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SMI、ネットワークセキュリティー製品の新ブランド“SMI Digital Security”を発表

2001年09月19日 21時46分更新

文● 編集部 中西祥智

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“SMI Digital Security”のロゴ
“SMI Digital Security”のロゴ

(株)住友金属システムソリューションズのソフトウェアプロダクト部(以下SMI)は18日、同社の提供するネットワークセキュリティー製品の新しいブランド名“SMI Digital Security”を発表した。同社はこの新しいブランド名を軸に、セキュリティー製品の展開を強化する。

同日の記者会見で、ソフトウェアプロダクト部次長の高本勉氏は、従来のネットワークセキュリティー導入の問題点を指摘した。高本氏によると、問題点は導入企業側と販売企業側の2つに分けられるという。



記者会見の様子
右から取締役常務執行役員の達脇正雄商品事業部長、ソフトウェアプロダクト部の高本勉次長、米eCompany社Chief Hacking OfficerのMarc Maiffret氏

まず、導入企業側の問題点としては、「セキュリティーポリシーや安全対策基準、運用規程などを導入する際に、多くの定義を要求され、しかもそれを考えられる熟練技術者が少ない」ことだという。だからといって、専門のコンサルタントを雇う金銭的余裕は、中小企業にはない。セキュリティー上に問題があると分かっていても、対策の導入には多くの時間と資金を要することになる。ゆえに、一般企業、特に中小企業では、セキュリティーの導入が難しいという。

ソフトウェアプロダクト部の高本勉次長ソフトウェアプロダクト部の高本勉次長

その一方で、販売企業側の問題点は、「セキュリティー関連商品は機能が複雑で、ユーザーの環境に大きく左右されるので、ユーザーからの要望があっても見積もりさえ難しい」という。また、導入には別途コンサルティングの料金が発生し、たとえば100万円の製品を導入するのに200~300万円もの費用が必要になることもあり、ユーザーにとっては価格体系が不明瞭かつ高額になっている。コンサルティングにも通常のSI以上に手間がかかり、セキュリティー専門企業しか扱えないような状況になっている。

SMIが提案するセキュリティービジネス
SMIが提案するセキュリティービジネス

これらの問題に対処するために、高本氏によると同社は「明確かつ適正価格のネットワークセキュリティーを提供する」という。ネットワークセキュリティーソリューションを領域と目的別に分類し、それぞれにアプリケーションを提供する。セキュリティーポリシーや運用などはアプリケーションが提供し、利用者は難解なセキュリティーポリシーなどについて考える必要がなくなるという。

SMIの製品・価格体系
SMIの製品・価格体系

具体的には、以下のような製品・価格体系をとる。

インターネットセキュリティー
『SonicWALL』ファイアウォール(ハードウェア)……14万円から
『NeoTrace Pro』インターネット経路検索ソフト……7800円
『NeoWatch』パーソナルファイアウォール……1万2800円
ウェブサーバーのセキュリティー
『SecureIIS Web』IIS用アプリケーションファイアウォール……12万8000円
『eEye Retina』(仮称)セキュリティーホール検知&対策支援ソフト……19万8000円(年内発売予定)
イントラネットセキュリティー
『eEyes Iris』パケット&プロトコルモニタリングソフト……24万8000円
『NetworkView』ネットワーク接続状況監視ソフト……1万9800円
『PacketWatch』パケットフィルタリングソフト……2万9800円
パソコン環境のセキュリティー
『RedHand』パソコン環境セキュリティーソフト……1万2800円

また、SMIはマイクロソフト(株)のウェブサーバー『IIS(Internet Information Services)』の脆弱性をチェックするサービスを、21日に開始する。企業1社あたり1サーバーまでは無料。

記者発表会では、Digital Security製品群の中から、3製品のデモを行なった。年内の発売を予定しているeEye Retinaは、CHAM(Common Hacking Attack Methods)に基づいたセキュリティー検査を行なうソフト。ウェブサーバーに対して、実際に長大なURLを送信するなどして、その反応を計測するという。

eEye Retina
eEye Retinaの画面。発見した脆弱性についての情報がずらりと並んでいる

また、そのCHAMの開発元である米eCompany社のChief Hacking Officer、Marc Maiffret(マーク・マイフレット)氏による講演も行なわれた。Maiffret氏は現在20歳。17歳の時にeCompanyのセキュリティーを破って社内ネットワークへの侵入に成功した。そして、eCompanyに就職した。

米eCompany社のChief Hacking Officer、Marc Maiffret氏米eCompany社のChief Hacking Officer、Marc Maiffret氏

Maiffret氏は、IISに感染するワーム“CodeRed”の命名者の1人。Maiffret氏らが最初にCodeRedを発見したとき、“Mountain Dew CodeRed”というソフトドリンクを飲んでおり、その名を付けたという。Maiffret氏は、CHAMはHTTP、FTP、SMTP、POP3の4つのプロトコルの内容を解析できること、CHAMによってサーバーの未知の脆弱性も発見できることなどを説明した。

SMIは、ネットワークセキュリティー製品のほかに、ユーティリティーソフトやCADソフトなども販売している。2000年度のネットワーク関連製品の売り上げは、約15億円。同社では、年内に3種類の製品を追加して、ラインアップを拡充するとしている。

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