CMOSセンサはCCDに比べてダイナミックレンジが狭く、白とびや黒つぶれしやすいという特徴があるが、eyeplateでは米SMaL Camera Technologiesの「AutoBrite機能付きCMOSセンサ」を採用することで対応している。AutoBriteとは、CMOS基板上に作り込まれた回路により階調補正を行うもので、ハイコントラストなシーンではさすがに白とびやブルーミングを防ぎきれないものの、逆光になった被写体などで安価なCMOSデジタルカメラでは黒くつぶれがちな部分でも、本機ならば確実に描写している。とはいえ、もともと狭いダイナミックレンジを無理やり引き伸ばしたような表現となるため、仕上がりには好みが分かれる。また、さすがに限界まで小さくしたレンズのため、解像感には少々乏しく、メモやスナップ用途と考えても不満も残りそうだ(撮影サンプル1~3)。
撮影サンプル1。明るい部分(屋根の上など)は白とびしているが、影となった部分(軒下や狛犬に注目)のディテールはつぶれずに描写されている。 |
撮影サンプル2。パンフォーカスレンズなのでシャープさに欠き解像感は低いものの、胸ポケットに入れても型崩れしないほどのコンパクトさは持ち歩きカメラにうってつけだ。 |
撮影サンプル3。ラチチュードの狭いCMOSデジタルカメラに共通する特徴だが、十分な光量があって、なおかつ白とびするほど明るすぎない状況がもっとも適している。 |
アルミ製ボディによってトイデジカメにありがちな安っぽさが少なく、それでいて量販店などでの9800円という実売価格は手頃で入手しやすい。ここまで小さくて薄いと、携帯していてもカメラを持ち歩くというイメージはまったくなく、普段からポケットやカバンに入れておけるのは大きな魅力だ。
eyeplateの主なスペック | |
製品名 | eyeplate |
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撮像素子 | 1/3インチ有効31万画素CMOSセンサ |
レンズ | 単焦点f=6.87mm(35mmフィルムカメラ換算47mm相当)、F3.8、固定焦点 |
記録媒体 | 内蔵8MBメモリ |
記録画素数 | 640×480/320×240ドット |
液晶モニタ | -- |
インターフェイス | USB |
電源 | 内蔵リチウムイオンバッテリ |
本体サイズ | 85.6(W)×6(D)×54(H)mm |
重量 | 約35g |