古くからホビーユースに力を注ぐ富士通は,豊富なプリインストールソフトにより「買ってすぐに使える」という,現在のPCスタイルを確立した最初のメーカーである。本機はその流れを受け継ぐ,コストパフォーマンスに優れたスタンダードA4ノートPCだ。
「FMV-BIBLO」シリーズは,富士通のホームユース向けノートPCブランドである。一口にBIBLOといっても,そのラインナップは幅広い。DVD鑑賞に最適な高輝度液晶を搭載したホームエンターテイメントA4ノートPC「NEシリーズ」,オーソドックスな3スピンドル構成のA4ノートPC「NBシリーズ」,A4ノートPCながらスリム化と軽量化が施された「MGシリーズ」,モバイルノートPC「LOOX S」シリーズ,CD-RW/DVD-ROMドライブとワイド液晶を搭載したエンターテイメントモバイルノートPC「LOOX T」シリーズと,5シリーズで全14モデルが準備されている。
同社は,カバーを閉じたままでもメールチェックやCD再生が可能な“iパネル”を,FMV-BIBLO NEシリーズに装備することで,他社のマシンとの差別化を図ろうとした。しかし,“iパネル”を装備したぶんだけ,NEの本体サイズが大きくなり,かばんに入らないというユーザーからの反応があった。そこで,基本的なスペックを押さえつつ,コストパフォーマンスを重視したモデルとして新たに投入されたのが,今回紹介するNBシリーズだ。レビューの対象となるマシンは,ミドルクラスに位置する「FMV-BIBLO NB8/900L」。BIBLOシリーズのA4ノートPCの中では,特にコストパフォーマンスに優れたモデルとなっている。
シリーズ共通のセールスポイントは
コストパフォーマンス
キーボード、ポインティングデバイス、液晶パネル部の全景。 |
ラインナップはIntelのMobile Pentium IIIを採用した上位2モデルの「NB8/100L」「NB8/900L」と,AMDのMobile Duronを搭載した下位2モデル「NB8/90D」「NB8/90DR」で構成されている。この「NB8/900L」は上から2番目のモデルに位置し,最上位モデル「NB8/1000L」との違いは,CPUの動作周波数(900Lが900MHz,1000Lが1GHz)とHDD容量(900Lが30GB,1000Lが40GB)の2点となっている。ちなみに下位2モデルとのCPU以外の違いは,液晶が高輝度・低反射タイプではなく,最下位モデルの「NB8/90DR」の内蔵光ディスクドライブがCD-R/RWドライブ(他モデルはCD-RW/DVD-ROMドライブ)の構成になっていることだ。シリーズ共通で言えることは,14インチオーバーの1024×768ドット液晶,100BASE-TX/10BASE-TのLANポート,256MBのメモリを搭載しており,デスクトップの代替機として,初期状態からバリバリ利用できるということである。
マニュアル類は充実しており,セットアップ作業も安心だ。プリインストールソフトが多いため,付属のCD-ROMは膨大な数になる。 |