(社)全日本文具協会が主催する“第12回国際文具・紙製品・事務機器展(ISOT 2001)”が12日、東京ビッグサイトで開幕した。25の国と地域から569社が出展し、14日までの3日間開催する。
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三菱鉛筆(株)のブースには多くの人が集まった |
三菱鉛筆(株)のブースでは、Bluetoothを搭載し、紙に書いた文字やスケッチをインターネット経由で送信できるペン『uni Digital Pen』を展示していた。
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『uni Digital Pen』 |
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残念ながら、モックアップだった |
『uni Digital Pen』は、専用紙の上に書いた文字をペンに内蔵したカメラが読み取り、座標・ベクトル情報として記憶する。それをBluetoothによって携帯電話など、ほかのBluetooth対応機器に送信、そこからインターネットに画像データとして送信する。現状では文字もスケッチもすべて画像データとして認識するが、将来的には文字をテキスト情報として認識させることを検討している。
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これはパイロット(株)の技術説明 |
専用紙には、2mm四方あたり100個の小さな点が微妙にずれて印刷されている。点の組み合わせは2mm四方ごとにすべて異なり、それをペン側の赤外線カメラが、毎秒100回の割合で読み取る。点の組み合わせを識別することでペン先の座標を算出し、入力した情報をベクトルデータに変換する。ペン側のメモリーには、A4にして約50ページ分の情報が保存できる。また、搭載するバッテリーで、約1日の使用が可能だという。
![]() | 専用紙。小さな点が微妙にずれて印刷されている |
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専用紙の上に印刷した特定のパターンによって、ペンに命令を送ることも可能。実際、記憶したデータを送信するには“送信”と記されたチェックボックスをチェックすることで行なう。メモ書きをメールとして送信するほかに、通信販売でカタログにマークを入れると実際に商品を購入できたり、地図上にしるしを入れるとその付近の施設の情報を取得できたり、といた応用を検討している。
これらの技術は、スウェーデンのアノト(Anoto)社が開発した技術。日本では現在のところ、三菱鉛筆と(株)パイロットがパートナー企業として製品化する予定。
三菱鉛筆が展示していたのはモックアップだったが、そのパイロットのブースにはスウェーデンのエリクソン(Ericsson)社製の試作品を展示していた。パイロットでの製品名は、『Pentopia Digital』。
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三菱鉛筆はモックアップだったが、パイロットのブースには、何気なくエリクソンの試作品が置いてあった |
実際に文字を書くと、アルファベットは画像データとして比較的きれいに表示されが、細かい漢字はうまく表示できなかった。もっとも、展示していたのはまだ試作段階のものであり、今後認識能力が向上するものと思われる。
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ペン先。中央の黒い穴が赤外線カメラ。左右2個のレンズで、赤外線を照射する |
海外では年内に発売され、国内では三菱鉛筆、パイロット両社とも、来年中の商品化を目指すとしている。
スタイラスペン型バーコードリーダー
また、パイロットはスタイラスペンサイズのバーコードリーダー『Pentopia Pocket Scan』も参考出品していた。
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『Pentopia Pocket Scan』 |
『Pentopia Pocket Scan』はパイロットと国内バーコードリーダーメーカー(非公表)が共同開発したもので、PDAにアダプターを取り付け、有線接続するペンでバーコードを読み込む。
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アダプターがカード型になったモデル |
ハードウェアはパイロットが販売し、ドライバー以外のソフトウェアはサードパーティーに提供してもらう予定。しかし、パイロットでは社内用のソフトウェアを開発しており、それを一般に販売することも検討している。また、PDAメーカーからのオファーもあり、OEM供給してメーカー純正オプションとして販売することも検討しているという。
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企業情報などのバーコードを読み込んだ結果。 |
基本的に企業向けで、在庫管理などの用途での使用を見込んでいる。来夏発売予定で、価格は1万円前後を予定している。
