引っ付いて、離れて、歩く!!
独立行政法人産業技術総合研究所は12日、世界初という、変形しながら移動するモジュール構造のロボットを発表した。
 | 初期状態。左右4個ずつと中央に1個の、全部で9モジュールで構成する。(産業技術総合研究所提供) |
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 | クローラ型に変形。おもむろに両端が持ち上がって接合する。(産業技術総合研究所提供) |
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 | クローラ型で移動。(産業技術総合研究所提供) |
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 | キャタピラーのような、それも人間キャタピラーのような動きだ。(産業技術総合研究所提供) |
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 | 4脚型に変形。輪が縦に伸びる。(産業技術総合研究所提供) |
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 | 輪の一端を切って4脚になる。(産業技術総合研究所提供) |
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 | 4脚歩行開始。高速ではないが、動きはスムーズだ。(産業技術総合研究所提供) |
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 | のそのそと歩く。同研究所のウェブサイト内では動画も公開している。(産業技術総合研究所提供) |
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開発したのは同研究所の知能システム研究部門分散システムデザイン研究グループ。東京工業大学大学院総合理工学研究科と共同で開発を行なった。
今回のロボットは、自動的に自分で自分の構造を変化させ、さまざまな立体形状を構成することができるという。
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モジュールの構造。非常にシンプルだ。バッテリーを内蔵していないため、現状では外部からの電力供給が必要になる。(産業技術総合研究所提供) |
モジュールは6個の着脱面と2個の回転駆動部のみのシンプルな構造。モジュール同士は永久磁石で結合し、形状記憶合金アクチュエーターで離脱する構造になっており、自律的に着脱が行なえる。結合面には電極を実装しており、それを通して各モジュールへの信号や電源供給を行なう。現状では外部から有線で電力を供給しているが、今後はバッテリーなどを内蔵することを検討している。
同ロボットは9個のモジュールによって、キャタピラーのような“クローラ型”ロボットから4脚ロボットに変形して移動を行なうことが可能。現在は、まだ各種センサーやソフトウェアが開発中のため、外部から入力したプログラムによって、あらかじめ設定した動きを行なう。
また、製作したモジュールの数がまだ少ないため、9個のみの接続となっているが、同研究所ではさらに多くのモジュールを接続したシミュレーションも行なっている。
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多数のモジュールの集合体による障害物越えシミュレーション(産業技術総合研究所提供) |
同研究所では、将来的にはモジュールに外部環境を検知する各種センサーを取り付け、各モジュールが自律的に動作を完結する分散制御を実用化し、未知の環境での適切な移動や作業を行わせることを目標としている。