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【秋葉原迷宮探検レポート】変わりゆく秋葉原ラジオ会館と変わらない東京ラジオデパート

2002年05月02日 21時01分更新

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■管球ラジオって現役なの?!

東京ラジオデパート共同ビル
新徳ビル、森ビルとの合同で建築された東京ラジオデパート共同ビル

 ラジオデパート、ラジオ会館のほか、ラジオの名を冠する専門店の集合体に「東京ラジオデパート」(通称、東ラジ)がある。こちらはアニメや模型といった秋葉原の新興勢力に侵食されることなく、現在も特殊で怪しげなパーツを販売する店舗が密集している。  東京ラジオデパートも50年以上の歴史を持つが、現在の建物は1973年に完成したもので地下1階~地上6階(売場地下1階~地上3階)建ての比較的近代的なビルである。東京ラジオデパートホームページによると、エレベーターとエスカレーターを設置するかどうかで議論が戦わされたというので、当時としてはかなり豪華装備の店舗だったようだ。1960年代には小・中学生の電気・ラジオマニア(少年技師と呼ばれたらしい)が大挙して訪れ、ラジオパーツの供給源となった。そんな流れからラジオの名を冠するのは当然の成行きだったのろう。さすがに現在はラジオパーツを専門の販売する店舗はほとんどないが、中古電気部品からCPUまで各種の非常に個性的なパーツを扱う専門店が50店舗以上も軒を連ねている。しかし、ここまでラジオというキーワードが根深く浸透しているのならば、是非ともラジオ専門店を捜してみたい。そんなわけで東京ラジオデパートを探索すると、ラジオとオーディオ専門店「桜屋映音商會」に遭遇した。



東京ラジオデパート2階の通路東京ラジオデパート2階の通路。パーツ素材専門店街だけに品揃えも玄人志向。この奥、左側に桜屋映音商會がある
年代物のラジオの山一見したところ電気製品には見えない年代物のラジオの山。木製ということは筐体から手作りなのだろうか?

 山積みされたレトロラジオは復刻版などではなく、何十年も昔のホンモノの骨董品である。もちろんこれはトランジスターラジオではない。真空管を使用したスーパーヘテロダイン方式(通称、5球スーパーというらしい)の超旧式ラジオだ。お店の人に聞いてみると戦前のものであるらしいが、驚くべきことに全て完全動作品とのことだった。ここまで古いラジオは骨董品的価値のつく品で、どれも売値は2~3万円以上の値段になるという。やはり稀少価値が値段のポイントで、珍しいものほど高価になるらしい。現在のラジオ放送も受信できるというので、筆者はうっかり「FMはモノラルですか?」などとお馬鹿な質問をしてしまったが、これらは当然、FM放送が開始される遥か以前の製品(もしかするとキット)である。周波数変調のFM放送など受信できるずはない。

 これらの真空管ラジオは、音源ソースがAM放送であるだけに「音が良い」というわけでもない。実用性は非常に低い製品だ。しかし、だからこそ骨董品的価値があるわけで、お客さんも「懐かしい」と買って行く人がほとんどだそうだ。この店では、ラジオ本体というよりも旧式ラジオや旧式オーディオの構成部品が主力商品。真空管はある程度使うと切れるし、補修部品も必要ということらしい。また、これらのパーツは現在国内ではほとんど生産されていないので、仕入れは海外で買い付けたり、国内での買取がほとんどとのこと(不景気が逆に仕入れには都合が良いらしい)。真空管が入っているモノなら店頭で買取も行っているという。現代では100円ショップでもラジオが買える時代だ。定期的なメンテナンスが必要で、高価で巨大で非効率的なレトロラジオを所有するのも現代の贅沢な趣味の一つなのだろう。

ラジオやオーディオ用の真空管ソケット 補修用(?)の真空管やコンデンサ メインアンプ用だろうか?
ラジオやオーディオ用の真空管ソケット、コンデンサ、コネクタ類。正直なところ書いている筆者もよく判らない部品がズラリ補修用(?)の真空管やコンデンサ。以前見た真空管アンプ用のものとは微妙に毛色の違う電子部品のようだが…。オーディオ用のメーター。見たところ電流計のようだがメインアンプ用だろうか? こちらも年代物のようだ
モールス信号用のキー

桜屋映音商會
東京都千代田区外神田1丁目10番11号 東京ラジオデパート2F

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