コダック(株)は4日、写真店向けの総合デジタルサービス“Kodak Easy Store Solutions”を発表した。“Kodak Easy Store Solutions”は、同社が昨年より販売しているデジタルフォトシステム『ピクチャーメーカーGC』(PMGC)、およびオンラインフォトサイト“PhotoClick@Retail”を、店舗内の専用端末やパソコン、携帯電話などと接続することで、店舗のオペレーション業務を効率化する総合デジタルサービスシステム。
コダック代表取締役社長の堀義和氏 |
同社は、“Kodak Easy Store Solutions”における店舗向けのデジタルプリントサービス用ハードウェアとして、店頭セルフ受注端末『Easy Order Station』を6月に、店頭セルフプリント端末『Easy Print Station』を今夏にそれぞれ発売する。
『Easy Order Station』は、店内カウンターに設置できるデスクトップタイプのセルフ受注端末。ユーザーはデジタルカメラなどで撮影した画像データのデジタルプリントを『Easy Order Station』で発注できる。出力サイズや枚数などもユーザーが設定可能。対応メディアはコンパクトフラッシュ、スマートメディア、メモリースティック、SDカード、マルチメディアカード(いずれもPCカードアダプター使用)。6月発売で、価格は未定。
『Easy Print Station』は、Easy Order Stationにプリント機能を追加したスタンドアロン型デジタルカメラプリントサービス機で、神鋼電機(株)がハードウェア部分を、コダックがソフトウェア部分を開発したという。サーマルプリンターを内蔵し、Lサイズ1枚を15秒程度でプリント出力することが可能。今夏発売で、価格は未定。
店頭セルフ受注端末『Easy Order Station』 |
店頭セルフプリント端末『Easy Print Station』 |
また“Kodak Easy Store Solutions”では、PMGCのアップグレードオプションも提供する。用意されるオプションは、自分の店舗で処理できないユーザーからの依頼(大型サイズ出力や画像の特殊加工など)があった場合にその依頼データを他店舗や現像所へ自動的に転送する“Easy Transfer Software”、PhotoClick@Retailからのオンライン受注データを自動的に検出しダウンロードする“Easy Access Software”、画像データをPMGC経由でPhotoClick@Retailのユーザー専用サイトへアップロードする“Easy Upload Software”、ノーリツ鋼機のフルデジタルミニラボ機などでスキャンしたデジタル画像をPMGC経由でCDに書き込めるようにする“Easy Scan Option”など。これらのオプションは6月以降に発売される。
さらに、店頭でのデジタル化サービスメニューとして、PhotoClick@Retailにフィルム画像をアップロードできるサービス“Picture Online”を6月に、アップロードしたフィルム画像を携帯電話で閲覧/プリント注文できるサービス“Picture Mobile”を今夏にそれぞれ開始する。Picture Mobileは、同社と(株)サイバードとの業務提携により実現したもので、ユーザーはフィルム画像の仕上がりを携帯電話で確認したり、プリント発注したりできるようになる。
そのほか、PhotoClick@Retailのサイトにアップしたデジタル画像をアルバムのようにレイアウト表示し、写真店舗で印画紙にプリントアウトするサービス“Easy Album”も今後提供する予定という。
同社は従来より“Infoimaging”(画像と情報のシームレスな融合を表わす造語)戦略を展開、イメージデジタル化事業を進めている。本日都内ホテルで行なわれた発表会で、同社代表取締役社長の堀義和氏は、「情報源としてイメージは重要。情報に画像が加わってこそ物事に対する理解が深まる。今期は特にデジタル化対応に力を入れ、“Easy”“オープンなシステム”をキーワードに低コストで簡単なシステムを提案していく。また、パートナーシップも重要であり、今後も積極的に日本の優良企業と提携していく」と語った。同社は、今期にカラー印刷紙市場で25%のシェアを、2004年末にはカラーフィルム市場で30%のシェアを獲得したいという。
なお、デジタルカメラビジネスについては「デジタルカメラそのものに固執せず、他メーカーにデジタルカメラをたくさん売ってもらい、デジタルプリントサービスをコダックが一手に引き受けるほうがいいと考える。デジタルカメラに関しては積極的にやるつもりはない」(堀社長)としている。