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CA、データモデリングソフト『AllFusion ERwin Data Modeler』を発表

2002年05月30日 23時51分更新

文● 編集部 田口敏之

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コンピュータ・アソシエイツ(株)(CA Japan)は30日、データモデリングソフト『AllFusion ERwin Data Modeler(オールフュージョン・アーウィン・データ・モデラー)4.0日本語版』を発表した。同日付けで販売を開始し、6月3日に出荷を開始する。価格は、1ライセンスあたり90万円。

AllFusion ERwin Data Modelerは、リレーショナルデータベースを作成するために、データ構造を設計し、データ同士の関連づけを行なうデータモデリングツール。統合CASEツール(※1)と比べて、データモデリング機能に特化しており、直感的なモデルの作成が可能という。DB2、Oracle、SQL Server、HiRDVなどのRDB、または非RDBサーバーに対応している。また、同社が2001年12月にリリースしたビジネスプロセスモデリングツール『AllFusion Process Modeler 4.0日本語版』との連携が可能で、ビジネスプロセスとデータモデルの間で相互に情報を反映させられる。

※1 CASEツール :CASEはComputer Aided Software Engineeringの略で、CASEツールとは、アプリケーションやソフトウェアの開発などを支援するソフトウェアのこと。設計やプログラミング、テストや保守などといった下流行程をサポートする“下流行程CASEツール”と、要件の定義や外部設計などの上流行程をサポートする“上流行程CASEツール”の2通りがあり、両方の機能を持っているものを“統合CASEツール”という。

CA Japanプロダクトマーケティングのビジネスマネージャーである末吉聡子氏
CA Japanプロダクトマーケティングのビジネスマネージャーである末吉聡子氏

同製品の位置づけについて、CA Japanプロダクトマーケティングのビジネスマネージャーである末吉聡子氏は「アプリケーションの開発工程すべてをサポートする情報管理系の製品群の中でも、データを設計し、実際のデータベースへ実装するためのツール」と述べた。

画面左側のツリービュー表示が“モデルエクスプローラー”
画面左側が“モデルエクスプローラー”。定義可能なオブジェクトをツリービューで閲覧できる

AllFusion ERwin Data Modeler 4.0では、新機能として、定義可能なオブジェクトをツリービューで表示して参照でき、モデルの作成や修正が可能な機能“モデルエクスプローラー”を備えた。また、データモデルの論理モデルと物理モデルを、完全に独立したデータモデルとして定義できるようになった。独立した両モデル間で比較と同期を行なうことができ、論理モデルから物理モデルを、あるいは物理モデルから論理モデルを導出できる。

物理モデルと理論モデルの同期
物理モデルと理論モデルの同期を、完全に独立したデータモデルとして定義でき、両モデル間での同期が可能

このほか新機能として、組織全体で使用するモデルの名前付けを行なえる機能“名前付け基準エディタ”を備えた。同機能は、名前付け基準の定義や、用語集の作成、モデリング中のオブジェクト名が正しいかどうかのチェックを行なえる。レポート作成ツール“レポート・テンプレート・ビルダ”は、CSV、HTML、RTF形式でレポートの出力を行なえる。そして、モデルを視覚的に作成するために、フォントや色の指定が可能になった。データの整列やグループ化を行なうためのツールや、描画オブジェクトとして円、四角、線などを追加している。さらに、XMLを利用して他のアプリケーションとデータの交換を行なえるようになった。

レポート機能
CSV、HTML、RTF形式でレポートの出力を行なえる

末吉氏は「今回のバージョンアップは、主に設計における生産性向上のためのもの。当製品を利用した場合としない場合とでは、約10倍ほど生産性に差が出てくる」としている。

10倍
末吉氏「約10倍に生産性を向上できる」

必要動作環境は、64MB以上のメモリーと、85MB以上のHDDの空き容量。OSは、Windows 98/Me/NT 4.0/2000に対応しており、現在Windows XPによる動作検証を行なっているという。

J-SYS SOFT常務取締役の岩田アキラ氏
J-SYS SOFT常務取締役の岩田アキラ氏「この製品で、モデリング市場全体を牽引していきたい」

販売は、日揮情報システム(株)(J-SYS)などのパートナー経由で行なう。CA JapanとJ-SYS、および日揮情報ソフトウェア(株)(J-SYS SOFT)は、今回の発表に合わせて、協業体制を強化するという。J-SYS SOFT常務取締役の岩田アキラ氏は「AllFusion ERwin Data Modelerは、モデリング市場において非常に支持者が多い。今回のバージョンアップでは、現場のいろいろなニーズ、特にエンタープライズ企業レベルでデータを管理するための機能を吸収して、こうあるべきという形に結実している。我々は、CA Japanの第1次代理店として、販売およびサポートを請け負う。この製品で、モデリング市場全体を牽引していきたいと考えている」と語った。

また営業戦略について、CA Japanパートナー事業部eビジネス営業部部長の田村謙二氏は「当製品は、国内において約1000社、約8000ライセンスという導入実績を持っている。販売とサポートは、J-SYSなどの長い経験と深い知識を持っているパートナーを介して行なう。我々は、技術的なサポートやパートナーの育成、およびイベント活動などを通して、パートナーを間接的に支援する」と述べ、「ターゲットとして、エンタープライズ系の既存顧客を見込んでいる。新規顧客の開拓を行なう。大学や専門学校といった、教育市場にも投入していきたい。また、AllFusion Process Modeler 4.0との連携やセット販売によって、モデリング市場の活性化を図りたい」とした。

同社では、初年度に5億円から10億円の売り上げを見込んでいる。

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