6日、千葉・日本コンベンションセンター(幕張メッセ)において、企業向けの情報/ネットワークシステムに関する展示会“NET&COM2002”(主催:(株)日経ビー・ピー)が開幕した。会期は8日までの3日間。
今回はNET&COMとして6回目、前身の“Open Sytem Expo”から通算して10回目の開催となる。展示会においては、テロの影響で海外出展社が前回の71社から6社に激減したが、国内から過去最高となる277社が出展し、前回並みの約8万7000人の来場者を見込んでいる。展示会のほか、各種のセミナーや講演が多数開催予定となっている。
開会式のテープカット。左か、経済産業省商務情報政策局情報処理振興課長の木村雅昭氏、日経BP代表取締役社長の吉村久夫氏、総務省総合通信基盤局電気通信事業部データ通信課インターネット戦略企画室長の青木栄治氏、アメリカ合衆国大使館商務部上席商務官のスティーブン・ノード氏 |
6日午前にはスペシャルセッションとして、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ(株)取締役兼メディア技術開発センタ所長の飯塚久夫氏が講演した。飯塚氏は先日まで中国においてネットワークの現状見てきたとのことで、「中国はIPv6への取り組みを進めており、日本もうかうかしていると追い抜かれてしまう。日本ももっと積極的にチャレンジすべきだ」と述べた。
エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ(株)取締役兼メディア技術開発センタ所長の飯塚久夫氏 |
NTTコミュニケーションズとしては、かねてからIPv6のパケットをIPv4のネットワークに通すトンネリングサービスを行なっているが、年内にはIPv4とIPv6の機器が混在する環境をサポートする“IPv6/v4デュアルサービス”を開始するという。飯塚氏はIPv6のネットワークが「2002年は(IPv6の)熟成期間、2003年春に普及する」とし、そこでは広域のネットワークサービスよりも、企業向けの仮想LANサービスのような「コミュニティーごとのサービスが重要になる」という考えを示した。
NET&COM2002会場の様子。来場者の出足は好調のようだ |
また「IPv4はいわば片方向の通信であり、IPv6になってこそ電話並みのEnd-to-Endの通信が可能になる」とし、IPv6において重要なのはIPv4のアドレス枯渇への答えとしてではなく、IPv6がIPsecを標準でサポートすることや、パケットのヘッダーが拡張されてQoSをサポートすることだとして、今後のネットワークインフラのためにIPv6への移行が必要だと訴えた。