ペンタックス DIGIBINO DB100
ペンタックス DIGIBINO DB100
2002年06月15日 00時00分更新
文● アスキーPC Explorer編集部・行正 和義
「DIGIBINO(デジビノ) DB100」は、有効80万画素のデジタルカメラ機能を内蔵した双眼鏡で、バードウォッチングやスポーツ観戦、観劇などで見ている風景をそのまま記録できるという製品だ。
高倍率のマニュアルフォーカスカメラ
DIGIBINO DB100は、双眼鏡にデジタルカメラを組み込んだ製品だ。双眼鏡部は倍率7倍&有効径17×14mmの対物レンズで、デジタルカメラの焦点距離はf=37mm(35mmフィルム換算280mm)固定という仕様だ(写真1)。
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写真1 本体前面。2つの対物レンズの間にあるのがデジタルカメラ用のレンズ。中央部のフタを下に押し下げれば撮影可能となるが、ピント合わせのためには液晶部を立てる必要がある。 |
本体デザインはスリムなオペラグラスのようなデザインだが、本体上部に液晶モニタを装備するため(液晶モニタを閉じた状態でも)もっこりとした感じになり、ポケットなどに入れるには少々分厚い(最厚部44mm)。本体は左右に最大約16mm広げることができ、使用者の眼幅(57~72mm)に合わせられる。双眼鏡部はダハプリズム(
※1)方式を採用し、ピントリングの中にCCDを収めることで小型化を実現している。なお、底面の中央部には三脚孔が用意されている。
※1 ダハプリズム 正方形に屋根を加えたホームベース状の五角形の断面を持つプリズム。対物レンズと接眼レンズが直線上にある望遠鏡/双眼鏡でも、光路上にダハプリズムと補助プリズムを組み合わせて配置することで正立像を見ることができるため、コンパクトな双眼鏡に用いられている。
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写真2 上面と背面。接眼レンズを収納すれば背面はほぼ平らになる。 |
本体上面の液晶部を開くとピントリングが現れ、回転させると接眼レンズが手前に伸びる(
写真2)。使用する際にはまず接眼部の視度調整ツマミを使い、ユーザーの視力に合わせてピントを調整しておく必要がある(左右独立)。デジタルカメラとして利用する場合は、前面中央のレバーを押し下げれば対物レンズの間にある撮影レンズのカバーが開き、同時に撮影モードでカメラの電源が入る。あとは上面右側にあるシャッターボタンを押せば双眼鏡で見ている視野が撮影される。デジタルカメラのピントは双眼鏡と連動しているマニュアルフォーカス方式なので、双眼鏡でのぞいてピントがしっかり合っていれば、撮影した画像もピントが合っていることになる。このため、最初にしっかりと視度調整を行っておかないと、ピントがずれた画像しか撮れないということになるので注意したい。
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写真3 側面には単3電池×2本のバッテリスロットがある。リチウムバッテリパック(一次電池)の「CR-V3」の利用も可能だ。 |
本体上面にあるDISPLAYボタンを押せば液晶モニタに撮影画像が表示されるので、モニタを見ながらフレーミングできる。レンズカバーを閉めたままDISPLAYボタンを押せば画像再生モードで電源ONとなる。
撮影時にユーザーが設定できるのは記録モード(1024×768ドットの高画質/低画質、および640×480ドット)と、デジタルズーム(1.6倍)のON/OFF、連写(5枚/秒、最大10枚)の3項目だけだ。
シャッター速度は1/30~1/8000秒で、ISO感度はISO100~1600の間で自動的に設定される。スポーツシーンの撮影を考慮してかシャッター速度は速めに、ISO感度は高めになる傾向にあるようだ。ただし、デジタルカメラはISO感度が上がるとノイズが載りやすく、手ぶれを防ぐために三脚に固定することも可能なことを考えれば、ISO感度のマニュアル設定が欲しかった。また、露出も完全に自動のみなのだが、マニュアル露出とは言わないまでも若干明るめ/暗めに露出を振る機能はあってもよかっただろう。