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CSR、第3世代のBluetoothコントローラー“BlueCore3”を発表

2003年06月27日 23時31分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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シーエスアール(株)は27日、都内で記者説明会を開催し、同社として第3世代となるBluetoothコントローラーチップ“BlueCore3シリーズ”を発表した。BlueCore3は、今秋策定予定のBluetooth v1.2規格に対応し、モジュールサイズの縮小と消費電力の低減を図ったBluetoothコントローラー。BlueCore3には、オーディオ機能を内蔵する『BlueCore3-Multimedia』、携帯電話向けにオーディオ機能などを省略した『BlueCore3-ROM』、専用無線インターフェースを内蔵したCDMA方式携帯電話向け製品『BlueCore3-CDMA』、外部フラッシュメモリーを利用し、独自アプリケーションの追加が可能な『BlueCore3-External』の4製品が用意され、Multimediaから順次出荷を予定している。

英シーエスアール社のCEOのジョン・ホジソン氏 営業副社長 アジア担当のマシュー・フィリップス氏
英シーエスアール社のCEOのジョン・ホジソン氏営業副社長 アジア担当のマシュー・フィリップス氏

記者説明会には、代表取締役の塚越明義氏、英シーエスアール(Cambridge Silicon Radio)社のCEO(最高経営責任者)のジョン・ホジソン(John S Hodgson)氏、同じく営業副社長 アジア担当のマシュー・フィリップス(Matthew Phillips)氏が出席し、同社の沿革や第2世代までの製品との違いについて説明した。

ホジソン氏は、CSRのこれまでの実績を「1999年に創立、従業員数180人の工場を持たない半導体製造メーカー。無線通信とBluetoothコントローラー、および通信プロトコル(ソフトウェア)を集約したシングルチップのBluetoothコントローラーを世界で初めて開発し、累計出荷総数は(今年の5月28日に)1000万個を超えた。現在のBluetooth搭載品(Bluetooth SIGの認定製品)の約60%にCSR製コントローラーが搭載されている」と語った。

“BlueCore3-Multimedia”の機能概要
“BlueCore3-Multimedia”の機能概要

続いてフィリップス氏が第3世代のBluetoothコントローラー“BlueCore3-Multimedia”の詳細を説明した。それによると、第2世代製品“BlueCore2”との違いは、

  • Bluetooth v1.2に対応
  • マルチメディアデータのストリーミング用DSPとオーディオCODECを搭載(BlueCore3-Multimediaのみ)
  • パッケージサイズの縮小および低消費電力を実現
  • 低価格化

の4つが挙げられる。Bluetooth v1.2は、接続先の検知と接続手順を高速化し、オーディオ機能の改良(音質の向上)、同じ周波数帯(2.4GHz帯)を利用する無線LANとの干渉の低減などを盛り込んだ新規格で、今年9月ごろに策定される予定になっている。BlueCore3では、特にオーディオ機能に特化し、サンプリング周波数8k~44.1kHzに対応したステレオ・オーディオCODEC(圧縮伸張手順)と、エコーキャンセラーやノイズキャンセラー機能を内蔵する。

“BlueCore3-Multimedia”のサンプルチップ
“BlueCore3-Multimedia”のサンプルチップ。隣の1円玉(直径2cm)と比較すると、いかに小さいかがわかる

チップのパッケージは、従来のBGA(Ball Grid Array)に加えてCSP(Chip Size Package)タイプも追加され、CSPチップを採用したモジュールでは従来の1/4サイズとなる5×5mm(チップ単体では4×4mm)となる。消費電力は動作時で最大20%削減され、携帯電話に内蔵した場合の待機時間は約2倍に延長可能という。

価格は、チップの縮小やパッケージの変更などにより生産効率が上がるため、モジュール搭載時のシステムコストで計算して5ドル(約600円)未満となり、従来の5~7ドル(約600~840円)を下回る。

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