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【オーバークロック研究室】オーバークロックに適したCPUクーラーはどれか?(パート2)

2001年10月10日 07時23分更新

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■3製品の違いを調べる

●ティーエスヒートロニクス製「SCR325-2F」
SCR325-2F
製品構成

 前述のレポートでも紹介されている通り、この製品における最大の特徴は一般的なCPUクーラーのヒートシンクに相当する部分だ。ヒートレーンラジエータと呼ばれる放熱器を採用しているが、これは扁平アルミパイプを四角く渦巻き状に加工し、向かい合ったパイプ間に放熱効果を高める目的でグリッドを配したもの。一見、その名の通り小さなラジエータだが、パイプ内には作動液(HFC134a:環境破壊係数の低い代替フロン)が注入封印されていると言われ手の込んだ構造となっている。なお、CPUの熱はヒートレーンラジエータの一辺に固定された受熱板(材質は銅)を介して伝導され、作動液の蒸発・凝縮作用によって熱交換をおこなう仕組みだ。ちなみにヒートレーンラジエータは後述するケースに仕掛けられた板バネでCPUコアに押しつけられて密着するようになっている。また、ヒートレーンラジエータの両サイドに60mm角のファンをツインで装着し、一方向に送風する冷却仕様だ。これらのコンポーネントや(CPUソケットのラグに引っかけて本体を固定する)クリップなどはプラスチック製のケースにユーザーが組み付けて完成させる仕様だが、簡単なプラモデルを組み立てる感覚で楽しめる面もありユニークな製品といえるだろう。ただ、付属の取扱説明書に忠実な組み立て方をしないと本来の性能が発揮できないばかりか無用なトラブルを抱える懸念もあるので、「組み付け方向」や「長短」と言ったキーワードに注意が必要である。



SCR325-2F
マザーボード装着風景
●Swiftech製「MC462-A」
SCMC462-A
製品構成

 このCPUクーラーを採用してマザーボードへ取り付ける際に注意する点をあげておこう。言うまでもないことだが、CPUソケットの周囲にヒートシンク固定用の穴が用意されたマザーボードでクーリングスペースに余裕がないと話にならない。しかもその穴を基準にしてCPUクーラーの固定位置を合わせた時に、マザーボード上のパーツと干渉しないことが第一条件となる。次にその穴にはMC462-A付属のスタンドオフ(スペーサー)を取り付けるのだが、穴のサイズが大きい場合は段付きナイロンワッシャ(付属品)を使用するようになっている。逆にそのワッシャが適合しない場合は、使用しないでスタンドオフを直接取り付けるのだが、穴の周囲を走っている信号ラインと干渉するようであれば別途絶縁ワッシャを併用して断線・短絡を防止しなければならない。できる限り薄い絶縁ワッシャを使用するほうがベターである。なぜならば、CPUコアとヒートシンクの密着圧力に影響を与えるからでワッシャが厚いほどプレッシャーが低下するからだ。



SCMC462-Aマザーボード装着風景
SCMC462-A
スタンドオフがマザーボードの信号ラインを完全に踏んづけてしまう
●アルファ製「PAL8045U」 写真 
PAL8045U
製品構成

 概略で述べた通り、細かい部分でMC462-Aと若干の違いはあるが、取り付け方法やサイズ的にはMC462-Aとほぼ同じと言っていいだろう。当然、マザーボードに対する諸条件も同じだが、ナイロンワッシャに関しては穴のサイズに応じて段付きとフラットタイプの2種類が同梱されており、いずれにしても元から使用するように取り扱い説明書で指示されている。おそらくワッシャの厚み分は計算の上でヒートシンクの密着圧力を決定しているものと推察できる。ナイロンワッシャがマザーボード上のチップパーツに干渉する場合はワッシャー側を必要に応じてカットすると良いだろう。なお、上述の2製品も含めて動作初期段階で必ずCPU温度をチェックする方が無難だ。いきなりオーバークロック動作での起動は避けてBIOSセットアップに備わっているモニターからCPU温度を点検し、異常な数値を示さないことを確認した上でOSの起動に移るように心がけよう。



PAL8045U
マザーボード装着風景
PAL8045U
ナイロンワッシャがチップパーツに干渉する場合はワッシャーをカットして装着する

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