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PCV-W101/W

PCV-W101/W

2002年02月08日 00時00分更新

文● アスキーPC Explorer編集部・山崎 敦

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ソフトウェアエンコーダ採用の
Giga Pocket LEをインストール

ほかのVAIOと異なりソフトウェアエンコーダを採用し、最大ビットレートが3Mbpsに抑えられたTV録画ソフト「Giga Pocket LE」。録画したファイル(ビデオカプセル)を管理する「ビデオエクスプローラ」やiEPGを利用した録画予約機能などは、Giga Pocketと同様だ。
 このほか、最近のホームPCのトレンドにのっとりTVチューナも装備しており、プリインストールされるTV録画/管理/再生統合ソフト「Giga Pocket LE」を利用したMPEG2形式でのHDD録画が可能となっている。

 PCV-W101のGiga Pocket LEと、ほかのVAIOに搭載されている「Giga Pocket」との大きな違いは、MPEG2のエンコードをソフトウェアで行うかハードウェアで行うかという点だ。Giga Pocket搭載VAIOはTVチューナ内蔵MPEG2リアルタイムエンコーダボードを採用し、8Mbpsと4Mbpsの2種類の画質を選択しての録画が可能だ。一方のPCV-W101ではコストを重視しソフトウェアエンコーダを採用したためビットレートは3Mbps(標準)のみの対応となる。Celeron-1.2GHzという高クロックのCPUとVC-SDRAMを採用してパフォーマンスの向上を図っているとはいえ、エンコードとデコードを同時に行うタイムシフト再生などでは3Mbpsより高いビットレートは難しいという判断だろう。標準搭載のHDDは出荷時にはCドライブに15GB、Giga Pocket LEなどのデータ領域としてDドライブに25GB割り当てられており、最大で約18時間の動画記録が可能となっている。

 TV番組の表示画像は動きのあるシーンでコームノイズが若干気になるが、非常に精細で字幕の文字なども問題なく試聴できるほどクオリティは高い。また、Giga Pocket LEはワイド液晶にも対応しており、画面の比率が4:3となるウィンドウ表示のほか、全画面表示では横幅を少し広げての「フル」、画像の上下をカットして表示する「ズーム」表示が可能だ。TVとPCの両方を置く場所がないというユーザーにはTV内蔵PCとして十分利用できるだろう。

 ただし録画した映像はビットレートが3Mbpsに抑えられているため画質的にはVHSビデオの3倍モード程度といった印象で、TV画面をそのまま表示したときの精細な画像に比べてかなり見劣りがする。表示サイズが612×448ドットのウィンドウ表示でも輪郭がぼやけてノイズが気になり、全画面表示ではさらにブロックノイズが非常に目立つ。TV番組をMPEG2化して映像を保存するという用途ではなく、あくまでもリアルタイムに試聴できない番組を予約録画しておいて後から見るというタイムシフト再生用途に活用したい。



キーボードはテンキーを備え、キーピッチが19.05mmとなる標準的なデスクトップPC用キーボードと同等のサイズを持つ。左端には登録されたアプリケーションを素早く起動できるショートカットキーを備える。
 そのほかのPCV-W101ならではの特徴に、折り畳み可能なキーボードがある。キーボード自体はキーピッチが19.05mm、ストロークは3mm確保されており、テンキーも装備する。キートップが薄いためノートPCのようなタッチを想像するが、実際にタイプしてみるとしっかりしたクリック感と反発力があり、また非常に剛性感が高いため、一般的なデスクトップPC用キーボードと遜色のない操作性を持っている。しかも、ポインティングデバイスはほかのVAIOデスクトップと同じマウスを採用しているので、多くのユーザーにとってノートPCよりも快適に使えるだろう。



マシンを起動した状態でキーボードを閉じると時刻を表示する「MotionClock」が自動的に起動する。ここから音楽再生ソフト「SonicStage」を起動してオーディオコンポのように利用することも可能だ。
 この可倒式キーボードはスペース効率の点で収納時や移動時に便利だが、マシンが起動している状態で閉じても面白い演出が用意されている。PCV-W101のキーボードは液晶に比べて小さく(奥行きが9cm弱短い)作られており、閉じても液晶パネルを全部覆うことはできずパネル上部が少し見えたままになる。マシンが起動した状態であればキーボードの開閉を監視する常駐ソフトによって、この部分に「MotionClock」というデジタル時計ソフトが表示され、置き時計代わりに利用できる。また、MotionClockを表示した状態からマウスの左クリックでATRAC3やWMA形式の音楽ファイル、音楽CDの再生ソフト「SonicStage」をMotionClockと同様の「シンプル表示」で起動でき、キーボードを閉じたPCV-W101をオーディオコンポのように使うことも可能だ。

 プリインストールソフトは、ほかのVAIO同様にソニーオリジナルソフトが豊富に用意されており、オフィスソフトは含まれないものの、DV編集などホームユースで活用できるPCに仕上がっている。



PCV-W101には、ICカードを利用したプリペイド型電子マネーサービス「Edy」に対応したEdyカードとUSB接続のICカードリーダ/ライタが付属する。加盟店などEdyに関する詳しい情報は「ビットワレット」のWebページ(http://www.bitwallet.co.jp/)を参照のこと。
 部屋にいろんな機器を置いて狭くなるのが嫌だというユーザーにとって、PCだけでなくTVやミニコンポとしても利用できるPCV-W101は、そのシンプルな外観と相まって、最適な選択肢になり得るだろう。しかも、デスクトップPC向けパーツとノートPC向けパーツを組み合わせることでコンパクトさを追求しながらコストは抑えられており、SonyStyleでの販売価格は15万9800円となっている。デスクトップPCに究極の省スペース性を求めるユーザーや、可搬性ではなくコンパクトデスクトップとしてオールインワンノートの購入を考えているユーザーに、まさにうってつけといえるPCの登場だ。


PCV-W101/Wの主なスペック
製品名 PCV-W101/W
CPU Celeron-1.2GHz
メモリ 256MB
HDD 40GB
CD-RW&DVD-ROM RW8倍速/R8倍速/DVD8倍速/CD24倍速
通信 モデム&LAN
モニタ 15.3インチTFT液晶
OS Windows XP Home Edition
Officeアプリ

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