パーソナルユーザー向けのビデオ編集ソフト「Ulead VideoStudio」が1年ぶりにバージョンアップ、「Ulead VideoStudio 6 日本語版」として発売された。今回のバージョンでは新しいユーザーインターフェイスの導入をはじめ、さまざまな機能強化が図られている。
新インターフェイスで
さらに使いやすく
「Ulead VideoStudio 6 日本語版」(以下、VS6)で特に注目したい強化ポイントは、「一新されたユーザーインターフェイス」「新しいMPEGエンジン」の2つだ。
図1 プレビューウィンドウの拡大表示。この表示モードはビデオの確認(プレビュー)専用で、字幕スーパーのインサートなどの編集はできない。 |
プレビューウィンドウが大型化されたといっても画面だけではピンとこないかもしれない。具体的には800×600ドット時にプレビューエリアは352×234ドット、1024×768ドットでは581×410ドットとなる。VS5では解像度にかかわらず320×240ドットと固定だったが、VS6では画像解像度に合わせてプレビューウィンドウのサイズが自動的に変わる仕組みになったためだ。従来はエフェクトやタイトルを入れた場合に微妙な位置が確認しづらかったが、VS6ではプレビューウィンドウ内の拡大表示も可能になっている(図1)。
図2 拡張ストーリーボードモードでは、メインウィンドウの大半をストーリーボードとして使用できるようになった。 |
また、VS6では新たに「オーバーレイ」「テキスト」という2つのトラックが導入された。これらはVS5の「タイトル」トラックに代わるもので、オーバーレイはメインのビデオにほかのビデオクリップやイメージクリップを重ね合わせ、テキストは字幕スーパーの表示を実現する。VS5ではタイトルトラックが1つしかなかったため、映像か字幕スーパーのどちらか一方しか適用できなかった(いったん結果をレンダリングし、再度読み込んで字幕を重ねるなど、複雑な手順が必要だった)が、VS6ではそれぞれが独立しているため、見せ方の工夫に幅が広がった。
UIの改良以外でも、細かい部分でVS5からの進化を遂げている。例えば、VS6ではVS5までの加Ligos製MPEG2エンコーダに替えて独自エンコーダを搭載、4GB以上の大容量動画ファイルの書き出しに対応。さらに、IEEE1394ポート経由で接続したDV機器からの映像を、直接MPEG1やMPEG2形式に変換しつつHDDに記録する「MPEGダイレクトキャプチャ」、レンダリングキャッシュを改良し、ほぼ待ち時間なしに編集加工した映像の確認が行える「リアルタイムプレビュー」などの機能強化がなされている。
価格はVS5と同じ1万4800円(アップグレード版は9800円)。最近低価格版が登場した「Adobe Premiere」などと比べると、トランジションエフェクトやテキストにアニメーションを適用する際の変化時間をユーザーが細かくコントロールできないなど、物足りない部分もあるが、DV-MPEG2のリアルタイムエンコードやDVDオーサリングなど、豊富な機能が手ごろな価格で揃うのはうれしい。個人が購入する統合ビデオソフトとしては、Premiere LEと並んで最有力候補のひとつに挙げられる。
Ulead VideoStudio 6 日本語版の主なスペック | |
製品名 | Ulead VideoStudio 6 日本語版 |
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対応OS | Windows 98 SE/Me/2000/XP |
CPU | PentiumIII以上(同-700MHz以上を推奨)、Pentium 4対応 |
メモリ | 128MB以上(256MB以上を推奨) |
HDD | 500MB以上(インストール用)+4GB以上(編集用) |