アスク/Philips
オープンプライス
PCのサウンドカード事情は近年、大きく変わってきている。一昔前にはサウンドカードは「とりあえず音を出すためのパーツ」であったが、最近はチップセットにサウンド機能が統合され(i810/815シリーズなど)、マザーボードの多くが標準でサウンド機能を有するようになっている。そのため、これから購入しようというサウンドカードは、オーディオデータ(MP3やWMA)やDVDタイトルの再生を“PCでより高音質に楽しみたい”人々向けの嗜好製品へとシフトしつつある。そのため、サウンドカード市場は5000円以下の低価格エントリー製品(オンボードにサウンド機能を持たないPC向け)から、音質を追求したいわゆる“高級オーディオカード”まで、幅広い製品が登場するようになった。
一時インターネットで話題になった
あの新型サウンドチップを搭載
専用ケーブル2本、CD-ROMドライブとの接続ケーブル1本、ドライバCDとDVD再生ソフト、マニュアル(英語)が付属する「Acoustic Edge PSC706」のパッケージ内容。 |
QSoundでどんなデータもサラウンド再生
写真上の2つのチップがプライマリ/セカンダリのオーディオコーデックチップ。下の大きなチップ「ThunderBird Avenger」はQSoundをハードウェアアクセラレートするオーディオコントローラチップ。左の「TDA1315H」はデジタルオーディオI/Oコントローラチップだ。 |
これだけならば今時のサウンドカードとして至極当然のスペックだが、本製品はさらに「QSound」によるサラウンド効果も利用可能になっている。QSoundとはQSound Labsが開発した、3Dサウンドをより楽しむための技術である。3Dサウンドはさまざまな規格が乱立している状況だが、QSoundは「I3DL2」「EAX1.0/2.0」「A3D1.0」といったPCゲームに広く使われている3DサウンドAPIとも互換性を持っているのでゲームユーザーにも安心だ。
さて、QSoundの最大の特徴は、“どんな音”でも(ステレオであれば)擬似的に4/5.1ch化して再生できることにある(QSoundの技術詳細は同社Webサイトを参照)。つまり音源がCDでもMP3でも、5.1ch対応なデータであるように聞こえるのだ。あくまでもエミュレートなので、もちろん本当の5.1chソースと比較するとその違いは一目(耳)瞭然であるのだが、非常におもしろい機能であることは間違いない。ステレオスピーカやヘッドフォンでの5.1ch仮想再生も対応し、この機能はあらゆるユーザーが楽しむことができるようになっている。
ブラケット部分のアップ。5.1ch出力対応カードの場合、ドータカードを使って2つのスロットを占有するタイプが多いが、本製品の場合専用ケーブルで1スロットのみで実現している。 |