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デルとEMC、共同ブランドの企業システム向けストレージ製品を発表

2002年09月06日 23時38分更新

文● 編集部 佐々木千之

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デルコンピュータ(株)とイーエムシー ジャパン(株)は6日、都内で記者発表会を開催し、共同ブランドによるエンタープライズ市場向けストレージ製品『CX600』を発表した。EMCジャパンは『CLARiX CX600』、デルは『Dell | EMC CX600』という製品名でそれぞれ販売する。(※1)両製品の違いは前面パネルのみ。

※1 米デルコンピュータ社と米EMC社は、2001年10月にストレージビジネスに関する10年間の提携を締結したと発表しており、デルはEMCのCLARiXシリーズを“Dell | EMC”ブランドで販売している。今回のCX600の販売もこの提携に基づくもの。

“新しい次元の性能を提供する”CX600

CX600はファイバーチャネルストレージアレイ製品。ストレージプロセッサーごとにXeon-2GHzを4基、キャッシュメモリーは最大8GB搭載し、従来製品である『FC4700-2』と比較して、3倍の処理能力となる15万IOPS(※2)、データ転送帯域幅は3.5倍の毎秒1.3GBを持ち、同クラスの他社製品と比較しても「新次元の性能」(EMCジャパンマーケティング本部雨堤氏)としている。

※2 IOPS(I/O Per Second)、1秒間あたりのデータ転送量。

『Dell | EMC CX600』
『Dell | EMC CX600』
CX600の内部システム構成
CX600の内部システム構成

ディスク容量は最大240基/17.5TBまで拡張可能で、最大128台のサーバーに接続できる。設定可能なRAIDレベルは0、1、1/0、3、5、対応ホストOSはWindows NT/2000、Solaris、NetWare、Linux、AIX、HP-UX、Tru64 UNIX、IRIXとなっている。また1つのラックあたりの搭載可能ドライブ数もFC4700-2の100から165に増加し、設置効率が向上したとている。

CX600とFC4700、FC4500との使用比較表
CX600とFC4700、FC4500との使用比較表
CX600とFC4700、および他社製品との最大帯域幅の比較
CX600とFC4700、および他社製品との最大帯域幅の比較

CX600はEMCおよびデルからそれぞれ本日発売される。価格はEMCは明確にしていないがFC4700-2の1.5倍程度という。デルは3年間の保守サービス込みで約1400万円からとしている。

MirrorViewの概要
MirrorViewの概要

また、CX600向けソフトウェアでは、ストレージシステム管理ソフト『Control Center Navisphere』、地理的に離れた場所にあるストレージの複製を行なう『MirrorView(IP接続対応版)』、無停止バックアップソフト『SnapView』、マルチホスト環境向け共有ソフトウェア『AccessLogix』などの提供を本日開始したという。

発表会でデルの営業技術支援本部本部長の長谷川恵氏はデルとしての販売戦略について説明した。それによると、CX600は通常の基幹業務向けのハイエンド製品と位置づけ、デルが培ってきたビジネスとそのノウハウをベースとして顧客企業の戦略的IT化を助ける“デル・テクノロジー・コンサルティング”ビジネスを通して販売していくという。企業の基幹業務向けとしてミッションクリティカルなシステム運用をサポートするため、常駐エンジニア、オンサイト保守、顧客向けトレーニングなどまで含めた“エンタープライズ・サポート・パッケージ”も用意したとしている。

CX600がセットされたラックをバックに握手する、EMCジャパン代表取締役社長スティーブン・フィッツ氏とデルコンピュータ代表取締役社長の浜田宏氏
CX600がセットされたラックをバックに握手する、EMCジャパン代表取締役社長スティーブン・フィッツ(Steven Fitz)氏とデルコンピュータ代表取締役社長の浜田宏氏

デルコンピュータ代表取締役社長の浜田宏氏は「デルとEMCは、世界的な規模でパートナーシップを組んでストレージビジネスをやっていく。顧客はデルとEMCの両ブランドが付いていることで、一種のバーチャルカンパニーとしての対応を期待しているが、そうした期待に応えられるよう、トップから現場の営業に至るまで、顧客向けのチームが作れるような体制で行なっている」と述べ、単に製品を2社で売るだけではない、緊密なパートナーシップだと強調した。

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