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『フリーソフトウェアイニシアティブジャパン』本格始動!

2002年07月10日 23時38分更新

文● 編集部

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フリーソフトウェアの開発、利用促進などを目指す特定非営利活動法人フリーソフトウェアイニシアティブジャパン(以下、FSIJ)が、7月10日付けで正式に会員募集を開始し、活動を開始することを発表した。

FSIJは、ソフトウェアを開発する個人の創造性発揮を支援することで、経済や文化の発展に寄与することを目的として設立されている。そのために、ソフトウェア開発者、利用者の支援や、「フリーソフトウェア」概念の普及、国際的な情報発信といった活動を行なうとしている。

記者発表会

記者発表会では、まずFSIJ代表理事の井田昌之氏が挨拶した。

FSIJ代表理事 井田昌之氏
FSIJ代表理事 井田昌之氏

井田氏は、FSIJをNPO法人として設立したことについて、継続的な活動を行なうために大きな意味を持つと語った。また、FSIJの活動は観念的なフリーソフトウェアを扱うのではなく、フリーソフトウェアを具体的な経済活動の中に位置づけるためのものであるとした。

次に、経済産業省 経済産業政策局 産業構造課 課長補佐の吉本豊氏が挨拶し、FSIJを「21世紀の産業構造を考える上で1つの重要な動き」であると述べた。

経済産業省 経済産業政策局 産業構造課 課長補佐 吉本豊氏
経済産業省 経済産業政策局 産業構造課 課長補佐 吉本豊氏

吉本氏は、あくまで個人の意見としながらも、これまで大企業に囲われていたエンジニアは、これからの産業構造転換の中で、独立した技を持つ個人として活動することが重要であると語った。その上で、フリーソフトウェアのエンジニアが技を磨くためのコミュニティであるFSIJについて、時宜を得たものであると評価した。

独立行政法人 産業技術総合研究所 情報処理研究部門 研究部部長である大蒔和仁氏は、フリーソフトウェアが情報産業に果たした役割は大きいとしながらも、日本では開発に参加すると言うよりダウンロードして利用することが多く、ソフトウェアの開発力が付かないことを指摘した。

独立行政法人 産業技術総合研究所 情報処理研究部門 研究部部長 大蒔和仁氏
独立行政法人 産業技術総合研究所 情報処理研究部門 研究部部長 大蒔和仁氏

大蒔氏は、ソフトウェア開発力をつけるために必要なのは、「市民的な力」と「産業界の開発力」のほかに、政府の役割が重要であると述べた。特に、Linuxシステムをクライアント的に用いるフィジビリティースタディーを政府が行なうといった、思い切った政策が必要だと語った。

FSFのビジネスマネージャであるLisa M. Goldstein氏は、FSFを代表してFSIJ設立を歓迎するスピーチを行なった。

米Free Software Foundation ビジネスマネージャ Lisa M. Goldstein氏
米Free Software Foundation ビジネスマネージャ Lisa M. Goldstein氏

同氏のスピーチでは、FSIJはフリーソフトウェアという考えを広める役割を担っているとし、セミナーなどを行なうことで収益を確保すると同時に事業拡大が図れるとした。また、現在の役員組織がソフトウェア開発やフリーソフトウェアに関する活動の実績を豊富に持っており、FSIJの活動は成功するだろうと語った。

引き続き、FSIJ理事長の井田氏と副理事長の一人である鈴木裕信氏が、FSIJの設立趣旨や活動内容について説明した。

FSIJ理事長の井田氏と副理事長の一人である鈴木裕信氏
FSIJ理事長の井田氏と、副理事長の一人である鈴木裕信氏

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