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イーサーロード 日本語版

イーサーロード 日本語版

2002年03月27日 17時19分更新

文● culi

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戦略モードは単純ながら
駆け引きが重要

 デュエルを中心とした戦術モードの戦闘は華やかで、もちろんそれだけをたっぷり味わい尽くすこともできるが、そんな戦闘により深みを持たせるための少々地道な準備作業が戦略モード、ということになる。

図8 スペルを購入できる「研究所」。デッキ構築とは違い、購入できるスペルのレベルが限定されている施設が多い。スペル実行に必要なルーンは、別の施設「門」で購入する。

 戦略モードの1ターンはゲーム上の1日にあたる。ターンごとに、支配下に置いている城や施設などからエーテルや各種の資源を受け取る。このうち、エーテルは自分のヒーローを維持するために毎ターン一定量が消費される。また、エーテルを含む資源を使って、新しいスペルやルーンを購入することも可能(図8)だが、エーテルの価値はそれだけじゃない。



図9 広域スペル。エーテル攻撃/防御のほか、バリア(一定範囲を通過する敵を迎撃できる)を張る呪文も使える。ヒーロー招集には、そのレベルに応じて数ターンかかる。
 もうひとつ大きなエーテルの使い道が、「広域スペル」だ。広域スペルは自分の城でのみ実行でき、新しいヒーローを招集したり、「エーテル戦闘」(敵の城への遠隔攻撃や、敵の遠隔攻撃から自分の城の防衛)が行える(図9)。エーテル戦闘そのものは、プレイヤーが指定したヒーロー1人を代理として、通常の戦闘と同様に処理されるが、エーテル戦闘では勝利しても敗北してもそのヒーロー自身には影響が及ばない。その代わり、攻撃側が勝利すると敗者(防御側)の城が損害を受ける。ミッションによっては敵種族の城の破壊がクリア条件になっている場合もあるので、入り組んだ地形のマップや、敵の抵抗で相手の城をなかなか直接攻略できないときなどには重宝する。

 ヒーローは、領土マップをあちこち駆け回って新しいスペルを購入し、スペルに必要なルーンを補充しなければならない。味方のヒーロー同士では、一部のスペル(アーティファクトと広域スペル)を交換することも可能だ。マップによっては戦闘しなくてもヒーローの「経験ポイント」をもらえる場所も存在する。つまり、シングルミッションとキャンペーンでは、実は戦略モードをいかに効果的効率的にこなすかで、いざ戦闘というときの有利不利が如実に変化してくるのだ。

 例えばスペルの購入ひとつとっても、特に序盤~中盤は保有する資源の量が少なくて、自分で理想とするスペルブックを作るには先立つものが足りない、という場面も多い。そんなとき、どのスペルから買っていくかによって、その後の戦闘の容易さも変わってくるし、ひいてはさらなる資源の獲得やレベルアップにもじわじわと影響が出てくる。敵やモンスターとの戦闘も、レベル差が大きい相手には闇雲に立ち向かっても太刀打ちできない。レベルの低いヒーローには同じぐらいのレベルのモンスターを相手にして効率よくレベルを上げつつ、自分より強力な敵ヒーローとは極力距離をおく、あるいは味方のエース級ヒーローを優先してパワーアップさせ、短期決戦に出る、といった見通しのよく利いた「戦略」を立てることが重要になる。



ネット対戦は無論、
対COM戦も極めてみたくなる

図10 イマジニアの公式サイトにある「デッキ交換掲示板」。自信のあるデッキができたら、この掲示板に公開し、他ユーザーの評価を受けてみたい。
 この種のゲームの醍醐味が、何といってもネット対戦(対人戦)であるのは間違いない。イーサーロードも例外ではなく、自分なりの戦術を活かせる「究極のデッキ」を追求し、実戦で腕試ししてみたいという誘惑、これが大きな購入動機になる人は多いだろう(図10)。ただし、デッキが交換できるというルールにより、レアカードの入手そのものが大変(だがそれも楽しみ)なMtGなどのリアルなカードゲームとは違い、決定版的なデッキが出てくると多くの対戦がパターン化してしまう可能性がないともいえない。ゲームに用意されているスペルだけで、同じ資源レベルの条件からデッキを構築する、という制約が、「絶妙の戦闘バランスを実現」という吉と出るか、「バリエーションの喪失」という凶と出るかは、実際にネットで対戦するプレイヤーが冷徹な評価を下すことになるだろう。

 それに比べ、戦略モードのシステムは若干詰めが甘いようにも感じられる。進行リズムがまったりしていて緊迫感に欠き、領土マップ上で起こる出来事にも驚きが少ないため不満が残る。ターン制なので、RTSと違ってプレイヤーの「うっかりミス」が勝敗を劇的に分ける、といった展開も起こりにくいだろう。その反面、習熟したプレイヤーなら、複数のヒーローを縦横無尽に駆けめぐらせて、将棋のように緻密な駆け引きを楽しめる。もしかすると、イマジニアが現在対応を検討中という「戦略モードまで含めたネット対戦」機能の実現が、MtGのバリエーションというイメージから脱却させ、新しいテイストのゲームとして本作を強くアピールするチャンスになるのかもしれない。今までになかった可能性を秘めたゲームとして、今後の成長を見守っていきたいところだ。もちろん「そんなに待っていられるか!」という人は、デュエルのネット対戦やメーカーの追加マップ(3月8日に早くも日本語版対応の2マップ「悪の谷」「結晶の迷路」が公開され、無料でダウンロード可能)で思う存分堪能していただきたい。



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