注目のパフォーマンスチェック
あとは、インストールまで滞りなく終了。HDD容量が300MBちょい程度なので自動的にWindows 95であるが……。
さて、このPentium Proのパフォーマンスを調べるとなれば、何かベンチマークソフトを走らせて、ということになる。そこで登場するのは「Superπ」。純粋に、CPUの速度を測るならこれ、というわけである。計算は104万桁まで、比較対象はPentium II-450MHz。さてその結果は……
Pentium II-450MHz | Pentium Pro-200MHz |
---|---|
4'37" | 13'02" |
……遅い。絶望的な遅さである。これでは話にならん、寂しすぎる! と、マザーボードにCPUの倍率設定ジャンパがあったのを思い出す。となればやる事はひとつ。レッツオーバークロック! 標準はFSB66.6MHz×3倍の200MHzだが、倍率3.5倍で233MHzでGO!
……12分12秒。ほとんど変わらない……
気を取り直して、お次はこれまた昔懐かしい「Final Reality」である。
思えば、「3DMark」が広まる前はこれがベンチマークソフトの標準といえたものである。Pentium Proに、ビデオカードはATI RAGE II+だから世代的にもぴったりであろう。
比較対象はSuperπと同じ。いろいろな指標が出てくるが、単純に“Overall”での比較といこう。もちろんオーバークロック状態でも測定してみる。
Pentium II-450MHz | Pentium Pro-200MHz | Pentium Pro-233MHz |
---|---|---|
4.82 | 1.04 | 1.09 |
……遅い。涙が出るほど遅い。何より、オーバークロックでもほとんど変わらないと言うのが泣ける。
Final Realityの基準となっているのがPentium-150MHzにS3 Virgeだから、まさにちょうど五十歩百歩、これが当時のスピード競争のレベルだったのだ、ということで納得するしかあるまい。くーっ。
最後の頼り、実用度チェック
……と、まあベンチマークでは惨憺たる結果だったものの、普通にマウスでカチカチいじくっている程度においては、そう遅さは感じない。これまでのベンチは全てWindows 95上で行ったため、16ビットコードに弱いPentium Proの弱点が出たということも言えるかも知れない。……確かに、大枚はたいてこの速度では、すでにPentiumがあるユーザーに見向きもされなかったのもむべなるかな、である。
そこで最後の望みを託しWindows 98にチェンジ、さらに実用度チェックということでASCII Labベンチで測定してみることにした。比較対象は前2つのベンチと同一、メニューはWord 2000とExcel 2000で3回ずつの平均値である。当然ジャンクHDDでは容量が足りないため、自前の大容量HDDを用意して挑戦だ。
Pentium II-450MHz | Pentium Pro-200MHz | Pentium Pro-233MHz |
---|---|---|
91.3410sec 43.5820sec |
305.2760sec 154.3500sec |
272.7430sec 138.8600sec |
……嗚呼、涙が出る。ざっとトリプルスコアである。オーバークロックでも焼け石に水。
以上、多少ヤケクソ気味に言わせてもらえれば、“FSB100MHz/Pentium II/440BXの優秀さが改めて証明された”と、一体何年前の話なんだかという結果となった。半導体技術の神秘とムーアの法則の威力を身にしみて感じつつ、古きよき時代のノスタルジーを感じられたのが収穫ではあった……かもしれない。
さてこのPentium Proマザー、どうしましょ。Windows NTでもインストールしてサーバにしますか……
さて長い間ご愛顧いただいたこの「ジャンクでGO!」、今回で最終回となります。結局連載を通して、動作保証とうたわれた動作不能品を売りつけられることもなく、かと思えば動作しないと半分諦めていたものもすんなり動いてしまったり、「意外とイケルもんだ」というのが感想であります。
というわけで、皆々様におかれましても、「知識と勇気」「動きゃいいんだ、動きゃ!」を合言葉に、己のジャンク道を貫いていただきたく思います。
それでは皆さんごきげんよう。ありがとうございました!