンツ配信システムやCATV用ネットワーク機器の検証などを目的として、4月21日より運用開始されている。映像コンテンツ制作から、配信、受信、再生までを検証する同センターを紹介する。
受信設備を展示する“コミュニケーションスペース”
同社本社ビル1階には、CATV加入者側の環境を検証する施設“コミュニケーションスペース”が設けられている。市販のセットトップボックスを利用し、インターネット経由での映像配信“Video over IP”設備の検証やデモを行なう。
コミュニケーションスペース全景。中央には2つのディスプレーがあり、コーデックの違う映像を比べるといったこともできる | コミュニケーションスペースに設置されているセットトップボックス群。各メーカーが現在販売しているものだけでなく、試作機なども設置されている |
ネットワーク設備をひととおり設置した“テストセンター”
コミュニケーションスペースで評価するための映像コンテンツは、同社ビル3Fにあるテストセンターから配信される。テストセンターには、コンテンツ配信サーバーから光ファイバーネットワーク、光変換器、ターミナルアダプター、CATVモデムなど、コンテンツ配信から受信までの機器がひととおり用意されている。ここではおもにコンテンツ配信サーバーやルーターといった機器の検証や、サービス品質のテストなどを行なうという。
コンテンツ制作スタジオ
テストセンターと同じフロアには、映像、音声コンテンツを制作するためのスタジオが用意されている。スタジオでは、テストセンターで使用するコンテンツの制作を行なっているほか、DRM(デジタル著作権管理)技術などについても独自に研究しているという。
映像編集を行なう“デジタルスタジオ”。収録した映像の編集、エンコード、DRMのためのメタデータ書き込みなど、コンテンツ制作の作業を行なう。 | 録音を行なう“レコーディングスタジオ”。ここでは収録した音声を、米Digidesign社のソフトウェア『ProTools』で編集する。映像と合成する作業は映像編集スタジオで行なう |
テストセンターを設置したことで、フィールドテストを行なう前に社内で自由な検証が可能になったという。なお、現在のところ同社テストセンターはすべて社内で機材を用意しており、機材持ち込みによる検証などは行なっていないそうだ。今後さらに機材を追加し、より実際のネットワーク環境に近いテスト施設に強化するとしている。