初のAGP 8x対応GPUとなる“Xabre 400”を搭載するビデオカードがアキバに姿を現した。OVERTOPとTWOTOP 秋葉原本店がTriplex製カード「Triplex Millenium Silver Xabre Pro」の動作展示デモを開始している。TWOTOP 秋葉原本店では予価1万7980円として予約も受付中だ。
デモ機では、たしかにXabre 400を認識。SiSではAGP 8xとDirectX8.x両対応のコンセプトを“8X8”と呼んでいる |
“Xabre”(セイバー)はSiS(Silicon Integrated Systems)の最新GPU。未だサポートするチップセットの登場していないAGP 8xをいち早くサポートするのが最大の特徴だ。AGP 4xの1GB/秒というメモリ帯域はボトルネックとなっているとするSiSの資料によると、2.1GB/秒の帯域を持つAGP 8xは、同社が「Balance PC」と呼ぶ、内部データ転送バランスの取れたシステムを実現できるという。
また、SiS製ビデオチップとしてはじめてDirectX8.xをハードウェアでサポートしたのも特徴だ。コアエンジンは4パイプラインに2テクスチャユニットという構成となっており、同社が“Pixelizer”と呼ぶ、バージョン1.3相当のPixel Shaderエンジンを搭載することでDirectX8.1対応を果たしたという。DirectX8.1対応の3Dベンチマークソフト「3DMark2001 SE」において、GeForce4 MXシリーズはいくつかのテストがハードウェア非対応としてスキップされるが、Xabreではショップ店頭のデモにおいてテストが問題なく動作している。一方でT&Lユニットはプログラマブルでなく、つまりプログラマブルVertex Shaderを搭載していないのはユニークなところだが、これはおそらく、Pixel Shaderとは異なり、DirectX8.x世代のバーテックス(頂点)処理はCPU側で十分行えるからだろう。CPUにできることはCPUに任せ、チップ製造コストの削減につなげたのだと思われる。
コアクロックは250MHz、メモリクロックも250MHz(DDR 500MHz)。なおメモリ圧縮技術についてSiSはいっさい言及しておらず、GeForce4シリーズの“LMA II”のようなメモリ帯域幅を稼ぐテクノロジが導入されているかどうかはわからない。インターフェイスはD-Sub15ピン、DVI-Iとビデオ出力で、従来製品“SiS315”同様、DVI-I出力とビデオ出力はコンパニオンチップである“SiS301”によってサポートしている。
「Triplex Millenium Silver Xabre Pro」 |
さて、サンプル動作デモが開始されたTriplex Millenium Silver Xabre Proを見てみると、銀色PCBで知られるTriplex製品らしく、今回も全面的に銀色。その理屈については以前紹介したとおりだが、今回もこの銀色PCBによって一般的な製品に比べて電磁ノイズを47%カットし、冷却効率を15%上昇させているという。メモリチップは最高303MHz駆動をサポートする3.3ns品だ。デモされているのは容量64MBモデルだが、実際に店頭へ並ぶのはVRAM 128MB搭載モデルだという。
銀色のPCBに取り付けられた3.3ns品のメモリチップとインターフェイス。パッケージは3角柱で、麒麟があしらわれている |
OVERTOPによるとドライバ周りにまだ不具合が残っているようで、ひょっとすると発売がズレ込む恐れはあるとのことだが、一方でASKセレクト扱いのXabreシリーズも今週末に入荷予定となっており、どちらかがアキバ第1弾となりそう。GeForce4 MX460と処理速度が同等以上で、AGP 8xとDirectX8.1に対応する分明らかに上位だとされるSiSの新型GPU搭載製品は、もうまもなく販売開始予定だ。