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「Bluetooth搭載機器は2002年前半に爆発的に増加する」──英CSRのホジソンCEO

2001年11月03日 12時38分更新

文● 編集部 佐々木千之

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無線ネットワーク関連半導体メーカー、英ケンブリッジ・シリコン・レディオ(CSR)社の日本法人シーエスアール(株)(CSR)は1日、都内で記者発表会を開催し、英国で10月8日に発表した第2世代チップ『BlueCore2』や、Bluetooth市場の今後の見通しなどについて英CSRのジョン・ホジスン(John Hodgson)CEOが説明した。

英CSRのジョン・ホジソンCEO
英CSRのジョン・ホジソンCEO

ホジスンCEOは、Bluetooth市場の見通しについて、米調査会社Cahners In-stat社による“2005年には(世界市場で)5億台のBluetooth機能搭載携帯電話が出荷される”という予測を示し、Bluetoothの普及は来年以降急速に進むとした。この資料によると、2002年末の累計で2億台程度で、それ以降は毎年倍以上の伸びとなっており、2005~6年には10~15億台のBluetooth搭載機器が出荷されるとしている。

Bluetooth搭載機器の2005年までの出荷予測
Bluetooth搭載機器の2005年までの出荷予測

また2001年1~9月までにCSRが出荷したBluetoothチップは150万個で、およそ25~30%のシェアを持っており、Bluetooth製品の50%(出荷数の、ではない)は同社のチップを使用しているという。さらに「2001年のBluetooth機器の出荷数はおよそ600万台と推測されており、IEEE802.11bのおよそ700万台に肩を並べている。2002年の第1ないし第2四半期にはBluetooth機器の出荷が爆発的に伸びると予想しており、Bluetooth機器の2002年における出荷数は4000万~1億台に達する」とも述べた。なお、出荷数予測の幅が大きいのは、スウェーデンのエリクソン社、フィンランドのノキア社、米モトローラ社、松下通信工業(株)といった携帯電話メーカーへの依存が大きいためとしている。

Bluetooth搭載機器のカテゴリー別出荷数の割合。携帯電話が半分を占める
Bluetooth搭載機器のカテゴリー別出荷数の割合。携帯電話が半分を占める

製品カテゴリー別ではやはり携帯電話が多く、2001年では出荷数の50%以上を占めている。この傾向はBluetooth機器全体の出荷が増えても変わらず、2005年でも45%以上を占めるという。ホジスンCEOは2002年に出荷される「携帯電話の50~75%にBluetoothが搭載される」とも述べた。

次にホジソンCEOは、同社のBluetoothチップである『BlueCore1』の次世代製品『BlueCore2』(以前はそれぞれBlueCore01、BlueCore02と呼ばれていた)について説明した。BlueCore2は、BlueCore1で外付けとなっていたアプリケーション用フラッシュメモリーやROM、音声コーデックなどを内蔵可能(オプション)にしている。またBlueCore1はフランスのSTマイクロエレクトロニクス社の工場で0.35μmプロセス技術で製造していたが、BlueCore2からは工場を台湾TSMCに移して0.18μmプロセス技術で製造する。これによって「消費電力とチップ面積が半減した」(ホジソンCEO)としている。

CSRの製品ロードマップ
CSRの製品ロードマップ。2002年に多数の製品を予定している

BlueCore2は現在サンプル出荷中で、間もなくプロトコルスタック部分を外付けにした『BlueCore2-External』が量産出荷開始の見込み。その後、プロトコルスタック/アプリケーション依存部分をマスクROMとして内蔵した『BlueCore2-Mask ROM』、同様にFlashROMを内蔵した『BlueCore2-Flash』などを順次投入する予定。2002年中にはARM7プロセッサーコアやDSPを内蔵した『BlueCore2-ARM』、『BlueCore2-DSP』も出荷する。なお、これらのチップ製品と各アプリケーション用のソフトウェアをセットにした『BlueCore2-PC』『BlueCore2-Mobile』『BlueCore2-PDA』『BlueCore2-Headset』なども2002年第1四半期から順次出荷するという。

以前CSRでは、BlueCoreシリーズにARMプロセッサーコアを内蔵した製品が『BlueCore3』で2003年に出荷と説明していたが、BlueCore2から搭載に変更となったようだ。またホジスンCEOは「2002年末までに0.13μmプロセス技術で製造する第3世代製品を投入する」とも述べた。ただし、この第3世代製品の詳細については触れなかった。

このほか、CSRが開発したBluetoothトランスポートプロトコルの“BlueCoreシリアルプロトコル(BCSP)”が、米マイクロソフト社の次期Windows CE『Windows CE.NET』(以前は“Talisker”というコードネームで呼ばれていた)のBluetoothドライバーの一部として、OSの中に組み込まれることになった発表し、「Bluetooth業界の標準化に貢献することができた」(ホジソンCEO)とした。

シーエスアール代表取締役社長の塚越明義氏
シーエスアール代表取締役社長の塚越明義氏

Bluetoothはここ数年、“もうすぐ普及する”といわれ続けてきたが、日本でもソニー(株)や(株)東芝、日本電気(株)などがBluetooth搭載パソコンやパソコン周辺機器、携帯電話を発売するなど、やっと製品の動きが見えてきた。当初はBluetooth規格上の不備から、違う会社の機器間での通信ができないなどの問題も指摘されたが、仕様のバージョンアップによりそういった問題は解消されつつあるようだ。ただ、Bluetoothには“キラーアプリケーション”がないことという弱みもあり、ホジソン氏が言うように、2002年にBluetooth機器が大量に市場に出荷されるのかという点には疑問も残る。さらに、これまでは他社チップを使ってきた機器メーカーのなかには、東芝や富士通(株)など自社製のBluetoothチップを開発・量産しようとしているところもある。CSRはソフトウェア、無線、ベースバンドIP(Intellectual Property)など、すべてを自社開発し、他社に特許料を支払わないで済むとしており、先行した強みを生かしながらシェアを確保していく考えだ。

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