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【特別企画】企業のブロードバンド化の切り札「Powered Ethernet」の実力

2003年02月24日 18時24分更新

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広域EthernetとIP-VPN
どう使い分ける?

広域Ethernetが登場する前、フレームリレーの置き換えとしてもてはやされたのが、IP-VPNサービスである。IP-VPNは広域Ethernetと異なり、IPでの通信に特化しているのが特徴となっている。

パワードコムでも先進のMPLS(Multi Protocol Label Switching)の技術を使うことで高いセキュリティを確保した「Powered-IP MPLSサービス」を展開している。しかし、広域EthernetとIP-VPNをどう使い分ければよいのだろう。確かに汎用機のSNAやノベルのIPX/SPXなどIP以外のプロトコルを流すためには、広域Ethernetが最適だ。ただ、IPでの通信を用途とするのであれば、広域Ethernetと差がなくなってきているのが現状だ。

この現状をもちろんパワードコム側も認識している。「昨年の秋くらいから、広域EthernetとIP-VPNの差がなくなってきたと感じています。広域Ethernetが低速なアクセス回線をサポートするようになり、一方のIP-VPNはEthernetなどの回線もアクセス可能になったほか、OSPFやRIPなどの企業向けルーティングプロトコルをサポートする傾向にあります」(河島氏)という見解である。

確かに、IP-VPNでは高機能なIPルータで経路制御が行なえるため、レイヤ2では難しい優先制御の機能を持っている。しかし、広域Ethernetサービスの技術が進化している昨今、この特徴もIP-VPNならではといえなくなる日が近いだろう。企業のブロードバンド化の本命は、広域Ethernetにあると読んでいるようだ。

Powered Ethernetの接続形態。3階層のトポロジで構成されており、利用する網を限定することで料金を抑えることができる

TTNetとの合併で
なにが変わるのか

すでに報じられているとおり、今年の4月にパワードコムはTTNet(東京電力ネットワークス)と合併し、新しいパワードコムがスタートする。これからはもともと持っていた法人顧客のほか、「東京電話」のような電話サービスや個人向けのインターネット接続サービスなどのユーザーもパワードコムが一手に抱えることになる。そして、合併後最初のサービスとして、法人向けのIP電話サービスの開始も検討しているという。

また、設備等の共用によるコスト削減効果も大きくなるとのことから、今後はより低廉で品質のよいサービスの展開が期待できるだろう。

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