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F5、“オール・イン・ワン”IPトラフィック管理装置に低価格モデルを発表

2002年01月31日 19時58分更新

文● 編集部 佐々木千之

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F5ネットワークス ジャパン(株)は31日、都内で記者発表会を開催し、IPトラフィックに対する割り込み、分析、変換、振り分け、SSLアクセラレーションなど複数の機能を持ったトラフィック管理装置『BIG-IP 2000』を発表した。価格はシングルシステムが629万円、2台の冗長構成システムが1038万円で、2月1日に発売する。

『BIG-IP 2000』
『BIG-IP 2000』ポート類は前面パネルに集中配置しており、背面には排気ファンと電源のみ

BIG-IP 2000は、2001年9月に発表したトラフィック管理装置『BIG-IP 5000』の下位モデルとして位置づけられる製品で、米F5ネットワークス社が米国で1月15日に発表している。BIG-IP 5000/2000は、負荷分散、コンテンツスイッチ、トラフィック管理、Gbit Ethernetスイッチ、SSLアクセラレーション機能を、幅43.2×奥行き55.1×8.5cmのサイズで重さ12.9kgの19インチラック筐体に収めている。これらの機能は、他社はそれぞれ個別の製品として提供しているとしており、同社ではBIG-IP 5000/2000を“オール・イン・ワン”のITM(Internet Traffic Management)装置と呼んでいる。BIG-IP 5000は大企業をターゲットとした製品だが、今回のBIG-IP 2000では中小企業向け製品としている。

米F5ネットワークス社製品管理シニアディレクターのダン・マット(Dan Matte)氏
米F5ネットワークス社製品管理シニアディレクターのダン・マット(Dan Matte)氏

BIG-IP 2000では、CPUをPentium III-1GHzを1基(5000では2基)、512MBメモリー(同1GB)、Gbit Ethernet 2ポート(同4ポート)、100BASE-TX 16ポート(同24ポート)と、BIG-IP 5000からスペックダウンすることで価格を2割弱抑えた(BIG-IP 5000はシングルシステムで759万円)。SSLアクセラレーション機能については、毎秒100SSL新規トランザクション(最大で毎秒800SSL新規トランザクション)で、バックプレーンのスイッチ容量9.6Gbpsと同様に、BIG-IP 5000と変わらない性能となっている。

F5ネットワークスが考えるITM装置に必要な要素のすべてをBIG-IP 5000/2000に持たせたという
F5ネットワークスが考える、ITM装置に必要な要素のすべてをBIG-IP 5000/2000に持たせたという
BIG-IP 5000とBIG-IP 2000の比較
BIG-IP 5000とBIG-IP 2000の比較

発表会で製品の説明を行なった、米F5ネットワークス社製品管理シニアディレクターのダン・マット(Dan Matte)氏によると、BIG-IP 5000/2000は米シスコシステムズ社やカナダのノーテルネットワークス社(アルテオン)などのITM装置、米インテル社などのSSLアクセラレーター、米エクストリーム ネットワークス社や米ファウンドリーネットワークス社のレイヤー2/3スイッチなど、4、5台の製品がもたらす機能を1台で提供でき、個々の装置と比較しても、より豊富な機能を提供する、としている。価格面でも、単体のITM装置と比較すると同程度だが、すべての機能をシステムとして持たせようとした場合、トータルで1000万~2300万円かかるところが759万円(BIG-IP 5000)/629万円(BIG-IP 2000)ですむと述べ、絶対的な性能においてもコストパフォーマンスにおいても高いとアピールした。

BIG-IP 5000/2000が備える機能は、他社の単体製品の4、5機種分に相当するという
BIG-IP 5000/2000が備える機能は、他社の単体製品の4、5機種分に相当するという
BIG-IP 2000の価格と、BIG-IP 2000と同等の機能を持たせるために各社の製品価格を足し合わせたものとの比較グラフ
BIG-IP 2000の価格と、BIG-IP 2000と同等の機能を持たせるために各社の製品価格を足し合わせたものとの比較グラフ

またF5ネットワークスは、同日付けでBIG-IPファミリーのサーバーアプライアンスプラットフォーム『BIG-IP 540』『BIG-IP 520』を発表した。これは、BIG-IP 5000/2000からGbit Ethernetポートを外し、100BASE-TXポートを2つにしてスイッチングハブとしての機能をとりさった形の製品。IPトラフィック管理、分析、変換、振り分け機能や、負荷分散、SSLアクセラレーションなどの機能は備えており、ウェブサーバーやアプリケーションサーバー、ファイアーウォール、VPNゲートウェイなどのシステムにセキュアーなトラフィック管理機能を追加する製品としている。価格はBIG-IP 540がシングルシステムで582万円、2台の冗長構成システムで1014万円。BIG-IP 520がシングルシステムで510万円、2台の冗長構成システムで894万円となっており、すでに出荷を開始したとしている。

『BIG-IP 540』(『BIG-IP 520』も外見は同じ)
『BIG-IP 540』(『BIG-IP 520』も外見は同じ)

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