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W3Cが語るストリーミングメディアの未来――“Streaming Media Japan 2001”基調講演

2001年11月20日 18時09分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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インターネットビジネスイベント“Internet World Japan 2001”、ストリーミング専門イベント“Streaming Media Japan 2001”、ベンチャー企業イベント“DEMO Japan 2001/Fall”が20日、幕張メッセで同時開催された。主催は(株)IDGジャパンと米Penton Media社。3つのイベントを合わせて134社が参加、約120のコンファレンスが行なわれる。開催期間は20日~22日。

展示会場全景
“Internet World Japan 2001”、“Streaming Media Japan 2001”、“DEMO Japan 2001/Fall”が同時開催されている幕張メッセの展示会場

基調講演のひとつとして、W3CのインタラクションドメインリーダーであるPhilipp Hoschka(フィリップ・ホシカ)氏が“WEBストリーミング・メディアの将来像”と題したセッションを行なった。

W3CのHoschka氏
W3CのインタラクションドメインリーダーであるPhilipp Hoschka氏

同氏は、TVニュース番組のようなコンテンツをインターネット上で表現する場合、すべてを1つのビデオとして配信する方法と、音声や映像、テキストをコンポーネント化して配信する方法があるが、すべてをビデオコンテンツとして配信すると帯域幅に合わせてビデオデータを圧縮しなければならず、画質が落ち、表示サイズも小さくなってしまうと説明、「これでは成功しない」と語った。

一方、コンポーネントベースのアプローチを取った場合、静止画/テキスト/音声/動画といったコンポーネントに分けて配信し、受信者側のビューワーでそれらのコンポーネントを組み合わせて閲覧することで、帯域幅を節約できるという。W3Cは、こういったコンポーネントベースでのストリーミング配信を行なうものとして、'98年に“SMIL 1.0”を勧告、さらに今年に入ってSMIL 2.0を勧告した。

SMILはマルチメディアプレゼンテーションを作成するためのもので、プレゼンテーション映像とスライド資料を同期させて配信することが可能。XMLベースであるため、テキストエディターでSMILドキュメントを作成できる。また、ストリーミング配信時に、任意のシーンに戻したり先に進めたりといったナビゲーションを実現できる。さらに同じ画像を配信しながら、ユーザーによってテキストの言語を変えるといったことも可能。ユーザーの帯域幅によって、動画配信/静止画配信の切り替えも行なえる。

SMIL 2.0は、トランジションエフェクトが追加されたほか、複数レイヤーの使用により階層的なレイアウト処理も行なえる。さらに、モバイルデバイス用のSMIL BASICも用意されている。また、Adobe SVGがSMILアニメーションをサポートしている。SVG(Scalable Vector Graphics)は、ストリーミング配信において帯域幅が少なくてすむ、グラフィックスのサイズを変更しても画質が劣化しない、などの利点があるという。

また同氏は、携帯電話などのモバイルデバイスにおいて、キーボードによる入力には限界があるとし、その解決方法として音声認識を利用したアクセスについて説明した。W3Cでは音声認識対応のため、まず音声でコマンド入出力が行なえる“VoiceXML”を提唱した。続いて、テキストと音声を融合させた“マルチモードアクセス”の検討もスタートしたという。これは、サーバーからモバイルデバイスにテキストプロンプトを送信し、ユーザーはそのテキストプロンプトに音声で応えるということを可能にするもので、音声だけでなくキーボードでも応答入力が可能という。

なお同氏は、オーディオ/ビデオの標準化については「難しい。コーデックは現在作業中だ」と語った。現在のMPEG-4にはライセンシング問題があるため、それを解決するべくW3Cとして直接関与し、問題解決および標準化に向けて進めていくとしている。

RealOne画面
リアルネットワークスの展示ブースでは、総合メディアブラウザー『RealOne Player』が紹介されている。RealOne Playerは、既存のRealPlayerとRealJukeboxの機能を融合させた最新メディアプレイヤー。画面左上はストリーミングビデオなどの再生画面、画面右上は、左のビデオに関連した情報を表示する画面。画面下部はブラウザー画面で、任意のウェブページを表示できる。これにより、例えばストリーミングビデオを見ながら、そのビデオに関連したウェブサイトを閲覧することが可能。対応OSはWindows 98/Me/2000/NT4.0/XP。現在はプレビュー版(英語版)がダウンロード可能。日本語版の製品版は2002年リリースになる見込み
RealPlayer搭載携帯端末リアルネットワークスは、パソコンだけでなく携帯端末やデジタル家電などさまざまな機器へRealPlayerを提供している。写真はノキアの携帯情報端末(写真手前)と、コンパックコンピュータのPDA『iPAQ』(写真奥)。いずれもRealPlayer(英語版)を搭載し、ストリーミングコンテンツの閲覧が可能
RealPlayer搭載予定機器
右側手前がインフォシティのSTB『RadicalTV』の本体内部。現在、このRadicalTV用のRealPlayerを開発中という。右側奥はNTT-MEのブロードバンド対応STB『わくわくステーションII-E』で、こちらもRealPlayerを搭載する。左側奥にはプレイステーション2も展示されている。今年2月のリアルネットワークスとSCEIによる業務提携後、現在PS2用のRealPlayerを開発中とのことだが、デモが行なえるまでには至っていないという

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