(株)ヤッパは27日、回転や拡大・縮小可能な3Dオブジェクトを、プラグインなどを必要とせずにウェブブラウザー上に表示する技術(※1)を発表した。
※1 同社では“ヤッパ・テクノロジー”と呼んでいるが、正式な名称はまだ未定だという。ヤッパの3D技術で作成した腕時計 |
同技術はイスラエルのMonfort社が開発した。ヤッパが日本での独占販売権を取得している。同技術はJavaで記述されており、3DオブジェクトはJavaアプレットにより表示する。パソコン上で表示するにはJava対応のウェブブラウザーが必要になるが、Javaが動作する環境であればプラットフォームを選ばないという。なお、3Dオブジェクトを表示するために、特別なプラグインなどは必要無い。
これはコーヒーカップ |
表示する3Dオブジェクトのデータサイズは、平均して約100KB。そのうち、実際に描画を行なうエンジンとライブラリーが約50KB、画像のデータが約50KBとなっている。もっとも、オブジェクトのデータのサイズには上限は無いという。
エンドユーザーがホームページ上の画像などをクリックすると、描画エンジンとライブラリー、データが読み込まれてブラウザー上で表示される。オブジェクトの拡大や縮小、移動および回転は自由に行なえる。そのほかにも、ボタンやオブジェクトをクリックすれば形状が変化するような設定も可能。描画エンジンとライブラリーに関しては、そのウェブサイトを閲覧している間、メモリー上に残っており、再度読み込むことはないという。
同日開催した記者発表会で、同社代表取締役社長の伊藤正裕氏は、現在のインターネット上で問題になるのは表現力であり、「2Dオブジェクトはいずれすべて3Dオブジェクトにリプレースされる。」
代表取締役社長 伊藤正裕氏 |
プラグインが必要ないことで、パソコン以外も含めた、あらゆるプラットフォームでの動作が可能だという |
ただし、「現在の3Dオブジェクトは表示するのに何らかのプラグインが必要であり、初心者ユーザーには設定が難しく、またプラットフォームが限定される。また開発の作業、コストがかかる。それらのハードルを低くして、マーケットの裾野を広げる」ことを目指すと強調した。同社ではこの技術を、Eコマースサイトでの商品の紹介や、バナー広告などに提供していくとしている。
提供方法については、当面は同社のみが3Dオブジェクトの制作を行なう。3Dオブジェクトの作成を希望する場合は、希望する物体そのもの、あるいは写真やCADデータなどを同社に送付する。しかし、「マーケットの裾野を広げる」としつつも、オーサリングツールの販売やデベロッパーの拡充などについては、現時点では未定だという。
キウイの断面 |
対応するウェブブラウザーは、WindowsではIE4.0以降あるいはNetscape Navigator 4.75以降。Mac OSではIE5.0以降かNetscape Navigator 4.5以降。そのほかにもSolarisやLinuxのJava対応価格ウェブブラウザー上で動作する。制作を委託する場合、価格は3Dオブジェクト1点あたり2万4000円。同社は初年度で3万3000点、8億円の売り上げを見込んでいる。
ちなみに、“ヤッパ”という社名は、「やっぱり」からきているという。