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2002年03月08日 10時40分更新

文● アスキーPC Explorer編集部・松本 俊哉

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光メディア3スピンドルを搭載した
AVENUEオーディオ

 一方、ケンウッドが開発を行った「AVENUEオーディオ」は、同社のハイコンポ「SJ-9CDR」を改良を加えたもので、AVENUEノートとの接続時にはPCの外部ドライブとして機能し、もちろん単体でも動作する。

写真5 AVENUEオーディオ単体で使う場合、各ドライブはCD-RWレコーダ、CDプレーヤ、MDLPレコーダとして利用できる。
 一際目を引くのは、透明なアクリル天板越しに回転するディスクが見えるトップローディング式の2つのドライブで、右がCD-RW(Dドライブ)、左がDVD-ROM(Eドライブ)になっている。ちなみに、CD-RWドライブはUSB接続ながらブートドライブとして利用できるので、Windowsの再インストールはこのドライブから行う。正面右下に位置するMDレコーダだけはPCの外部ドライブとして見えないが、NetMDに対応しており、HDDに取り込んだ音楽データをMDに転送する際に使われる。なお単体動作時は、それぞれCD-RWレコーダ、CDプレーヤ、MDLPレコーダとして機能する(写真5)。

 その背面には、PCと接続するアップストリーム×1と、外部機器を接続するダウンストリーム×1の計2系統のUSB 2.0ポート、アナログ外部入出力端子(1系統ずつ)、アンプ部との専用接続端子が並んでいる。



写真6 アンプ部の背面には、AM/FMアンテナ入力端子、プッシュターミナルのスピーカ端子、サブウーファ出力端子、ドライブ部との専用接続端子が並ぶ。なお、スピーカ側もプッシュ式の端子が採用されている。
 AM/FMチューナ、電源、アンプはドライブ部とは別体の縦長のユニットにまとめられていて、音声信号や音量制御などの情報は、ドライブ部への電源供給を兼ねる1本のケーブルで伝送されている(写真6)。

 なお、AVENUEオーディオはDVD-ROMドライブを搭載しているものの、ビデオデコーダや映像出力を内蔵していないため、単体ではDVD-Videoを再生できない。DVDの視聴はAVENUEノートにプリインストールされている「WinDVD」上でのみ可能で、どうしてもTVで見たいというなら、前述のS-VIDEO端子を使えばTVにも出力できる。



録音再生の統合環境
AVENUE専用ソフト「StageMaster」

図1 専用アプリケーション「StageMaster」では、音楽CDからATRAC3/MP3/WMAへのエンコードや、ATRAC3データのMDへの転送、音楽/データCDのライティング、外部入力からの録音などが行える。
 ノートとオーディオの接続時には、ケンウッド・ジオビットが開発した専用アプリケーション「StageMaster」が両者をリンクさせる。音楽CDからATRAC3/MP3/WMAへのエンコードできるほか、NetMD機能によるATRAC3データのMDへの転送、WinCDRエンジンによる音楽/データCDのライティング、外部入力からの録音、音楽の圧縮時に欠落した部分を補完しながら再生する「Supreme」などの機能が統合されている。

 試作機のStageMasterはβ版だったので厳密な評価はできないが、インターフェイスはもう少し直感的になってほしい。例えば、曲名などの文字編集はタイトルそのものをクリックしたりF2キーを押しても行えず、右クリックから「名前の変更」を選ぶか、プロパティを呼び出すことでしか実行できない。音楽CDからエンコードする際にも、初期状態ではトラックが1曲も選択されていないので、いちいち全選択ボタンや個々のチェックボックスを押さなければならないのは面倒だ。また、CDDB2対応ではあるものの、初回利用時に予告なく英語でCDDBの登録画面が現れるのは不親切に感じられる。こうした部分は、製品版やその後のアップデートで改善されることを期待したい。

 気になる音質は、無理に高域や低域を強調することもなく、ハイファイ指向の素直な音作りだと感じた。付属のスピーカは、ネットを外すと高域の若干こもったような印象がなくなり、よりバランスが良くなる。ただCPUパワーが足りないのか、HDDからのファイル再生では別のアプリケーションを動かしていると音飛びが発生することもあった。また、AVENUEオーディオの単体動作時は、トップローディング機構が災いしてか、ディスクの回転による風切り音が目立って聞こえてしまう。特にDVD-ROM側はかなり大きな音で回転するのだが、この点は製品版で改善されるとのこと。

 価格はオープンプライスで、実売予想は20万円台後半。ノートPC+オーディオコンポというスタイルを採用することで、どちらも単体で使える上に、PCはコンポのためのジュークボックスとなり、コンポはPCのサウンド環境を改善する存在として、相互補完の関係が生まれている。PCとオーディオを一度に手に入れたいという欲張りなユーザーにうってつけのシステムだ。


AVENUEの主なスペック
製品名 AVENUE
AVENUEノート
CPU Crusoe TM5800-800MHz
メモリ 128MB
液晶 12.1インチTFT液晶
解像度 1024×768ドット
HDD 20GB
通信 モデム、Ethernetポート
サイズ 273(W)×220(D)×26.5(H)mm
重量 約1.6kg
OS Windows XP Home Edition
AVENUEオーディオ
出力 20W×2
インターフェイス USB 2.0、アナログ入力、アナログ出力、サブウーファ出力

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