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米マイクロソフトの最高セキュリティー責任者が来日、“信頼できるコンピューティング”について説明

2002年05月30日 23時41分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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マイクロソフト(株)は30日、米マイクロソフト社チーフセキュリティーストラテジスト(最高セキュリティー責任者)であるScott Carney(スコット・チャーニー)氏の来日に伴いプレスラウンドテーブルを開催、同社が推進するセキュリティー戦略“信頼できるコンピューティング(Trustworthy Computing)”について説明した。

チャーニー氏と東氏
米マイクロソフト社最高セキュリティ責任者のScott Carney(スコット・チャーニー)氏(左)と、マイクロソフト(株)取締役経営戦略担当の東貴彦氏(右)。Carney氏は米国司法省の連邦検察官を務めていたハイテク犯罪の専門家。その後プライスウォーターハウスクーパースの代表者の1人として活躍、本年4月1日付けで米マイクロソフトに入社した

“信頼できるコンピューティング”の目標は、コンピューティングの安全性と信頼性を、電気や電話のシステムと同等のレベルまで高めること。同氏は、「例えば家電製品をコンセントに差すとき、無事に電気がくるかどうか心配したりしないし、電気ショックを受けるのではないかなどと誰も思わない。しかしコンピューティングはそのレベルまで達していない。コンピューター環境を電気のように安全で信頼に足るものにしたい」

「コンピューターは日常生活に不可欠なものとなっている。信頼できるコンピューティングを実現しなければ、コンピューターをフルに活用できない。しかし現存するコンピューターの多くは管理されていない。現在、社会全体がコンピューターに依存している。インターネットベースのテクノロジーが家電に導入され、相互依存性や接続性が高くなる中で、セキュリティーや安全性をさらに高めなければならない」

「マイクロソフトの現在の取り組みとして、製品の機能よりセキュリティーを優先している。WindowsやVisual Studio.NET、Officeなどの製品においてはセキュリティー関連コードのレビューを行なった。製品の出荷を遅らせたのはセキュリティーレビューのためだ。マイクロソフトにおいて信頼できるコンピューティングは最優先課題となっている」

「信頼できるコンピューティングにおいて、設計段階や初期設定、導入段階におけるセキュリティー確保が重要。また、コンピューティング環境の脆弱性を改善するためには、ソフトウェアメーカー、ハードウェアメーカー、ISPなどコンピューター業界全体の協調が必要だ。段階を踏みながら長期にわたって取り組まなければならない」と語った。

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